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旭富士が新十両昇進、初土俵から所要6場所は年6場所制以降の最速タイ(付け出しを除く) 九州場所の番付編成会議で決定

旭富士が新十両昇進、初土俵から所要6場所は年6場所制以降の最速タイ(付け出しを除く) 九州場所の番付編成会議で決定

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日本相撲協会は30日、大相撲九州場所の番付編成会議を開き、モンゴル出身の旭富士(24)=伊勢ケ浜部屋=の新十両昇進を決めた。昨年九州場所の初土俵から所要6場所は、1958年の年6場所制以降の初土俵で最速タイ(付け出しを除く)。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱照ノ富士)は、秋場所前に肋骨を折っていたことを明かした。元中学横綱の竜鳳(19)=音羽山部屋=も新十両に昇進した。

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所要6場所で関取に、過去4人と並ぶ最速タイ

日本相撲協会は30日、東京・両国国技館で九州場所(11月8日初日・福岡国際センター)の番付編成会議を開き、旭富士と竜鳳の2人の新十両昇進を決めた。再十両はいなかった。

旭富士は昨年11月の九州場所で前相撲を取って初土俵を踏み、そこから6場所で十両に上がる。年6場所制となった1958年以降に初土俵を踏んだ力士では、付け出しを除いて1位タイのスピード出世となった。

並んだのは板井、土佐豊、常幸龍、炎鵬の4人だ。板井は十両に上がった当時「高鉄山」を名乗っており、共同通信などは高鉄山の名で伝えている。媒体によって名前が違って見えるが、中身は同じ4人。炎鵬は伊勢ケ浜部屋の兄弟子にあたる。

決め手になったのは秋場所の成績だ。十両目前の西幕下筆頭で6勝1敗と白星を重ね、関取の座をつかんだ。

元横綱の旭富士とは別人、しこ名を継いだ24歳

名前を見て、かつての横綱を思い浮かべる人も多いだろう。新十両の旭富士は、その第63代横綱旭富士からしこ名を受け継いだ別の力士だ。元横綱の旭富士は伊勢ケ浜部屋の先代師匠で、現在は部屋付きの宮城野親方として後進を指導している。

新十両の旭富士は本名をバトツェツェゲ・オチルサイハンといい、2002年5月17日にモンゴル・ウランバートルで生まれた。187センチ、152キロ。2018年春に来日し、神奈川・旭丘高校に相撲留学したが、高校時代は目立った成績を残せなかった。

入門は2021年春。だが、すぐには土俵に上がれない。外国出身力士は原則1部屋1人という協会の決まりがあり、照ノ富士が現役の間はデビューできなかったのだ。初土俵までの4年半、研修生として部屋で稽古を重ね、デビュー前から関取衆と互角に渡り合う力をつけた。

初土俵から横綱のしこ名を名乗るのは極めて異例だ。サンケイスポーツによると、初土俵から元横綱のしこ名を名乗った例には、ハワイ出身の元大関小錦がある。

25連勝と4場所連続優勝、先代横綱の7場所も上回る

デビュー後の勢いは数字にはっきり出ている。今年の初場所の序ノ口から、春場所の序二段、夏場所の三段目、名古屋場所の幕下まで、4場所連続で各段優勝。年6場所制となった1958年以降では初めての記録となった。

