たまごっちでタッチ決済?SNSの疑問を徹底解説、10年前の先進機能「NFC」の真相

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
2025年12月、SNSで「たまごっちでタッチ決済」との目撃談が話題となったが、これは決済機能ではない。正体は2014年発売の「TAMAGOTCHI 4U」に搭載されたNFC通信機能である。当時、全国6万カ所以上の「タッチスポット」にかざし、限定アイテム等を入手する画期的な遊び方だった。本記事では、この機能の真相と背景、そして現代に至るたまごっちの通信機能の進化を深掘りする。
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「未来すぎる」- SNSを駆け巡った”たまごっち決済”の謎
2025年12月14日現在、XなどのSNS上で「たまごっちでタッチ決済をしている人を見た」という趣旨の投稿が拡散し、「そんな機能があるのか?」「PayPayとコラボ?」といった驚きや疑問の声が相次いでいる。しかし、これは実際の決済機能ではない。その正体は、今から約10年前に発売された特定のたまごっちが搭載していた、当時としては先進的な「NFC通信機能」であった。
本記事では、この「タッチ機能」の正体である「TAMAGOTCHI 4U」の仕組みと、時代と共に進化を遂げてきたたまごっちの通信機能の歴史、そしてなぜ今、この機能が再び注目されたのかを、当時の資料を基に紐解いていく。
「タッチ決済」の正体 – 2014年のNFC搭載モデル「TAMAGOTCHI 4U」
SNSで話題となった「タッチ」機能の主役は、2014年9月27日に株式会社バンダイ(当時)から発売されたカラー液晶の携帯型育成ゲーム「TAMAGOTCHI 4U(たまごっちフォーユー)」である。このモデルは、従来の赤外線通信から大きく進化し、NFC(Near Field Communication:近距離無線通信技術)を搭載したことが最大の特徴であった。
決済ではなく「ダウンロード」- TOUCH SPOTの仕組み
このNFC機能は、金銭の決済に使われるものではない。その主な目的は、全国に設置された「TOUCH SPOT(タッチスポット)」と呼ばれるNFCタグにかざすことで、限定アイテムや育てられるキャラクター、ミニゲーム、さらには実用的なクーポンなどをダウンロードすることにあった。
ユーザーは「TAMAGOTCHI 4U」本体を、ポスターやPOPに貼られたタッチスポットのマークに「タッチ」するだけで、手軽にデータを取得できた。これにより、お世話遊びだけでなく、現実世界と連動した「通信あそび」の楽しさが加わったのである。

全国6万カ所超、生活に溶け込んだタッチスポット
バンダイはこのタッチスポットを、玩具店だけでなく、子供たちの生活圏に幅広く展開した。2015年3月末までには全国累計で6万カ所以上に設置される計画であった。
具体的な設置場所としては、以下のような多岐にわたる企業とのコラボレーションが実現した。
- 飲食店: カレーハウス CoCo壱番屋
- コンビニ: LAWSON(Loppi)
- 飲料自動販売機: ダイドードリンコ
- 書店: 未来屋書店
- カー用品店: イエローハット
- 高速道路SA/PA: NEXCO中日本
これにより、例えばローソンで限定キャラクター「ポンタんっち」を、NEXCO中日本のサービスエリアでご当地アイテムやオリジナルキャラクター「みちまるっち」をダウンロードするなど、お出かけ先での楽しみが提供された。タレントのローラさんをイメージしたキャラクター「ローラっち」も、早期購入特典として配布された。













































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