池田美来、アジア大会サーフィン女子で金 18歳がロサンゼルス五輪出場権を条件付きで獲得、男子は五十嵐カノアが金

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愛知・名古屋アジア大会のサーフィン競技は9月29日、愛知県田原市の太平洋ロングビーチで男女の決勝があり、女子は18歳の池田美来が中国の楊思琪を下して金メダルを手にした。男子は五十嵐カノアが優勝し、日本は男女アベック金。2人は2028年ロサンゼルス五輪の出場権を条件付きで得た。女子の野中美波も銅メダルだった。
池田美来が11.64点、パリ五輪代表の楊思琪を退けた
女子決勝の相手は、2024年パリ五輪に出場した中国の楊思琪だった。女子の出場選手で五輪経験があるのは楊ただ1人で、大会前から優勝候補に挙げられていた。
池田は5.67点と5.97点の2本をそろえ、合計11.64点。楊は4.00点と3.57点の7.57点にとどまった。逆転には7.64点が必要な状況が続き、楊は後半の多くの時間で波を優先して選べる権利を握ったものの、決め手となる1本は来なかった。サーフィンは1本ごとに0〜10点で採点し、上位2本の合計で勝敗を決める。4点差がつけば、残り時間での逆転は簡単ではない。
準決勝は苦しかった。インドネシアのジャスミン・スチューダーを相手に波数の少ない展開となり、残り5分の場面で6.33点を出して逆転でファイナルへ進んだ。一方、3回戦では9点台のライドを2本そろえ、全選手でトップの18.53点を記録している。
サーフィンがアジア大会の正式競技になったのは愛知・名古屋大会が初めてで、池田と五十嵐はそろって初代王者となった。
「条件付き」の中身は何か
ロサンゼルス五輪のサーフィンは、国・地域ごとの出場枠が男女それぞれ原則2人まで。国際サーフィン連盟(ISA)の規定で、出場権の割り当てには次の優先順位がある。
| 優先順位 | 対象 | 1か国の上限 |
|---|---|---|
| 1 | 2027年8月15日〜2028年6月15日のWSLチャンピオンシップツアー(CT)ランキング | 1か国1人まで |
| 2 | 2028年のISAワールドサーフィンゲームズ | 1か国1人まで |
| 3 | 大陸別の出場枠(アジア大会など) | 1か国1人まで |
アジア大会の枠は3番目。CTとワールドサーフィンゲームズで、池田や五十嵐とは別の日本選手2人が出場権をつかむと、日本の上限2枠が埋まり、アジア大会で得た枠は使えなくなる。そうならなければ、2人の出場がそのまま正式に決まる。「条件付き」と書くのはこのためだ。
国際サーフィン連盟の発表によると、池田と五十嵐はロサンゼルス五輪の出場権を条件付きで確保した最初の2人となった。五十嵐は日本勢男子の第1号、池田は女子の第1号にあたる。
11歳8か月でプロに、ジュニア時代から世界で結果
池田は2007年11月7日生まれで、静岡県御前崎市出身。5歳でサーフィンを始め、小学6年生だった11歳8か月で日本プロサーフィン連盟(JPSA)のプロ資格を最年少で取った。そのプロテストの会場が、決勝の舞台となった太平洋ロングビーチだった。
世界の舞台でも早くから結果を出している。14歳だった2022年、ISA世界ジュニア選手権の16歳以下の部で銅メダル。2024年にはWSLのプロジュニア大会「クルイ・プロ・ジュニア」を制し、2025年には世界最高峰CTの一つ下の階級にあたるチャレンジャーシリーズ(CS)に初めて参戦した。N高等学校で学業と競技を両立させ、2025年度に卒業している。
五輪の出場権がかかった大会に挑むのは、これが初めてだった。
地元の海でその初戦を制した池田は、決勝後に「もう自分は頭がロサンゼルスオリンピックに向いている」と話した。国際サーフィン連盟を通じたコメントでは「人生で最高の瞬間」と喜びつつ、「でも、オリンピックで金メダルを取りたい」と続けた。取材には「”世界の池田美来”を目指して。ロスに向けて練習していきたい」とも語っている。