関連記事:旭富士、西幕下筆頭で勝ち越し 所要6場所の新十両へ前進、史上最速記録に並ぶ可能性

序ノ口デビューからの連勝は、名古屋場所で25で止まった。それでも歴代3位の記録だ。連勝が止まった場所でも幕下優勝を手にしている。

先代の旭富士(現宮城野親方)は、初土俵から新十両まで7場所かかった。しこ名を継いだ弟子は、それを1場所上回ったことになる。

部屋付きで指導する桐山親方(元関脇宝富士)は、東スポWEBの取材に「普通にやれば、三役にはなる。あとは本人の努力で横綱大関に上がれると思う」と見立てを語った。

肋骨を折ったまま秋場所へ、会見は笑顔なし

30日は都内の伊勢ケ浜部屋で昇進会見を開き、師匠の伊勢ケ浜親方が同席した。ここで明かされたのが、秋場所前のけがだった。

中日スポーツによると、師匠は「先場所前にも肋骨を折っていまして、巡業中に稽古ができない中で場所に臨んだんですけど、よく勝ち抜いたんじゃないかと思いますね」と説明している。日刊スポーツの取材には「よく勝ち抜いたと思います。それも彼の良さのひとつ」と評価した。一方で足腰がまだできておらず、強引な相撲も多いとして、15日間を戦う十両に向けた体づくりを求めている。

本人は、会見の間ずっと笑顔を見せなかった。日刊スポーツによれば、昇進の感想は「うれしいです」。スピード記録には「特には何も感じていないです」と答え、秋場所の相撲を「内容は全然ダメです」と切り捨てた。課題には前に出る相撲を挙げている。

厳しいのは本人だけではない。秋場所の千秋楽後、先代の宮城野親方からかけられたのは祝福ではなく「相撲がダメだ」という言葉だったと、旭富士は明かした。宮城野親方はサンケイスポーツに「幕下が相手だと力の差がありすぎて、旭富士らしい相撲が取り切れていない。番付が上がるほど本領を発揮するだろう」と話しており、厳しさの裏に期待がある。

九州場所の目標は十両優勝、その先に横綱

九州場所は11月8日に福岡国際センターで初日を迎える。旭富士が掲げた目標は十両優勝だ。中日スポーツの取材には「来場所で上がるから」と言い切り、1場所での幕内昇進を見すえる。師匠の照ノ富士も、新十両の場所で十両優勝を果たしている。

将来の夢を聞かれると「横綱になること」と答えた。スポーツニッポンによると、最速で新十両に上がった過去の4人は、いずれも最高位の横綱には届いていない。

師匠からは土俵の外の心得も説かれた。同じモンゴル出身の伊勢ケ浜親方は、日刊スポーツの取材に、外国出身の力士として「日本人以上に相撲のことを理解して、日本人以上に勉強して」きたと自らの姿勢を語り、「皆さんに愛されるような力士になってほしい」と願った。照ノ富士を間近で見てきた旭富士も「僕もそうなりたいなって、ずっと思っていました」と明かしている。

同時昇進の竜鳳は19歳、音羽山部屋から初の関取

同じ日に新十両を決めた竜鳳は、本名を西村和真という京都府出身の19歳。元中学横綱で、鳥取城北高校を中退して角界に入り、昨年の名古屋場所で初土俵を踏んだ。所要8場所のスピード出世で、秋場所は東幕下4枚目で4勝を挙げた。

しこ名の「竜」は師匠の音羽山親方(元横綱鶴竜)の現役時代のしこ名から、「鳳」は地元・宇治市の平等院鳳凰堂から取った。音羽山親方にとって、序ノ口から育てた弟子が関取になるのは初めてだ。竜鳳はデイリースポーツの取材に「素直にうれしい。親方の言うことを聞いて稽古したのが身になった」と喜びを語った。

横綱のしこ名を背負う24歳と、元横綱の師匠を持つ19歳。2人の新十両が、九州場所で関取として初めての15日間に臨む。

[文/構成 by スポーツライター 疾風(HAYATE)]

寄稿者

疾風(HAYATE)
スポーツニュースサイトでの執筆を経て、ゴルフ、競馬、大相撲、フィギュアスケート、陸上など、競技の枠を越えてスポーツ記事を書いてきたWEBライター。経験は6年。大会結果や記録、番付、レース展開など、数字と公式記録を土台に「何がすごかったのか」を整理する記事を得意としている。ルールや採点方式が分かりにくい競技でも、初めて観る人がその一戦を楽しめるよう、背景や見どころまでかみくだいて伝えることを心がけている。主な執筆分野は、ゴルフ、競馬、大相撲、フィギュアスケート、陸上、バスケットボール。

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