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堤麗斗、次戦はライムンド・ロハス・ガルシアと対戦 日本時間11月1日リヤドでプロ6戦目、メインはカネロvsエンビリ

堤麗斗、次戦はライムンド・ロハス・ガルシアと対戦 日本時間11月1日リヤドでプロ6戦目、メインはカネロvsエンビリ

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

アマチュアで9冠を手にした堤麗斗(24)=志成=の次戦が決まった。10月31日(日本時間11月1日)にサウジアラビア・リヤドで開かれる「メキシコvs世界」興行で、メキシコのライムンド・ロハス・ガルシア(29)とスーパーフェザー級で対戦する。プロ6戦目で、デビューから5戦全勝(4KO)の堤にとってサウジでの試合は3戦連続になる。メインはサウル・カネロ・アルバレスのWBC世界スーパーミドル級王座挑戦だ。

10月9日に全10試合を発表、堤は6戦目でメキシコの16勝11KOと

対戦は日本時間10月9日に明らかになった。サウジアラビア総合娯楽庁(GEA)のトゥルキ・アルシェイク長官が、10月31日にリヤドのザ・ヴェニューで行う興行の全カードを発表し、その中に堤の名前が入っていた。大会名は「Mexico vs the World(メキシコvs世界)」。サウジの大型エンタメ企画「リヤド・シーズン」の一つで、全10試合をメキシコの選手とメキシコ以外の国の選手の組み合わせでそろえている。

堤はWBA世界フェザー級10位。7月の時点では14位だったので、3カ月ほどで4つ順位を上げたことになる。ランキングはフェザー級だが、試合はひとつ上のスーパーフェザー級で組まれた。ラウンド数は10月10日時点で発表されていない。

相手のロハス・ガルシアはメキシコ中部のモレロス州出身で、戦績は18戦16勝(11KO)2敗。勝ち星の7割近くをKOで挙げている。英語表記は「Raymundo Rojas Garcia」で、国内の報道では「レイムンド」「ライムンド」の両方の表記が使われる。前戦で無敗のエレーラを2回で退けた堤にとって、プロで18戦を重ねてきた29歳をどう崩すかが見どころになる。

次戦の決定は、堤自身もSNSで報告した。大きな舞台で戦えることに感謝したうえで、「成長した姿をお見せできるようベストを尽くします」とつづっている。

世界戦が並ぶ一夜、メインはカネロが無敗王者エンビリに挑む

興行の目玉は、主催者が世界戦として発表した4試合だ。メインイベントはWBC世界スーパーミドル級タイトルマッチ12回戦で、王者クリスチャン・エンビリ(31)=フランス=に、4階級制覇の元世界王者サウル・カネロ・アルバレス(36)=メキシコ=が挑む。エンビリは日本語でムビリとも表記される選手で、戦績は30戦29勝(24KO)1分け。プロで一度も負けていない。

カネロは2025年9月、テレンス・クロフォードに敗れてスーパーミドル級の4団体統一王座を失った。その後、WBCは2025年12月に分担金の未払いを理由にクロフォードの王座をはく奪し、クロフォードも同じ月に引退を表明した。2026年1月、暫定王者だったエンビリが正規王者に昇格した。カネロにとっては1年以上ぶりのリングで、168ポンド(約76.2kg)での王座奪還を狙う。

関連記事:カネロvsムビリは予定どおり10月31日にリヤドで開催と再発表、延期・ラスベガス移転の報道から一転 日本時間は11月1日、会場はザ・ヴェニュー

ほかの世界戦も厚い。WBO世界フェザー級王者ラファエル・エスピノサ(32)=メキシコ=は、ロレンソ・パーラ(31)=ベネズエラ=を相手に5度目の防衛戦に臨む。WBA世界スーパーミドル級王者ハイメ・ムンギア=メキシコ=はニキータ・ゾン=ロシア=と戦う予定だが、WBAは日本時間10月9日、この試合を承認していないと発表し、状況を検討するとしている。リンドルフォ・デルガド=メキシコ=は、IBF世界スーパーライト級の王座決定戦でアルトゥール・ビヤルスラノフ=カナダ=と戦う。

アラン・ピカソ(26)=メキシコ=は、無敗のカール・ジェームス・マーティン(27)=フィリピン=とスーパーバンタム級12回戦で対戦する。ピカソは2025年12月にリヤドで井上尚弥に挑んだ選手で、その日のアンダーカードには堤も出ていた。10カ月あまりを経て、2人は同じ興行に再び名を連ねる。

試合はDAZNのペイ・パー・ビュー(PPV)で配信される予定だ。

ニューヨーク、ラスベガス、そしてサウジへ 5戦全勝の足取り

堤のプロのキャリアは、1戦目から海外の大舞台で始まった。2025年5月2日(日本時間3日)、ニューヨークのタイムズスクエアに設けられたリングでデビューし、レベール・ウィッティントン=米国=に6回3-0の判定勝ち。採点は60-54、60-54、58-56だった。

