ロッテリア全店閉店!ゼッテリアになぜ変わるのか理由と違いを徹底解説

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外食大手のゼンショーホールディングスは、2026年3月を目処にハンバーガーチェーン「ロッテリア」の国内全店を閉店し、新ブランド「ゼッテリア」へ順次転換する方針を固めた。1972年の創業から54年の歴史を持つブランドは国内から姿を消す。目的はブランド統合による経営効率化と、カフェ機能を融合させた新業態での市場競争力強化である。
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半世紀の歴史に幕、ロッテリアが「ゼッテリア」へ
ハンバーガーチェーン「ロッテリア」が、国内の全店舗を閉店し、新ブランド「ゼッテリア」へ転換されることが2026年1月21日、複数の大手報道機関によって報じられた。運営会社の親会社であるゼンショーホールディングス(以下、ゼンショーHD)が、2026年3月をめどにブランドの完全統一を完了させる方針である。1972年の創業以来、半世紀以上にわたり親しまれてきた「ロッテリア」の名称は、日本の街から消えることになる。
この決定は、2023年4月にゼンショーHDがロッテホールディングスからロッテリアの全株式を取得して以降、段階的に進められてきた事業再編の最終段階と位置づけられる。ブランドを一本化することで、原材料の共同仕入れや物流、店舗運営のノウハウを統一し、グループ全体のシナジー効果を最大化する狙いだ。
買収からブランド統一へ、ロッテリア54年の歩み
ロッテリアは1972年、菓子メーカーのロッテグループの事業として創業した。同年9月に東京・日本橋の高島屋に1号店を開店し、日本のファストフード黎明期を支えた存在である。1977年には他社に先駆けて「エビハンバーガー(現エビバーガー)」を発売するなど、独自のメニュー開発で人気を博した。
しかし、1990年代以降はマクドナルドなど競合との競争激化や経営方針の迷走により業績が低迷。店舗数は2009年2月時点の524店をピークに減少傾向をたどり、ゼンショーHDによる買収直前の2023年1月時点では358店舗となっていた(ゼンショーHD発表)。買収後はゼッテリアへの転換が加速し、2025年12月末時点でロッテリアは106店舗まで減少したと日本経済新聞は報じている。
ゼンショーHDは2023年2月の買収発表時、自社グループの食材調達、物流、店舗運営機能とのシナジー効果がロッテリアの事業拡大に寄与すると説明していた。今回のブランド統一は、そのシナジーを最大化するための経営判断である。
「ゼッテリア」とは何か – コンセプトと戦略
ゼンショーHDがロッテリアに代わる主力ブランドとして投入するのが「ゼッテリア」である。このブランドは、単なる店名変更にとどまらない、明確な戦略に基づき設計されている。過去のブランド展開とどこが同じで、どこが違うのか。
コンセプト:「絶品バーガー」と「カフェテリア」の融合
ゼッテリアの名称は、ロッテリアの人気商品「絶品チーズバーガー」の「絶品(Zeppin)」と、気軽に楽しめる空間を意味する「カフェテリア(Cafeteria)」を組み合わせたものだと公式サイトで説明されている。ファストフードの迅速さに加え、カフェのような居心地の良さを提供することで、新たな顧客層の開拓を目指す。内装は木目調を基調とした落ち着いたデザインを採用し、一部店舗では電源付きの座席を設けるなど、滞在しやすい環境を整備している。
この戦略は、原材料費や人件費が高騰する中で、安売り競争から脱却し、より高い付加価値で顧客満足度を高めようとする飲食業界全体の潮流とも一致する。食事だけでなく、仕事や休憩など多様な利用シーンを想定することで、客単価の上昇と顧客体験の向上を両立させる狙いだ。
メニューと価格戦略:高品質へのシフト
メニュー構成もロッテリアとは一線を画す。看板商品である「絶品バーガー」シリーズをロッテリアの2種類から6種類へと拡充。一方で、同じ「絶品チーズバーガー」という名称でも、ロッテリアとゼッテリアでは原材料や価格が異なる。複数の情報源によると、ゼッテリアの単品価格はロッテリアより100円程度高く設定されている例があり、品質を重視したプレミアム路線への転換が鮮明である。
さらに、フェアトレードコーヒーやスイーツメニューを充実させ、「カフェコンビ」といった時間帯限定のセットを導入するなど、カフェ需要の取り込みを強化している。これは、ハンバーガー市場で圧倒的なシェアを持つマクドナルドが「マックカフェ」で先行する「バーガーとカフェの融合」モデルを、ゼンショーHD流のやり方で追随・差別化する戦略と分析できる。
| 比較項目 | ロッテリア | ゼッテリア |
|---|---|---|
| コンセプト | 親しみやすい定番ファストフード | 「絶品バーガー」と「カフェテリア」の融合 |
| ターゲット層 | 学生・ファミリー層中心 | 20〜40代の社会人、カフェ利用者 |
| 店舗雰囲気 | 明るくカジュアルな内装 | 木目調の落ち着いたカフェ風デザイン |
| メニュー戦略 | エビバーガー、リブサンドなど独自商品 | 「絶品バーガー」シリーズを拡充、カフェメニュー強化 |
| 価格帯 | 中庸価格帯(セット700円前後) | やや高価格帯(セット800円前後)、高品質志向 |
ファンの反応と消えゆく定番メニュー
今回の全店転換の報道を受け、SNS上では「#ありがとうロッテリア」といったハッシュタグと共に、ブランドを惜しむ声が多数投稿された。「学生時代の思い出の場所だった」「エビバーガーが青春の味」など、個人の記憶と結びついた投稿が多く見られ、ロッテリアが長年にわたり生活に根付いていたことがうかがえる。
特にファンの関心が高いのは、「エビバーガー」や「リブサンドポーク」、「ふるポテ」といったロッテリア独自の人気メニューの行方である。ゼンショーHDは公式に個別のメニューの存続について明言していないが、一部メニューはゼッテリアでも提供されている。ただし、ブランド統一後の最終的なメニュー構成は現時点では不確定であり、今後の公式発表が待たれる状況だ。
ブランド統一で挑むハンバーガー市場の「役割競争」
ロッテリアからゼッテリアへの完全転換は、単なるブランドの消滅ではない。外食最大手ゼンショーHDが、その巨大な調達力と運営ノウハウを武器に、飽和状態ともいえるハンバーガー市場での新たな「役割」を確立しようとする戦略的な一手である。2025年末時点で、マクドナルド(約3,000店)、モスバーガー(約1,300店)、バーガーキング(337店)に次ぐ国内4位の店舗数(ロッテリア・ゼッテリア合計278店)を持つゼンショーHDが、最終的に約280店舗体制となるゼッテリアで上位チェーンをどう追撃するのか。
「ファストフード」と「カフェ」の中間領域を狙うゼッテリアの試みは、価格競争から価値競争へとシフトする現代の外食産業の縮図でもある。54年の歴史を持つブランドとの別れを惜しむ声の一方で、合理的な経営判断として受け止める冷静な見方もある。ロッテリアのDNAが新ブランドの中でどのように継承され、消費者に受け入れられていくのか、その成否が今後のハンバーガー業界の勢力図を左右する可能性がある。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]













































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