辻本倫太郎、中日から戦力外通告で現役続行を希望 23年ドラフト3位・仙台大出身の25歳、入団からの成績

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
中日は9月30日、辻本倫太郎内野手(25)と来季の契約を結ばないと発表した。2023年ドラフト3位で仙台大から入団した小柄な内野手は、3年間で1軍通算57試合、打率.148。今季は2軍で打率.290を残したが、1軍定着はかなわなかった。本人はNPB、社会人を問わず現役続行を希望している。
「一番最初はビックリしました」、通告は9月30日
辻本は9月30日、名古屋市のナゴヤ球場で通告を受けた。同日、スーツ姿で本拠地バンテリンドームを訪れ、前日に通告を受けた尾田剛樹、育成の津田啓史とともにあいさつしている。
「そうですね、一番最初はビックリしました」。日刊スポーツの取材に、まず率直な思いを口にした。中日スポーツには「今は特に何も考えていない状態です」とも話している。
球団の発表では、この日の通告は辻本と、2021年ドラフト1位のブライト健太外野手(27)の2人。チームが6選手に通告した29日、辻本は体調不良だった。
3年間の話になると、言葉はファンへの感謝に向かう。「バンテリンドームでたくさんの声援をいただいて、りんちゃんって愛称で呼んでいただいて、そこの愛はすごく感じました」。結果と出場機会では恩返しができなかったとしたうえで、「一生思い出になるんじゃないかなと思います」と続けた。
北海高から仙台大へ、同大初の支配下野手
辻本は2001年8月11日生まれ、北海道出身。札幌の北海高から宮城の仙台大に進み、2023年10月のドラフト会議で中日から3位指名を受けた。仙台大出身の野手が支配下選手としてプロ入りするのは、これが初めてだった。
身長168センチ、右投げ右打ちで、今季の背番号は0。売りは守備で、2年目の2025年3月のオープン戦では、二塁の守りで相手の重盗を見抜き、本塁へ突っ込んだ三塁走者を刺している。「守備から信頼を得てレギュラーを取りたい」。入団当初から口にしてきた目標だった。
入団からの年度別成績、2軍では2年続けて打率2割9分以上
NPB公式記録による1軍、2軍の年度別成績は次のとおりだ。
| 年度 | 1軍 試合 | 1軍 打数-安打 | 1軍 打点 | 1軍 打率 | 2軍 試合 | 2軍 本塁打 | 2軍 打点 | 2軍 打率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2024 | 13 | 18-3 | 0 | .167 | 90 | 0 | 21 | .227 |
| 2025 | 29 | 53-7 | 1 | .132 | 34 | 3 | 16 | .314 |
| 2026 | 15 | 17-3 | 0 | .176 | 65 | 2 | 16 | .290 |
| 通算 | 57 | 88-13 | 1 | .148 | 189 | 5 | 53 | .266 |
※2026年は9月30日時点。2軍の通算打率は3年分の打数と安打から算出
1年目の2024年は4月17日のヤクルト戦でプロ初出場を果たした。プロ初安打はそれから約5か月後の9月7日、マツダスタジアムでの広島戦。途中から二塁の守備に就き、8回に島内颯太郎の初球を左前へ運んだ。翌8日には同じ広島戦で初めて先発に名を連ねている。
2年目は初めて開幕1軍に入り、1軍出場を29試合まで伸ばした。8月29日のDeNA戦ではプロ初打点。それでも1軍の打率は.132にとどまった。対照的に、2軍では34試合で打率.314を残している。
数字を並べると、1軍と2軍の差がはっきり見える。2軍で打てるようになった打撃を、1軍の少ない打席で示しきれなかった3年間だった。
3年目は開幕1軍も、2度の抹消
2025年のオフにはソフトバンクの今宮健太の自主トレに参加し、3年目を迎えた。春季キャンプのスピーチでは「今年度も崖っぷちやと思って頑張ります」と宣言したという。
春は好調だった。オープン戦は15試合で打率.313、1本塁打。2月28日にバンテリンドームであった侍ジャパンとの壮行試合では、3回に伊藤大海からソロ本塁打を放ち、2年連続の開幕1軍をつかむ。
だが、シーズンに入ると快音が止まる。8試合で11打数1安打と苦しみ、4月23日に出場選手登録を抹消された。7月10日に再び1軍へ上がったものの、8月4日に2度目の抹消。1軍は15試合、17打数3安打で今季を終えた。
2軍では腐らなかった。65試合で打率.290、出塁率.366、2本塁打、16打点。「ファームでも腐らず、チームでもいい成績を残して、そこで頑張りきれたってところは自分を評価してあげたい」と、悔しさをにじませながら手応えも口にした。
前日29日の6人とは別の日の通告
中日の今オフの通告は、9月30日までの2日間で8人になった。29日には福敬登、三浦瑞樹、土生翔太、尾田剛樹、川上理偉、津田啓史の6人に来季の契約を結ばないと伝えており、このうち土生、川上、津田の3人は育成選手だった。辻本とブライトへの通告はその翌日の30日で、別の発表になる。
関連記事:中日、福敬登・三浦瑞樹ら6人に戦力外通告 津田啓史は2年連続の戦力外通告
ブライトは上武大から2021年ドラフト1位で入団した外野手で、今季の1軍出場は5試合、14打数1安打にとどまった。
社会人の兄の背中も見ながら、次の道へ
辻本は現役続行を望んでいる。視野に入れるのはNPBの他球団だけではない。兄が社会人野球でプレーしており、その姿を身近で見てきた。
「兄貴も社会人野球やってて、そこを見たりする機会も多かったので、そういうところでもオファーをいただけたら、そこからしっかり考えていければなと思っています」。日刊スポーツの取材に、そう前を向いた。「やれる体も自信もある」とも言い切った。中日スポーツの取材には「他球団か、オファー次第です」と話している。
NPBでのプレー継続を目指す選手にとって、大きなアピールの場になるのが日本プロ野球選手会が主催するトライアウトだ。今年は「エイブル トライアウト2026」として11月17日、バンテリンドーム ナゴヤで開かれる。参加すれば、3年間「りんちゃん」と呼ばれた球場が、次の所属先を探す舞台になる。
2軍で打率.290を残した内野手に、どこから声がかかるのか。オファーを受けてから考えるという辻本の次の行き先は、11月にかけての各球団や社会人チームの動きで決まっていく。
[文/構成 by スポーツライター 高瀬翔吾]








































































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