戦日付(現地)会場相手勝者決着
12025年5月2日米ニューヨーク・タイムズスクエアレベール・ウィッティントン(米国)堤麗斗6回判定3-0
22025年7月12日米ニューヨーク・ルイ・アームストロング・スタジアムマイケル・ルイス(米国)堤麗斗2回TKO(0分28秒)
32025年9月13日米ラスベガス・アレジアント・スタジアムハビエル・マルティネス(米国)堤麗斗1回TKO(2分18秒)
42025年12月27日サウジアラビア・リヤドレオバルド・キンタナ(メキシコ)堤麗斗4回TKO
52026年7月25日サウジアラビア・ジッダ、ジッダ・スーパードームアルビノ・エレーラ(メキシコ)堤麗斗2回TKO

2戦目は試合直前に相手と階級が変わった。当初はスーパーフェザー級6回戦の予定だったが、相手の負傷でライト級4回戦に変更され、代役のマイケル・ルイスと対戦する。最終決定を聞いたのは「2日前」だったと帰国後に明かしたが、2回28秒でTKO勝ちを収め、「しっかり倒せたので、次につなげたい」と手応えを口にした。

3戦目の舞台は、カネロ対クロフォードのアンダーカードだった。ラスベガスのアレジアント・スタジアムで、6回戦の予定だった試合を1回2分18秒で終わらせ、ハビエル・マルティネスをダウンさせたうえでレフェリーストップに持ち込んでいる。

4戦目からはサウジに移った。2025年12月27日、井上尚弥対ピカソと同じリヤドの興行で初の8回戦に臨み、メキシコのレオバルド・キンタナを4回TKOで下した。相手はプロで初めて対戦するサウスポーで、「いい経験になった」と話している。同じ日の興行では兄の堤駿斗も世界戦に出る予定だったが、練習中に眼窩(がんか)を骨折して中止に。弟は勝利を兄にささげた。

7月25日のジッダでは、初めて10回戦を任された。58.5kg契約で、18勝(11KO)無敗2分けのアルビノ・エレーラに2回TKO勝ち。無敗同士の一戦を短時間で終わらせ、5戦全勝のうち4つをKOで積み上げた。

習志野高で高校5冠、世界ユースで兄弟2人目の金メダル

堤は2002年生まれ。兄の駿斗の影響で小学5年生のころにボクシングを始め、千葉市の自宅には父親が作った練習部屋があった。習志野市立習志野高校ではインターハイ、国体、全国高校選抜をいずれも制し、高校5冠に輝いている。

東洋大学1年だった2021年4月には、ポーランド・キエルツェで開かれた世界ユース選手権のライト級で金メダルを獲得した。この大会で日本人の金メダリストは、2016年に優勝した兄の駿斗に続いて2人目。兄弟で同じ大会の頂点に立った。

アマチュアで積み上げたタイトルは9つ。プロテストは、日本で史上3人目となるA級で合格した。デビュー前から米専門誌「ザ・リング」とアンバサダー契約を結ぶなど、プロ入りの時点で海外から注目を集めていた。

兄の駿斗も志成に所属し、2026年7月14日にはWBA世界スーパーフェザー級の挑戦者決定戦で2回TKO勝ちしている。弟のジッダでの試合では、兄がセコンドにつくと伝えられていた。

「7戦目から9戦目で世界挑戦」の目標、カギは6戦目の内容

堤は2025年9月、ザ・リングのインタビューで、7戦目から9戦目の間に世界王者へ挑みたいと語っていた。日程は厳しいとしながらも、早い段階での世界挑戦を目標に掲げている。

その目標に照らすと、ロハス・ガルシア戦は世界ランク入り後の足場を固める一戦になる。WBAの順位は14位から10位へ上がった。カネロの復帰戦という世界中のファンが見る興行で、どれだけはっきりした勝ち方を見せられるか。

デビューから1年半で、ニューヨーク、ラスベガス、リヤド、ジッダと4つの都市のリングに立ってきた。6戦目の舞台は再びリヤド。メキシコ勢と世界の選手がぶつかる一夜で、24歳のサウスポーは「メキシコ以外の国」の代表としてリングに上がる。

[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]

寄稿者

久遠(KUON)
WEBライター(主にスポーツ記事)経験7年。スポーツ、格闘技が好きで、ボクシング世界チャンピオンが主宰するジムに4年間在籍。自分でも練習を重ね、”3分”の過酷さと濃さを体で知る。観戦もライフワークで、会場には年4回ほど足を運ぶ。選手目線の実感とファン目線の熱量、その両方を武器に、試合の見どころやリングのリアルをライター経験を活かしてわかりやすく伝えます。

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