クレイジージャーニー来年3月で終了へ なぜ?理由は視聴率の低迷か。「攻めた番組がまた一つ消える」と惜しむ声

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
- TBSの人気紀行バラエティ「クレイジージャーニー」が2026年3月をもって放送を終了することが分かった。
- 終了の背景には、近年の世帯視聴率が3%台に低迷していたこと、MC松本人志氏の不在、円安による海外ロケの予算高騰など複合的な要因があるとみられる。
- 同番組は2019年にやらせ問題で一度打ち切りとなったが、ファンの熱い支持を受け2022年にゴールデン帯で異例の復活を遂げた経緯がある。
- TBSは「月曜夜の強化」を掲げ、前後の番組と合わせた大規模な改編を計画。後番組には人気バンドMrs. GREEN APPLEの冠番組などが浮上している。
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人気紀行バラエティ、10年の歴史に幕。度重なる逆境乗り越えるも…
独自の視点で世界を旅する「狂気の旅人」に密着し、その特異な体験を伝えるスタイルで熱狂的なファンを生んだTBS系の紀行バラエティ番組「クレイジージャーニー」が、来年2026年3月をもって終了することが2025年12月19日、複数のメディアの取材で明らかになった。2015年の放送開始から、深夜帯での人気獲得、不祥事による突然の打ち切り、そして異例のゴールデンタイム復活と、波乱万丈の歴史を歩んできた同番組。再びの幕引きの背景には何があるのか。その理由と番組が残した功績、そして今後の放送枠の行方を追う。
なぜ再びの終了へ?視聴率低迷、MC不在、円安…複合的要因が浮上
一度は打ち切りの憂き目に遭いながらも、ファンの熱望に応える形で復活を遂げた「クレイジージャーニー」。その番組がなぜ再び終了の判断に至ったのか。関係者の話を総合すると、複数の要因が複雑に絡み合っている実態が浮かび上がる。
視聴率の低迷と放送枠のミスマッチ
最大の要因として指摘されるのが、視聴率の低迷である。2022年10月に月曜午後9時枠でゴールデン復活を果たした当初は高い注目を集めたが、最近では世帯平均視聴率が3~4%台で推移し、3%を割ることもあったという。あるTBS関係者は「映像の過激さに視聴者が慣れてしまった面もあるのでは」と分析する一方で、「コアな内容だけに深夜帯の方が相性が良かったのかもしれない」とも語っており、ゴールデン・プライム帯という幅広い視聴者層をターゲットとする枠組みと、番組の持つマニアックな魅力との間に齟齬が生じていた可能性を示唆している。実際、2025年7月以降は放送頻度が減り、2時間特番として編成されるケースが増えていた。
看板MCの不在と制作費の高騰
番組の顔であったダウンタウン・松本人志氏の不在も、番組の勢いに影響を与えたことは否めない。松本氏は2024年1月に芸能活動を休止。番組は同年2月19日放送分から、残るMCのバナナマン・設楽統氏と小池栄子氏の2人体制で継続してきた。番組制作会社スタッフからは「松本が抜けた後、設楽と小池のコンビは安心感はあるものの、普通の番組になってしまった」との声も聞かれ、クレイジーな旅人たちを松本氏ならではの視点で受け止めるという番組の魅力の一つが失われたとの見方がある。
さらに、番組の根幹をなす海外ロケに、昨今の経済情勢が影を落とした。ある局関係者は「海外ロケが多いため、最近の円安で予算も厳しくなったのでは」と語っており、制作費の高騰が番組継続の足かせになった可能性も指摘されている。
やらせ問題での打ち切りからゴールデン復活まで。波乱万丈の放送史
「クレイジージャーニー」の約10年にわたる歴史は、栄光と挫折、そして復活に彩られた、まさに番組タイトルを体現するような道のりであった。
深夜の人気番組から数々の受賞へ
2015年1月の特番を経て、同年4月に木曜深夜の「テッペン!」枠でレギュラー放送を開始。危険地帯ジャーナリストの丸山ゴンザレス氏や奇界遺産フォトグラファーの佐藤健寿氏など、個性豊かな旅人たちが紹介する「自分じゃ行けないけど、見てみたい」世界が視聴者の心を掴み、カルト的な人気を獲得。その独自性と質の高さは高く評価され、2016年にはギャラクシー賞月間賞、2017年には同賞の選奨、2018年には放送文化基金賞の最優秀賞を受賞するなど、テレビ界において確固たる地位を築いた。
不祥事による突然の打ち切り
しかし、2019年8月、番組は最大の危機を迎える。は虫類ハンター企画において、事前に準備した生物をあたかもその場で発見したかのように撮影していた「やらせ」演出が発覚したのだ。TBSの調査により、過去の放送でも同様の手法が常習的に行われていたことが判明。同局は「事実に依拠した番組で事実をゆがめた」「視聴者の皆様の信頼を損なった」として謝罪し、同年10月21日、番組の打ち切りを正式に発表した。この問題は放送倫理・番組向上機構(BPO)でも審議され、後に「放送倫理違反があった」との見解が示されている。
異例の復活とゴールデン進出
番組終了後も、SNSなどでは復活を望む声が絶えなかった。その根強い人気に後押しされる形で、TBSは問題点の見直しと議論を重ねた上で、2021年5月19日に約1年半ぶりとなる2時間のスペシャル番組を放送。これが大きな反響を呼んだことから、スタッフを一新した上で、2022年10月期の改編の目玉として月曜午後9時枠でのレギュラー放送復活が決定した。一度不祥事で打ち切りとなった番組が、同じタイトルでゴールデンタイムに復活するのは極めて異例のことであった。その後、2023年10月からは月曜午後10時枠に移動し、放送が続けられていた。














































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