アジア杯、JFA湯川専務理事「第一に安全を考えないといけない」 AFC会長は2028年への延期にも言及

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日本サッカー協会(JFA)の湯川和之専務理事が10月15日、来年1月にサウジアラビアで開幕するAFCアジアカップ2027について「第一に安全を考えないといけない」と述べた。開催国ではイエメンの親イラン武装組織フーシ派による攻撃が続く。アジアサッカー連盟(AFC)のサルマン会長は2028年への1年延期もあり得るとしつつ、判断は11月末まで待てると話した。10月16日時点で延期は決まっておらず、大会組織委員会は予定どおり準備を進めると声明を出している。
湯川専務理事「AFCと連絡を密に」
JFAは10月15日、東京都内で理事会を開いた。終了後に報道陣の取材に応じた湯川専務理事は、日本代表(SAMURAI BLUE)が出場するアジア杯について、選手やスタッフ、サポーターの安全確保を最優先にする考えを示した。
「第一に安全を考えないといけない」。湯川専務理事はこう述べたうえで、AFCとは普段から連絡を取り合っており、現時点でアジア杯に関する特段の動きはないと説明した。最終的には安全の確保に加えて渡航の手続きも絡むため、外務省をはじめとする関係省庁とも連絡を取りながら進めていくという。
開催そのものについては、現時点では予定どおり開かれる前提で準備を進める立場だ。同じ理事会では、12月30日にパナソニックスタジアム吹田(大阪府吹田市)でキリンチャレンジカップ2026を行うことも発表された。対戦相手は未定で、アジア杯を前にした国内最後の試合になる。
サウジで何が起きているのか
発端は、隣国イエメンのフーシ派によるサウジアラビアへの攻撃だ。10月に入って攻撃が相次ぎ、10月10日(現地時間)には首都リヤドのキング・ハーリド国際空港が被害を受けた。死者が出たほか、負傷者は300人を超えたと報じられている。
影響はすでにスポーツ界に広がる。JFAは10月10日、ジッダで10月16日から23日まで予定されていたeスポーツの「FIFAe World Cup 2026」について、現地情勢と安全面の情報を総合的に検討した結果、日本代表の参加を見送ると発表した。この大会はその後、開催延期が決まった。
サウジ国内リーグでは3試合が延期になり、10月に予定されていたテニスのエキシビション大会「シックス・キングス・スラム」も12月27日から30日へ日程を移した。AFCチャンピオンズリーグエリートのアル・ナスルの試合は、リヤドに向けて発射されたミサイルが迎撃された影響で、開始が1時間遅れたという。
選手側も動いた。韓国プロサッカー選手協会は10月15日、アジア杯に出場するすべての選手の安全について深刻な懸念を表明した。同協会のイ・グノ会長は、どんな大会の価値も選手やファンの命と安全より優先されることはないと訴えている。オーストラリアのサッカー連盟も、状況を注意深く見守っているとした。
AFC会長「11月末まで待つことができる」
延期の可能性に公の場で触れたのは、AFCのサルマン・ビン・イブラヒム・アル・ハリファ会長だった。サルマン会長はFIFA理事会が開かれていたスイス・チューリヒで10月14日(現地時間)、報道陣の取材に応じた。
会長は判断の時期について「11月末まで待つことができる」と語った。地域の状況は良くも悪くも急に変わるとして推移を見守る考えを示し、「必要であれば2028年に延期することも可能」と続けている。一方で、現時点では状況を注視しており、全て予定どおりに進んでいるとも付け加えた。
つまり、1年延期は会長が挙げた選択肢の一つにとどまる。AFCとして延期を決めたわけではない。
これに対し、サウジアラビアの大会組織委員会は10月15日(現地時間)に声明を発表した。会場や施設、支援サービスを含む組織・運営面の準備は承認されたスケジュールどおりに進んでいるとし、AFCや関係者と緊密に協力しながら準備を続けると強調した。そのうえで、大会に関わる動向を引き続き注視するとしている。
予定どおりなら1月7日開幕、日本はグループF
大会の正式名称はAFCアジアカップサウジアラビア2027。予定では2027年1月7日に開幕し、2月5日に決勝を迎える。会場はリヤド、ジッダ、アルホバールの3都市で、24チームが4チームずつ6組に分かれてグループステージを戦う。各組上位2チームと、3位のうち成績上位4チームの計16チームが決勝トーナメントへ進む。
日本はワールドカップ・アジア2次予選を兼ねた予選を突破し、出場権を手にしていた。組み合わせ抽選会は5月9日(現地時間)にリヤドで行われ、日本はグループFに入った。第1戦でインドネシア、第2戦でタイ、第3戦でカタールと対戦する。カタールは2019年大会と2023年大会を連覇した王者で、日本は大会最多4度の優勝を誇る。
日本の優勝は2011年大会が最後だ。2024年1月から2月にカタールで行われた前回大会は、準々決勝でイランに1-2で逆転負けを喫し、ベスト8で姿を消した。森保監督にとっては、2019年大会の準優勝、前回の8強に続く3度目のアジア杯になる。
実は大会準備が中東情勢に揺さぶられたのは、これが初めてではない。抽選会は当初4月11日に予定されていたが、AFCは3月26日に延期を発表していた。関係者全員が支障なく出席できるようにするためと説明し、抽選会は約1カ月遅れて行われた。同じ3月には、AFCチャンピオンズリーグエリートの西地区の試合も中東情勢を理由に延期されている。
延期なら森保ジャパンの最終章にも影響
アジア杯は、2018年から日本代表を率いる森保一監督にとって最後の大会になる予定だ。JFAは7月23日の理事会で、森保監督がアジア杯まで指揮を執り、2027年3月からは大岩剛監督が後を継ぐ人事を決めていた。
仮に大会が2028年にずれ込めば、この引き継ぎの段取りにも関わってくる。森保監督の契約期間について、湯川専務理事は公表していないと説明するにとどめた。森保監督自身は、大会を開くかどうかはAFCが決めることで、決定機関の判断に従うべきだという考えを示していた。
開幕までは3カ月を切った。サルマン会長が判断の期限として挙げた11月末に向け、JFAはAFCや関係省庁と情報を集めながら、予定どおりの開催を前提に準備を続ける。
[文/構成 by スポーツライター ミカ]













































































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