軽井沢の夏といえば、爽やかな空気と緑豊かな景色。そして、多くの人々が求めるのが、ひんやりと体を癒す絶品スイーツではないでしょうか?
今回ご紹介するのは、旧軽井沢銀座通りに佇む老舗「ちもと総本店」。ここの名物である「天然氷のかき氷」は、ただの氷菓ではありません。口に入れた瞬間に淡雪のように消え、あの独特の頭痛「キーン」がほとんどない、まさに奇跡の口どけを体験できる逸品なのです。
江戸時代中期から続くという長い歴史を持つこのお店。今回は幸運にも、いつもは長蛇の列ができるというこの名店に、まったく並ばずに入ることができました。
この記事では、2025年9月現在の最新情報と共に、その特別な体験を余すところなくお伝えします。
江戸時代から続く甘味処「ちもと総本店」とは?

「ちもと」の歴史は、江戸時代中期に東京・銀座で創業したことに始まります。まさに300年以上の歴史を誇る和菓子の名門です。戦後、1948年に軽井沢へ拠点を移し、以来、この地で多くの人々に愛され続けてきました。
看板商品は、黒糖とくるみを使った求肥菓子「ちもと餅」。そしてもう一つの主役が、一年中味わえる「天然氷のかき氷」です。
使用されるのは、軽井沢で唯一製造されている「渡辺商店」の貴重な天然氷。全国に7軒ほどしかないと言われる天然氷の蔵元のなかでも、特に流通量が少ないとされる幻の氷なのです。
噂の天然氷かき氷、いざ実食!リアル体験レポート
幸運な出会いと、風情あふれる店内の雰囲気

私が訪れたのは、台風の大雨が通過した日の夕方ごろ。普段ならお店の前には長い行列ができているそうですが、この日は嘘のように静かで、待つことなくすんなりと席に着くことができました。
店内は、昔ながらの長屋の雰囲気を残した、開放的でどこか懐かしい空間。木の温もりが感じられ、観光地の喧騒を忘れさせてくれる落ち着きがあります。
注文は、まず席でじっくりメニューを吟味し、決まったらレジへ向かって注文と会計を済ませるスタイルです。
メニューの魅力と、迷わず選びたい「生いちご」
メニューを開くと、かき氷の種類の豊富さに心が躍ります。「宇治ミルク金時」や「いちご」といった定番から、珍しい「夏みかん」まで。

価格は1,000円前後が中心です。メニューには「いちご」と書かれたものがありますが、実はいちごは2種類あり、断然「生いちご」がおすすめ。
私はミルクが好きなので、生いちごにミルクがあったら嬉しかったのですが、それは残念ながらありませんでした。でも生いちごの果肉が入った特製のシロップは、格別の美味しさです。

「生いちご」と「お濃茶金時」が。
私たちは今回、「生いちご」「お濃茶金時」「宇治ミルク金時」の3種類を注文。
かき氷以外にも、名物の「ちもと餅」や焼き団子、お食事系のそばやうどんもあります。今回行った時は雨上がり後の22度と少し涼しかったからか、かき氷以外の注文をしているお客さんが多かったです。
老舗の甘味処というのもあり、他の甘味も今後試してみたいところです…!
ふわふわ食感と「頭がキーンとしない」秘密
ほどなくして運ばれてきたかき氷は、見た目からして繊細。スプーンを入れると、抵抗なく「ふわっ」と入っていきます。そして一口。…消えました。まるで淡雪を口に含んだかのように、すっと溶けてなくなるのです。
そして驚くべきは、本当に「頭がキーンとしない」こと。お店の公式サイトや専門家の話によると、これには理由があるそうです。
自然の寒さでゆっくり時間をかけて作られる天然氷は、不純物が少なく氷の結晶が密。そのため、一般的な人工氷よりも高い温度(0℃に近い温度)で削ることができ、食べたときの体温との差が小さくなるため、頭痛が起きにくいのだとか。
ミネラルが豊富で、氷自体にほのかな甘みや旨みを感じるというのも、この天然氷ならではの特徴です。
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