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渡部海の父・達人さん「僕の役割は野球を嫌いにならないようにするだけでした」 大学まで野球の父が見守ったドラ1候補の原点

渡部海の父・達人さん「僕の役割は野球を嫌いにならないようにするだけでした」 大学まで野球の父が見守ったドラ1候補の原点

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

10月22日のプロ野球ドラフト会議で1位候補に挙がる青山学院大学4年の捕手、渡部海(わたべ・かい)。大阪市で育ち、物心つく頃にはもう野球をしていた。きっかけは、大学まで野球を続けた父・達人さんだ。少年野球のコーチとして息子を見てきた父は、自分の役目を「野球を嫌いにならないようにする」ことだったと語る。保育園に阪神のユニホームで通った少年が「勝てる捕手」と呼ばれるまでを、父と本人の言葉でたどる。

渡部海のプロフィール|出身・経歴は?

大阪市出身の捕手で、少年野球からずっとマスクをかぶってきた。中学時代にU-15日本代表に選ばれ、智辯和歌山高校から青山学院大学へ進んだ。大学では1年春から正捕手を務め、2026年は大学日本代表の主将も任された。

項目内容
名前渡部海(わたべ・かい)
出身大阪府大阪市
所属青山学院大学4年
ポジション捕手(少年野球から一貫して捕手)
経歴智辯和歌山高校→青山学院大学
主な実績高校2年夏(2021年)に甲子園優勝、大学で東都リーグ6連覇、高校・大学を通じて日本一5度、2026年大学日本代表主将

捕手になった理由について、本人は肩が強かったことも関係したかもしれないと話している。二塁への送球は1.8秒台と報じられ、大学日本代表では4番も打った。

渡部海の父・達人さん|大学まで野球、少年野球ではコーチ

野球を始めた経緯について、渡部はJ:magazine!のインタビューでこう話している。

「父が大学まで野球をやっていて、それで自分にもやらせたかったようです」

物心つく頃には、もうボールを握っていたという。休みの日になると、渡部のほうから「野球しよう、野球しよう」と父にねだった。息子が小学生になると、達人さんは所属するクラブチームのコーチを務めるようになる。

「僕の役割は野球を嫌いにならないようにするだけでした」

大学までプレーした父の目から見ても、息子の腕前は早くから抜けていた。達人さんはTHE ANSWERの取材にこう答えている。

「自分が子どもの時よりも上手かった。僕の役割は野球を嫌いにならないようにするだけでした」

コーチとしてチームに関わりながら、達人さんが自分に課したのは技術を教え込むことではなかった。野球を好きな気持ちを守ること。休日に自分から父を誘っていた少年は、その後も捕手を続け、高校、大学と日本一を重ねていく。

「プロになりたい」に「それなら止めておこう」 親子の目標は”NPBの1軍レギュラー”

中学生のころ、渡部は父に「プロ野球選手になりたい」と打ち明けた。返ってきたのは、意外な一言だった。

「それなら止めておこう」。

突き放したわけではない。THE ANSWERによると、達人さんの真意は「やるならNPBの1軍のレギュラーになろう」。プロに入ることではなく、1軍で試合に出続けることを目標に置き直したのだ。親子はこの高い目標を一緒に掲げた。

同じ考え方は、いまの渡部の言葉にも表れる。FRIDAYデジタルの取材で、本人はこう話した。

「評価していただいているのは嬉しいですが、ドラフトはゴールじゃない。やっぱり、入ってからが勝負だと思っています。」

J:magazine!のインタビューでも「この先、プロに入ったら長くプレーできる選手になりたいと思っています」と語っている。中学時代に父と決めた目標は、ドラフトを目前にした今もぶれていない。

渡部海は阪神ファン?阪神のユニホームで保育園に通った少年時代

検索では「阪神ファン」という言葉もよく調べられている。手がかりになるのは幼少期のエピソードだ。THE ANSWERによると、渡部は毎日のように阪神のユニホームやTシャツを着て保育園に通っていた。

ただし、いまも阪神ファンかどうかを本人が語った取材記事は見当たらない。はっきりしているのは、保育園のころに毎日のように阪神のユニホームやTシャツを着ていたことまでだ。

その阪神が、22日のドラフト会議の1位候補として渡部を最有力に挙げていると報じられている。幼いころに毎日のように着ていたユニホームの球団から名前を呼ばれるのか。ファンの関心もそこに向く。

