遅咲きの主演デビュー、俳優・山本一賢とは何者か

2021年、映画『JOINT』で鮮烈な主演デビューを飾った俳優、山本一賢（やまもと いっけん）氏。1986年1月23日生まれ、東京都出身の彼は、2018年から俳優活動を開始した比較的遅咲きのキャリアスタートである。

しかし、その圧倒的な存在感と演技力で、インディペンデント映画界を中心に確固たる地位を築きつつある。2025年公開の最新主演作『火の華』では、企画・脚本にも名を連ね、その多才ぶりを発揮している。本稿では、彼の経歴と作品を深掘りする。

経歴早見表

俳優としての歩み – デビューから『火の華』への挑戦

デビュー作『JOINT』での衝撃

山本氏が俳優としてのキャリアを本格化させたのは2018年。その3年後、小島央大監督の長編デビュー作『JOINT』で主演に抜擢された。

同作で彼は、危うい裏社会に生きる男の姿をリアルに体現し、新人離れした演技で高い評価を獲得。これが彼の俳優としての原点となった。デビュー作にして主演という大役は、彼の持つポテンシャルの高さを物語る。

企画・脚本も手掛けた主演作『火の華』

『JOINT』の成功から約4年、山本氏は再び小島央大監督とタッグを組み、映画『火の華』を世に送り出した。この作品で彼は主演のみならず、小島監督と共に企画・脚本も担当している。

2022年から企画と脚本に着手したというこの作品は、自衛隊日報問題に着想を得た社会派エンターテインメントであり、彼のクリエイターとしての野心的な挑戦がうかがえる。

役作りのため、作品の舞台となった新潟県で花火師の修行を重ねたというエピソードも、彼の俳優業に対する真摯な姿勢を象徴している。現在では東京と新潟の二拠点生活を送り、畑を耕すなど、役柄と深く向き合う生活を送っていることが報じられている。

『火の華』は、出演者の一人が起訴された影響で一時は公開延期となったが、製作・配給会社の尽力により2025年10月31日に全国公開が実現した。この困難を乗り越えての公開は、作品に込められた熱量をより一層際立たせる結果となった。

インディペンデント映画界の新たな才能

俳優・山本一賢氏は、遅咲きのデビューながら、主演作『JOINT』と『火の華』で確かな実力と存在感を示した。特に後者では企画・脚本にも携わり、単なる演じ手にとどまらないクリエイターとしての側面を強く印象付けた。

彼の役と真摯に向き合う姿勢、そして社会性のあるテーマに挑む野心は、今後の日本映画界、特にインディペンデントの領域において貴重な存在となる可能性を秘めている。

今後、俳優・山本一賢氏がどのような作品で我々を驚かせてくれるのか。その動向から目が離せない。

[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]

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