五十嵐カノアは準決勝で10点満点、3大会連続の五輪へ前進
男子は大会第1シードの五十嵐が、決勝でインドネシアのイ・マデ・パジャール・アリヤナと対戦した。6.67点と6.20点の合計12.87点で、アリヤナの10.40点に2.47点差をつけて逃げ切っている。決勝で乗った波はわずか3本だった。
勝ち上がりは平坦ではなかった。1回戦では日本代表のチームメイト、コナー・オレアリーに敗れた。3回戦で再びオレアリーと当たると、その時点で男子の最高となるヒートスコア15.67点で競り勝ち、オレアリーは9位で大会を終える。準決勝ではフリップ系の空中技を決めて大会唯一の10点満点を出し、合計18.33点で決勝へ進んだ。
五十嵐は1997年10月1日、米カリフォルニア州生まれの28歳。3歳でサーフィンを始め、2016年からCTに参戦している。2021年東京五輪で銀メダル、2024年パリ五輪は9位だった。ロサンゼルス五輪の会場に決まっているカリフォルニア州のローワー・トレッスルズでは、CTの大会で2シーズン続けて2位に入っている。
国際サーフィン連盟によると、五十嵐は、サーフィンが五輪競技となった東京、パリ、ロサンゼルスの3大会すべてで出場権を得た初めての選手となる(ロサンゼルスは条件付き)。
試合後、五十嵐は「言葉にならない。夢の夢です」と語り、「雨の中、応援してくれるファンのためにいいパフォーマンスをすることを考えていた。金メダル、オリンピックはボーナスです」と続けた。国際サーフィン連盟を通じては、ロサンゼルス五輪を「これまでのオリンピックの中で、今回こそは最も参加したい大会」と表現している。
野中美波は銅、日本は3個のメダル
日本代表は男子が五十嵐とオレアリー、女子が池田と野中の4人だった。野中は準決勝で楊に敗れたものの、3位決定戦でスチューダーを5.33点と3.73点で下して銅メダルを手にした。金2、銅1。日本はサーフィンで3個のメダルを持ち帰る。
| 種目 | 金 | 銀 | 銅 |
|---|---|---|---|
| 男子 | 五十嵐カノア(日本)12.87点 | イ・マデ・パジャール・アリヤナ(インドネシア)10.40点 | ジャユアード・アルシソ(フィリピン) |
| 女子 | 池田美来(日本)11.64点 | 楊思琪(中国)7.57点 | 野中美波(日本) |
※金・銀の点数は決勝の合計点
サーフィン競技は9月25日に始まり、予定では28日まで。28日は男子3回戦までで打ち切られ、男女の準々決勝以降が予備日の29日に回った。最終日は朝から雨の中、うねりでサイズの上がった波で男女の準々決勝から決勝までを一気に行った。
アジア大会では、ほかの競技でも日本勢の金メダルが続いている。陸上のマラソン競歩では勝木隼人が優勝した。
関連記事:勝木隼人、アジア大会マラソン競歩で金メダル 18年ジャカルタ大会に続く金、自衛隊所属の経歴
ロサンゼルスまでに残る2つの関門
池田と五十嵐の出場が正式に決まるかどうかは、2027年8月から始まるCTのランキングと、2028年のワールドサーフィンゲームズの結果にかかる。どちらも、ほかの日本選手がそこで出場権をつかむかどうかが焦点になる。
五十嵐にとっては3大会連続の五輪、池田にとっては初の五輪が視界に入った。18歳の池田にとって、世界の舞台はまだ入り口。地元の海で取った金メダルを手に、2年後のトレッスルズへ向かう。
[文/構成 by スポーツライター 南條楓]








































































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