アゴルディーノ、サウジアラビアRCで重賞初制覇 横山和生騎乗でクビ差、次走に注目

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
10月10日の東京11R、第12回サウジアラビアロイヤルカップ(G3、2歳、芝1600m、11頭)は、横山和生が騎乗した3番人気のアゴルディーノが後方から差し切って重賞初制覇を飾った。2着サトノハクマイとの差はクビ、勝ちタイムは1分34秒4(良)。6月に亡くなった田村康仁調教師のもとでデビュー勝ちを挙げた馬で、父エフフォーリアにとっても産駒初の重賞勝利となった。
最後方グループから上がり33秒4、クビ差で届いた
晴れて良馬場の東京芝1600m。スタートでタイミングが合わなかったアゴルディーノは、道中を後方で進めた。4コーナーの通過順は9番手タイで、前にはまだ8頭がいた。
レースはグルーヴェンスが引っ張り、1000mの通過は1分00秒1。2歳のマイル重賞としては落ち着いた流れで、後半4ハロンは46秒6、最後の3ハロンは34秒3にまとまった。後方に控えた馬には楽ではない流れだった。
それでも勝負は直線で決まる。最内から先に抜け出したサトノハクマイ(戸崎圭太)を、外に持ち出したアゴルディーノが一気に追い詰め、ゴール前でクビだけ前に出た。上がり3ハロンは出走馬で最速の33秒4。2着馬の34秒0を0秒6上回る末脚だった。
1番人気のフィリオソラーレ(C.ルメール)は1馬身遅れの3着。2番人気のベルウッドディープ(三浦皇成)は5着に終わった。単勝は660円だった。
サウジアラビアロイヤルカップ(10月10日、東京芝1600m・良)上位5頭
| 着順 | 馬名 | 騎手 | タイム | 着差 | 人気 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1着(優勝) | アゴルディーノ | 横山和生 | 1分34秒4 | ― | 3番人気 |
| 2着 | サトノハクマイ | 戸崎圭太 | 1分34秒4 | クビ | 6番人気 |
| 3着 | フィリオソラーレ | C.ルメール | 1分34秒6 | 1馬身 | 1番人気 |
| 4着 | グルーヴェンス | 横山武史 | 1分34秒7 | 1/2馬身 | 10番人気 |
| 5着 | ベルウッドディープ | 三浦皇成 | 1分34秒8 | 1/2馬身 | 2番人気 |
2着の戸崎は直線で狭い所に入ったことを悔やみつつ、「良いものを持っています」とサトノハクマイの素質を認めた。休み明けで3着だったフィリオソラーレについて、ルメールは「重賞レベル」と力を評価している。
新馬勝ちの2日後に田村調教師が死去、厩舎を移って迎えた重賞
アゴルディーノは2024年3月13日生まれの牡馬。父は2021年に皐月賞、天皇賞・秋、有馬記念を勝ったエフフォーリア、母はモルトフェリーチェ、母の父はディープインパクトだ。北海道新ひだか町の中田英樹が生産し、2025年の北海道セプテンバーセールで1100万円で取引された。馬主はディアレストクラブとなる。
デビューは6月27日、函館の芝1200mの新馬戦。横山和生を背に2番人気で勝ち上がった。管理していたのは美浦の田村康仁調教師。その2日後の6月29日、田村調教師は病気のため63歳で亡くなった。メジャーエンブレムで2015年の阪神ジュベナイルフィリーズと2016年のNHKマイルカップ、アスクビクターモアで2022年の菊花賞を勝った調教師だった。
管理馬63頭は6月30日付で美浦の中舘英二厩舎へ転厩した。中舘厩舎はJRAから馬房の臨時貸付を受け、田村厩舎のスタッフとともに馬たちを預かった。いわゆる「チーム田村」だ。
アゴルディーノは2戦目、8月15日に札幌芝1800mのオープン、コスモス賞へ向かった。1番人気に推され、勝ったデアグランツとタイム差なしの2着。距離を1200m、1800m、1600mと変えながら、3戦2勝の成績を残している。
「自然と出ました」横山和生のガッツポーズ
ゴールの瞬間、横山和生は右手を突き上げた。勝ち馬がかぶっていた黒いメンコには「Y・T」の文字。田村康仁のイニシャルだった。
「田村先生にお世話になっていたので、田村厩舎のスタッフとこの馬と勝てたのがすごくうれしくて。自然と出ました」。レース後、横山和生はガッツポーズの理由をそう明かした。後方からの競馬についても「この子といい信頼関係を築けていると勝手に思っているので、慌てずに」と落ち着いて構えていたことを語り、距離や条件を問わず結果を出す相棒を「この馬のセンスには頭が下がります」とたたえている。
担当の寺河助手は目を潤ませた。「普通なら届かない。ジョッキーも覚悟を決めて乗ってくれた」。ふだんはピリピリしやすい気性だが、この日はなぜか落ち着いていたという。「先生がいたら『俺がいる時に勝てよ』と言っていたと思います」と、冗談を交えて亡き師をしのんだ。
1年前の同じレースを勝ったのも田村厩舎だった。2025年の第11回は、田村調教師が管理したエコロアルバ(坂井瑠星)が制している。田村厩舎のスタッフにとっては、実質的な2年連続の勝利だ。
横山和生は2022年にもドルチェモアでこのレースを勝っており、自身2度目のサウジアラビアロイヤルカップ制覇となった。
秋の東京開催は10月3日に始まり、前週の4日には同じ東京でG2の毎日王冠があった。開催2週目の土曜日は、2歳馬の重賞がメインレースとなった。
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次走は未定、ここから朝日杯FSへ向かった先輩たち
気になるのは次の一戦だ。10月11日時点で、陣営から次走についての発表はない。中舘厩舎への馬房の臨時貸付は10月20日で満了となり、「チーム田村」は解散する。アゴルディーノもスタッフも、それぞれ新しい厩舎へ移る。アゴルディーノの移籍先の厩舎名は、10月11日時点で公表されていない。
このレースは2015年に「いちょうステークス」から改称され、2016年にG3に格付けされた。同じ東京芝1600mで行われる2歳マイル重賞で、暮れのG1、朝日杯フューチュリティステークスと同じ距離になる。
過去の勝ち馬からは、ここを足がかりにG1を勝った馬が何頭も出た。2017年のダノンプレミアム、2019年のサリオス、2022年のドルチェモアは、いずれも同じ年の朝日杯フューチュリティステークスを制している。2018年のグランアレグリアは翌2019年に桜花賞を勝った。
2歳の重賞は、9月5日の札幌2歳ステークス(ショウナンガレオンが優勝)で夏の開催を終え、秋の最初の一戦がこのレースだった。
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デビューから約3か月半で3戦2勝、獲得した重賞タイトルは1つ。エフフォーリアの初年度産駒として最初の重賞馬にもなった。距離を延ばしても短くしても走るセンスは、横山和生が認めるとおりだ。
新しい厩舎で迎える4戦目がどこになるのか。「新天地に行っても頑張って欲しいです」。寺河助手は笑顔で話を締めくくった。
[文/構成 by スポーツライター 疾風(HAYATE)]










































































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