俳優・望月祐治さん(41)が逝去、事務所が発表

舞台を中心に活動していた俳優の望月祐治（もちづき ゆうじ）さんが2025年11月上旬に亡くなっていたことが分かった。12月11日、望月さんが所属する映像クリエイター集団「PUMP×EARTH」が公式ブログおよびSNSを通じて発表した。享年41。死因については明らかにされていない。

発表によると、葬儀は遺族の意向により近親者のみで執り行われたという。事務所は「大切な仲間であり友人でもあった」と望月さんを偲び、突然の別れに深い悲しみを表明している。

突然の訃報、事務所「未だ信じられません」

所属事務所「PUMP×EARTH」は12月11日、「望月祐治さん逝去について」と題した報告で訃報を伝えた。発表では、「この度、大切な仲間であり友人でもあった望月祐治さん［愛称モッチー］が11月上旬に永眠いたしました」と報告。続けて、その胸中を次のように綴っている。

「共に戦い、多くを支えてくれた存在を失ったことが、未だ信じられません。生前、皆さまから賜りましたご厚情に、心より感謝申し上げます」（PUMP×EARTH 公式発表より）

この発表は遺族の了承を得て行われたもので、関係者向けの「お別れの機会」については個別に対応するとしている。投稿は「どうかゆっくりお休みください」という追悼の言葉で締めくくられており、仲間を失った悲しみの深さがうかがえる。

舞台から映像まで、アクションで支えた多彩なキャリア

1984年2月18日生まれの望月さんは、俳優としてだけでなく、優れた身体能力を活かしたアクションや殺陣（たて）の分野でも高い評価を得ていた。その活動は多岐にわたり、表舞台に立つだけでなく、裏方として数多くの作品を支えてきた。

舞台俳優としての顔

望月さんのキャリアで特に知られているのが、2.5次元舞台での活躍である。人気ゲームを原作とする舞台「イケメン戦国 THE STAGE」シリーズでは、戦闘シーンを彩る「剣舞衆」として長年出演。小笠原健や橋本全一といった主演俳優陣のアクションを支え、作品の迫力を生み出す重要な役割を担った。

また、2022年から2023年にかけて上演されたミュージカル『刀剣乱舞 〜花影ゆれる砥水〜』では、アンサンブルキャストとして出演。研師などの役をこなし、その確かな演技と身体表現で観客を魅了した。このほかにも、『最遊記歌劇伝-外伝-』や『リコリス・リコイル』Life won’t wait.など、数々の人気舞台に出演歴がある。

裏方としても現場を支える

望月さんの特筆すべき点は、俳優として表舞台に立つ一方で、「アクションスタッフ」や「殺陣補佐」として作品に深く関わっていたことだ。一部のファンの間では、彼が裏方として現場の安全性やアクションの質を高めることに情熱を注いでいたことが知られている。

その活動は舞台にとどまらず、映像作品にも及ぶ。現在放送中のNHK大河ドラマ『光る君へ』ではアクションクルーとして、またテレビ朝日系ドラマ『奪い愛、真夏』やフジテレビ系『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』ではアクションスタッフとしてクレジットされている。表に出るだけでなく、作品全体のクオリティ向上に貢献する姿勢は、彼のプロフェッショナリズムを物語っている。