王座戦第4局は広瀬章人九段が勝ち2勝2敗、最終第5局は10月27日に甲府・常磐ホテルで 伊藤匠王座が前期に王座を奪取した舞台

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将棋の第74期王座戦五番勝負第4局が14日、神戸市のホテルオークラ神戸で指され、挑戦者で後手の広瀬章人九段(39)が94手で伊藤匠王座(24)に勝った。対戦成績は2勝2敗のタイ。タイトルの行方は10月27日に山梨県甲府市の常磐ホテルで指される最終第5局で決まる。常磐ホテルは、伊藤王座が前期に藤井聡太王座(当時)を破って王座を手にした場所だ。
後がない広瀬九段、94手で最終局へつなぐ
第3局を落として1勝2敗と追い込まれ、負ければ終わりの一局だった。14日、神戸市中央区のホテルオークラ神戸。先手の伊藤王座に対し、戦型は相掛かりになった。
序盤から両者が持ち時間を使う重い展開になり、伊藤王座が70分を超える長考をする場面もあった。夕食休憩をはさんで局面が一気に動き、激しい攻め合いへ。難しい終盤を広瀬九段が指し切り、94手で伊藤王座が投了した。
勝った広瀬九段は、終局後のインタビューでこう振り返っている。
「序盤はちょっと失敗気味。中盤は左辺の戦いになれば駒損だが勝負形になると。最後に本譜の筋が見え、勝っていておかしくないと思った。」
一方の伊藤王座は、敗戦を短く受け止めた。
「ちょっと読み抜けが多い将棋だったので、もう少し良い内容の将棋を目指し(最終局を)頑張りたい。」
ここまでの4局を振り返る
五番勝負は9月2日、神奈川県秦野市で開幕した。第1局は先手の広瀬九段が99手で勝ち、先勝する。続く第2局(9月15日・名古屋市)と第3局(10月2日・北海道ニセコ町)は伊藤王座が連勝し、防衛まであと1勝と迫った。
流れは伊藤王座に傾いたかに見えた。だが、第4局で広瀬九段が星を戻す。
| 局 | 対局日 | 開催地 | 勝者 |
|---|---|---|---|
| 第1局 | 9月2日 | 神奈川県秦野市 | 広瀬九段(99手) |
| 第2局 | 9月15日 | 愛知県名古屋市 | 伊藤王座 |
| 第3局 | 10月2日 | 北海道ニセコ町 | 伊藤王座(100手) |
| 第4局 | 10月14日 | 兵庫県神戸市 | 広瀬九段(94手) |
| 第5局 | 10月27日 | 山梨県甲府市 | ― |
これで両者2勝ずつ。伊藤王座にとっては、前期に続いて2期連続のフルセットになった。
挑戦者・広瀬九段は藤井聡太竜王・名人を破って登場
広瀬九段の挑戦権獲得までの道のりも、簡単ではなかった。8月5日に東京・千駄ケ谷の将棋会館で指された挑戦者決定戦の相手は、藤井聡太竜王・名人。劣勢の局面から最終盤で逆転し、王座戦で初めての挑戦を決めた。
タイトル経験も豊富な実力者だ。早稲田大学在学中の2010年に王位を獲得し、2018年には羽生善治竜王(当時)を破って竜王になった。若手のころは四間飛車穴熊の使い手として知られ、著書『広瀬流四間飛車穴熊勝局集』も出している。
39歳で迎えた王座初挑戦。最終局に勝てば、自身にとって竜王以来のタイトル獲得となる。
最終局の舞台は伊藤王座と縁の深い常磐ホテル
第5局が指される甲府市の常磐ホテルは、伊藤王座にとって特別な場所だ。
前期の第73期王座戦も、藤井王座(当時)と伊藤叡王(当時)の五番勝負は2勝2敗で最終局にもつれ込んだ。2025年10月28日、この常磐ホテルで指された第5局で伊藤叡王が97手で勝ち、王座を奪取。自身初の二冠となった。
さかのぼると、2024年6月20日の第9期叡王戦第5局も同じ常磐ホテルだった。伊藤はここで当時八冠の藤井から叡王を奪い、初タイトルを手にしている。2度のフルセット最終局を、いずれも同じ場所で制してきた。
24歳の伊藤王座は、現在は叡王と合わせて二冠を持つ。前期と同じ舞台で防衛を決めるのか。それとも、39歳の広瀬九段が初めて王座のタイトルをつかむのか。
最終第5局は10月27日、勝った方が王座に
最終第5局は10月27日(火)に指される。勝った方が第74期の王座になり、伊藤王座が勝てば王座の初防衛となる。
第4局の終局後、広瀬九段は最終局へ「自分なりに精一杯頑張って臨みたい」と意気込み、伊藤王座も「もう少し良い内容の将棋を」と語った。前期と同じく2勝2敗で迎える甲府での一局で、五番勝負の決着がつく。
[文/構成 by スポーツライター 疾風(HAYATE)]















































































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