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『#5151』徹底解剖!TikTok縦型×推し育成で生まれる“視聴者主役”ドラマの新時代

2025年7月15日、一つのショートドラマがTikTok上で配信を開始した。その名は『#5151』(こいこい)。

テレビ朝日と、累計再生回数50億回を突破する縦型ショートドラマ制作集団「ごっこ倶楽部」が手を組んだこのプロジェクトは、配信開始からわずか1ヶ月余り(取材時点:2025年8月24日)で、若者を中心に熱狂的な支持を集めている。

単なるドラマではない、「応援型」という新機軸

『#5151』の構造は一見シンプルだ。名前に数字を持つ男女10人の若者が、物語ごとに異なる組み合わせでカップルとなり、青春の恋模様をオムニバス形式で描く。しかし、その本質は「応援型コンテンツ」という、これまでにない仕掛けにある。

視聴者が物語の「共作者」に

視聴者は、お気に入りのキャストやカップルをTikTokのコメント欄で「応援」できる。これは単なる感想の投稿ではない。

制作陣は「視聴者のみなさまとアカウントを育てていきます」と公言しており、その声が今後の展開、例えば人気のカップルによる生配信やイベント開催に繋がる可能性を示唆しているのだ。

物語はもはや作り手から一方的に与えられるものではなく、視聴者の熱量が次の展開を左右する。まるで、自分が応援するアイドルの卵を育てるかのような感覚。この「推しを育てる」という体験が、視聴者を単なる傍観者から物語の「共作者」へと変貌させている。

なぜTikTokなのか? 縦型ショートドラマの強み

この新しいドラマ体験の舞台として、なぜTikTokが選ばれたのか。それは、プラットフォームの特性とドラマの形式が見事に合致したからに他ならない。

スマホを縦に持ったまま全画面で表示される「縦型」映像は、視聴者に圧倒的な没入感を与える。まるで、登場人物の日常をすぐそばで覗き見しているかのような感覚だ。

さらに、数分で完結するテンポの良さは、隙間時間にコンテンツを消費する現代のライフスタイルに最適である。この分野の第一人者である「ごっこ倶楽部」が持つノウハウが、その魅力を最大限に引き出している。

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