わたなべまさこさん死去、97歳の漫画家 生前メッセージで夫との再会に触れる

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「ガラスの城」「聖ロザリンド」で知られる漫画家のわたなべまさこさんが、10月3日に亡くなった。97歳だった。公式Xがきのう13日に発表し、あわせて本人が生前に託していたメッセージを公開した。メッセージには支えてくれた人たちへの感謝とともに、「主人とも久しぶりに会えると思っています」という言葉がつづられていた。
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10月3日に永眠、公式Xが13日に発表
わたなべさんの公式Xアカウントは13日朝、「わたなべまさこ先生 逝去のお知らせ」と題した投稿で訃報を伝えた。亡くなったのは10月3日の0時38分。死去から10日たっての公表となった。
投稿では、まんがとともに97年の生涯を駆け抜け、最期は穏やかに眠るように旅立ったと説明している。生前に作品を愛し、声援を送ってきたファンへの感謝も記した。
【わたなべまさこ先生 逝去のお知らせ】
— [公式]わたなべまさこ (@masako_wtnb) October 13, 2026
まさこ先生は10月3日の0時38分に永眠いたしました。
まんがとともに97年の生涯を駆け抜け
最期は穏やかにまるで眠るように旅立っていかれました。
生前、先生の作品を愛し、温かいご声援をお寄せくださった皆様に、心より御礼申し上げます。 pic.twitter.com/j65dTDVLoZ
わたなべさんは1929年5月16日、東京都の生まれ。女性漫画家として初めて旭日小綬章を受けた、少女漫画の草分けの一人だ。91歳で完全新作を発表し、「現役最高齢の漫画家」としても注目を集めた。
「ひと足お先に失礼します」生前に託したメッセージ
公式アカウントは訃報に続けて、「以前に先生から預かっていたメッセージです」として、本人の言葉を公開した。書き出しは「皆様へ」。仕事で付き合いのあった人、身の回りの世話をしてくれた人や施設のスタッフ、看護師、きょうだいや家族、そしてファンに向けて、一人ひとりを挙げながら礼を述べている。
「私のまわりにはいっぱい愛があったこと、とても感謝しています。」
人生を振り返る言葉は短い。「まんがと生きて」あっという間の人生だったとしたうえで、胸には幾つもの思い出が宝物のように輝いていると書いた。
そして、先に旅立った人たちに触れる。
「ひと足お先に失礼しますが、向こうにはたくさんの大事な方々が待っており、主人とも久しぶりに会えると思っています。」
メッセージの最後には、以前訪れたパリの写真をずっと自分の机に置いていたと明かし、「寂しい時は、私はパリにいるとでも思ってくださいね。またねー」と結んだ。悲しい知らせでありながら、どこか軽やかな別れのあいさつだった。
手塚作品に刺激を受けデビュー、「ガラスの城」で少女漫画を変えた
スポーツニッポンによると、わたなべさんは結婚後に手塚治虫の作品に刺激を受け、漫画家を志した。デビューは1952年。漫画家の村上もとかは、10年以上前に取材した際に聞いた話として、戦後の昭和20年代に子どもを背負って出版社へ原稿を持ち込んでいた、わたなべさんの若い頃の姿をXで紹介している。
転機は1963年。集英社の「週刊マーガレット」創刊から長く作品を描き続け、同誌に連載した「ガラスの城」が大ヒットした。この作品で1971年に第16回小学館漫画賞を受けている。
1973年発表の「聖ロザリンド」は、ホラー作品の代表作として大きな反響を呼んだ。欧米を舞台にした華やかな物語を描く一方で、「悪女」シリーズなど日本を舞台にした愛憎ミステリーにも幅を広げ、テレビドラマ化された「独りまつり」を生んだ。「金瓶梅」など、古典を題材にした作品もある。
主な歩みは次の通り。
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1929年 | 5月16日、東京都に生まれる |
| 1952年 | 漫画家としてデビュー |
| 1963年 | 「週刊マーガレット」創刊時から執筆 |
| 1971年 | 「ガラスの城」で第16回小学館漫画賞 |
| 1973年 | 「聖ロザリンド」を発表 |
| 2002年 | 日本漫画家協会賞 文部科学大臣賞 |
| 2006年 | 女性漫画家として初めて旭日小綬章 |
| 2020年 | 91歳を迎える年に完全新作「秘密―ひめごと―」の連載開始 |
晩年も筆は止まらなかった。91歳を迎える2020年の4月、デビュー67年のタイミングで、集英社の漫画アプリ「マンガMee」で完全新作「秘密―ひめごと―」の週刊連載を始めている。
マーガレット編集部や漫画家仲間が追悼
訃報を受け、「マーガレット」編集部はXで追悼のコメントを出した。創刊期から誌面を引っ張ってきたわたなべさんの仕事に触れ、「ガラスの城」が多くの読者を魅了したと振り返っている。
「少女漫画という文化そのものを大きく発展させてくださいました」
編集部は「先生の功績は計り知れません」とも記し、哀悼の意を表した。
同じ漫画家からも別れの言葉が続く。「ちはやふる」の末次由紀は、悲しみが軽くなるような素敵なメッセージを残したと受け止め、子どもの頃にわたなべさんのホラーやサスペンスにドキドキした思い出を明かした。「天は赤い河のほとり」の篠原千絵は「パリでゆっくりゆっくりなさってください」と、メッセージの言葉に重ねて送り出した。
松田洋子は、わたなべさんが今ごろ夫婦で腕を組んでパリを散歩しているように思わせてくれる、と書いた。最後までロマンティックな演出だという受け止めだ。
遺された原画や未公開作品、公式Xで紹介へ
公式アカウントは今後について、遺された原画や未公開作品などを紹介していく方針を示した。運営スタッフは「わたなべまさこ先生の作品を末永く愛していただけましたら幸いです」と呼びかけている。
1950年代から2020年代まで、70年近くにわたってペンを握り続けた。原稿を抱えて出版社を回った戦後から、スマートフォンのアプリで漫画が読まれる時代まで、現役で描き続けた漫画家だった。
パリの写真を机に置き、最後まで物語を描いたわたなべさん。残した作品は、これからも新しい読者に読まれていく。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]











































































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