【結果速報】堤聖也vsドネア、中盤劣勢から終盤の打ち合いで大逆転!「普通なら何度も倒れてる」内山氏も驚愕
背負った友の想いと、王者からの金言
友・重岡兄弟への誓い
この日の堤には、リング上で一人戦っているだけではなかった。入場時に羽織ったジャケットの背中には、同郷・熊本の盟友である重岡兄弟の名前が刺繍されていた。元世界ミニマム級王者の重岡銀次朗は試合後の急性硬膜下血腫による開頭手術で引退を余儀なくされ、兄の優大もまた、弟を支えるためにグローブを吊るした。友の無念とボクシングへの想いを背負って戦う姿は、多くのファンの胸を打った。
“モンスター”井上尚弥との微笑ましい攻防
この歴史的一戦には、もう一つの物語があった。試合前、堤はドネアと2度戦い2度勝利している現4団体統一世界スーパーバンタム級王者・井上尚弥(大橋)に助言を求めていた。その際のやり取りが、SNS上で話題を呼んだ。
井上からの「フックは痛いよ。まともにもらったら危ないよ」というアドバイスに対し、堤は公開練習で「知ってたあ、と思い、何の成果も得られなかった」とジョークを交えて語った。この記事を見た井上が自身のX(旧Twitter)で「おいおい!つつみん!知ってるなら聞くんじゃないよ!!笑」とツッコミを入れると、事態は微笑ましい”プチ騒動”に発展。
「別に陰口じゃないけど、陰口が先輩にバレた1年生みたいな。『やばい、やばい、やばい』みたいな感覚はあったっすね。(中略)フックが危ないことは分かっていたけど、他の部分でいろいろ感覚的なものですけど『なるほど』と思うことはありました」- 堤聖也(サンケイスポーツの取材にて)
堤は後に、井上のアドバイスから感覚的なヒントを得ていたことを明かしており、”モンスター”からの金言が、伝説の強打を耐え抜く一助となったことは間違いないだろう。
世代交代の証明、バンタム級新時代の幕開け
43歳にして驚異的な力を見せつけたドネアに最大級の敬意を表しつつも、この勝利は堤聖也がバンタム級の新たな中心であることを明確に示した。試合後、堤は「ドネア選手、本当に強かったです。これがレジェンドのパンチか、と。皆さんの声援のおかげです」と語り、激闘を振り返った。
この勝利により、堤の前にはWBAが対戦を指令していたアントニオ・バルガスとの統一戦や、WBC王者・井上拓真との再戦、さらには他団体王者との統一戦など、夢の広がる舞台が待っている。数々の死闘を乗り越え、心身ともに成長を続ける29歳の魂の王者。その拳が、バンタム級の新たな歴史を切り拓いていく。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]













































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