山口茜、アジア大会女子シングルス決勝へ 王祉怡に2-0、29日の決勝はアン・セヨン

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バドミントンの山口茜(29)=再春館製薬所=が9月28日、愛知県の一宮市総合体育館で行われた愛知・名古屋アジア大会の女子シングルス準決勝で、世界ランキング2位の王祉怡(中国)を21-11、22-20のストレートで破った。日本勢の同種目決勝進出は、米倉加奈子が金メダルを取った1998年バンコク大会以来28年ぶり。9月29日の決勝では、世界ランキング1位でパリ五輪金メダリストのアン・セヨン(24)=韓国=と金メダルを争う。
団体決勝の雪辱、第2ゲームは16-19から逆転
4日前の団体戦決勝で、山口は同じ王祉怡に21-14、19-21、17-21で逆転負けしていた。日本も中国に0-3で敗れ、銀メダルに終わっている。個人戦の準決勝は、その再戦だった。
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第1ゲームは中盤まで点の取り合いが続く。13-11から山口が8連続得点を奪い、21-11で先取した。連戦で相手の足が団体戦ほど動いていないと見て、ネット際にドロップショットを落とす配球が効いた。本人も試合後、「ドロップをミスなく効果的に入れられた」と手応えを口にしている。
第2ゲームは我慢比べになった。山口が序盤から先行し、15-13とリードしたところで流れが変わる。ショットのアウトやネットが続いて5連続失点を喫し、一時は16-19と3点差をつけられた。
だが、山口は相手のスピードに付き合わなかった。後方深くへ返す「オールロング」で落ち着いたラリーに持ち込み、4連続得点で20-19とマッチポイントを握る。追いつかれた20-20からは、相手のスマッシュにスライディングしながら飛びついて返球し、相手のショットがアウトになって再びマッチポイント。最後は強いプッシュを沈め、22-20で試合を終えた。
第1ゲームは23分、第2ゲームは34分かかり、試合時間は約1時間だった。第2ゲーム終盤には両選手が膝をついて汗をぬぐう場面もあり、試合後に体の状態を問われた山口は「疲れています」と短く答えている。9月22日の団体準々決勝からこの日まで、7日間で7試合という過密日程だった。
「2ゲームで終わって、すごくほっとした」
試合後の取材で、山口は団体戦の敗戦を踏まえた修正を細かく明かした。トップスピードで攻め急ぐのではなく、ミスにつながらない範囲の速さで相手を崩す。第2ゲームの中盤に相手がスピードを上げてくると、団体戦と同じような点の取られ方になったと認めたうえで、「自分が逆にオールロング的なことをして、焦らずに点数を重ねていけたのがよかったのかなと思います」と語った。
20-20からのダイビングレシーブについては「価値のあるダイビングだった」と表現。終盤の心境を問われると、勝てる手応えは最後まであまりなく、「最後の方は、『またか』と思っていたので、2ゲームで終わって、すごくほっとしたという感じです」と本音を漏らした。
会場の一宮市総合体育館には「茜コール」が響いた。山口は「おそらく人生で一度しかないであろう自国開催のアジア大会で、決勝まで戦えるのはすごくうれしい」と話し、客席で応援した女子ダブルスの中西貴映/岩永鈴、男子シングルスの西本拳太の声も聞こえていたと明かした。決勝に向けては「ラストなので、思い切って。本当に挑戦するだけなので、いろんなことをやって、全部出し尽くす気持ちで、頑張りたいなと思います」と言葉に力を込めた。
決勝は団体戦から8試合目、山口の勝ち上がり
大会のバドミントン競技は9月20日に開幕し、前半に団体戦、後半に個人戦が組まれた。山口は団体戦の全3試合に第1シングルスで出場し、個人戦では1回戦が不戦勝(シード)だった。
| 日付 | 種別・ラウンド | 対戦相手 | 結果・スコア(山口から見て) |
|---|---|---|---|
| 9月22日 | 団体 準々決勝 | P.V.シンドゥ(インド) | ○2-1(21-23、21-18、21-11) |
| 9月23日 | 団体 準決勝 | アン・セヨン(韓国) | ●1-2(9-21、21-18、11-21) |