渡部海の高校時代|智辯和歌山で2年夏に甲子園優勝

高校は和歌山の智辯和歌山を選んだ。理由について、本人は「大阪出身で元々智辯和歌山が好きだった」とJ:magazine!で明かしている。

決め手はもう一つあった。渡部が中学2年のとき、プロで長く捕手としてプレーした中谷仁監督が就任していた。捕手としてプロを目指すなら、同じ捕手だった監督に教わりたい。そう考えて進学を決めたという。

2年夏の2021年には正捕手として甲子園で優勝した。中谷監督からは「打たれたらキャッチャーの責任」と厳しく指導された。いまも心に残る言葉として、本人は監督のこんな一言を挙げる。

「配球で100点はとれないけれど、リードでは100点はとれる」

3年夏は初戦で敗れた。チームも自分も力を出し切れず、悔しさが残ったと語っている。

高校卒業時点でのプロ入りも頭にはあった。だが、FRIDAYデジタルの取材によると、中谷監督は自身が高校からプロに入って苦労した経験を踏まえ、大学進学を勧めた。父と掲げた「1軍のレギュラー」という目標を考えれば、遠回りに見える4年間も必要な準備だった。

青学大でリーグ6連覇 明治神宮大会の決勝3ランを家族が見届けた

青山学院大学では1年春から正捕手としてマスクをかぶり、東都大学リーグで1年春から3年秋まで6連覇を続けた。その間、2年だった2024年には春秋のリーグ戦、全日本大学選手権、明治神宮大会をすべて制し、史上5校目の大学4冠に輝いている。

家族の前で大仕事をしたのが、2025年11月の明治神宮大会決勝だった。立命館大学との一戦で、4番の渡部は6回1死二、三塁の場面で打席に入る。フルカウントから内角のスライダーをとらえ、左翼席へ3ランを運んだ。これが決勝点となり、青学大は4-0で2年連続の優勝を決めた。

スタンドには家族が応援に駆けつけていた。達人さんはTHE ANSWERの取材に、こう話して笑った。

「犠牲フライでも何でもいいから点を取ってくれたらと。祈る思いで見ていました。想像を遥かに超える活躍ですね。興奮して、一瞬頭が真っ白になりました」

渡部も「家族は常に支えてくれているので恩返しがしたい。良い結果が出せたのでよかった」と感謝を口にした。高校から寮生活を続ける息子について、達人さんは「高校の時から寮に入っているので、たまにしか会わないですけど、真面目に頑張ってくれているなと思います」と話している。

最上級生になった2026年は、大学日本代表の主将を任され、7月の国際大会WCBCで優勝した。一方、春のリーグ戦では連覇が6で止まる。経験の浅いチームを立て直せなかったことを反省点に挙げ、秋のリーグ戦で再び優勝を目指すと語っていた。

渡部海のドラフト評価|阪神の1位最有力候補、中日も「勝てるキャッチャー」と評価

ドラフト前の各球団の動きでは、渡部の名前が繰り返し挙がる。10月9日に阪神がスカウト会議を開き、1位候補として渡部が最有力に挙がったと報じられている。競合を見据え、外れ1位の候補選びも進めたという。

阪神以外にも、正捕手の後継を課題とする球団がある。9月の報道では、楽天と広島が1位指名する可能性が高いとされ、巨人やソフトバンクの参戦もありうると伝えられた。

スカウトの評価も高い。中日の岡野祐一郎スカウトは「総合力が高く、今までも良いピッチャーたちを引っ張り続けてきました。勝てるキャッチャーだと思います」と話している。

本人が自分の武器に挙げるのは、試合の流れを読む力だ。「打てる捕手であることを目指していますが、まずは守備で信頼されないとキャッチャーは試合には出られない」。FRIDAYデジタルの取材には、そうも話した。

2026年のドラフト会議は10月22日(木)に開かれる。どの球団が交渉権を引き当てても、渡部が目指すのは中学時代に父と決めた「NPBの1軍のレギュラー」だ。野球を嫌いにさせないことだけを心がけてきた父との約束が、プロの舞台で試される。

関連記事:阪神、ドラフト1位は青学大・渡部海捕手が最有力と報道 9日スカウト会議、外れ1位候補に亜大・前嶋藍

[文/構成 by さとう つづり]

寄稿者

さとう つづり
つづり|ライター・編集者 2018年より個人ブログの運営を開始。アフィリエイトライターとして活動後、Webメディアの運営、記事入稿、編集業務に携わる。7年にわたり「読まれる記事」を追求してきた経験を活かし、現在は日常での気になるニュースに対してコラムを執筆中。トレンドから日常の機微まで、幅広いテーマを独自の視点で言語化します。

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