| 9月24日 | 団体 決勝 | 王祉怡(中国) | ●1-2(21-14、19-21、17-21) |
| 9月26日 | 個人 2回戦 | ショリダジアバリ(イラン) | ○2-0(21-5、21-9) |
| 9月26日 | 個人 3回戦 | 裴梓樺(マカオ) | ○2-0(21-12、21-12) |
| 9月27日 | 個人 準々決勝 | ウンナティ・フーダ(インド) | ○2-1(21-16、14-21、21-17) |
| 9月28日 | 個人 準決勝 | 王祉怡(中国) | ○2-0(21-11、22-20) |
団体戦では、日本がインドを3-1、韓国を3-1で下して決勝に進んだが、中国に0-3で敗れた。山口は準決勝のアン・セヨン戦で第1ゲームを9-21で落とし、試合後に「1ゲーム目、ボコボコにされて、めちゃくちゃ不甲斐ないなと思っていた」と悔しさを隠さなかった。それでも第2ゲームは18-18から3連続得点で奪い返している。
個人戦では26日に1日2試合をストレートで勝ち抜いた。27日の準々決勝は19歳のフーダに第2ゲームを奪われたものの、最終ゲームを21-17で制し、66分の熱戦でメダルを確定させた。個人戦のメダルは、銅メダルだった2018年ジャカルタ大会以来2大会ぶりとなる。
アン・セヨンに8連敗中、それでも「挑戦するだけ」
決勝の相手、アン・セヨンは2022年杭州大会(2023年開催)の女王だ。準決勝では陳雨菲(中国)を21-5、21-12とわずか38分で退けた。連覇すれば、アジア大会の女子シングルスで史上初となる。
山口との通算対戦成績は、山口の15勝22敗。ここ8試合はアン・セヨンが勝ち続けている。8月23日の世界選手権(ニューデリー)決勝では17-21、14-21で敗れて準優勝となり、9月5日の中国マスターズ(深圳)準決勝も13-21、15-21で落とした。9月23日の団体準決勝を含め、この約1カ月で3連敗という流れだ。
とはいえ、団体戦では第2ゲームを21-18で奪い返している。山口自身も「今までもやっていること自体は、そんなに大きく間違っていなかった」と話し、自分が出せるスピードが上がり、狙ったコースに球が行くようになってきたと手応えを口にしていた。
決勝は9月29日。バドミントンの決勝セッションは日本時間11時から19時まで予定され、男女シングルス、男女ダブルス、混合ダブルスの5種目の頂点が決まる。女子シングルス決勝の開始時刻は、当日の試合順と前の試合の進み具合で決まる。9月28日時点で、TBS系列の地上波放送予定にバドミントン個人種目の決勝は入っておらず、U-NEXTが10時40分から5種目をライブ配信する予定になっている。
他の日本勢は中西/岩永が銅メダル
日本勢で個人戦のメダルを手にしたのは、山口のほかに女子ダブルスの中西貴映/岩永鈴だけだった。準々決勝で香港ペアを2-1で破ってメダルを確定させたが、準決勝で世界ランキング2位の李紹希/ペク・ハナ(韓国)に13-21、12-21で敗れ、銅メダルとなった。岩永は今大会、上坂鈴の名前で出場している。
女子シングルスの宮崎友花は、団体戦で3試合に出場した。準々決勝のフーダ戦、準決勝のシム・ユジン(韓国)戦をいずれもストレートで制したが、決勝で陳雨菲に10-21、11-21で敗れた。個人戦は2回戦でモンゴルの選手に21-5、21-5で快勝したあと、3回戦でシンドゥに9-21、13-21で敗れている。
男子シングルスの奈良岡功大は準々決勝で韓国のユ・テビンに21-12、5-21、11-21の逆転負け。男子ダブルスの熊谷翔/西大輝も準々決勝で世界ランキング1位の徐承宰/金ウォンホ(韓国)に1-2で敗れ、メダルに届かなかった。
1998年に米倉が金メダルを取ってから28年。日本勢が再びアジアの頂点に立つかどうかは、山口とアン・セヨンの通算38度目の対戦で決まる。
[文/構成 by スポーツライター TAKU]









































































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