レガレイラ有馬記念連覇へ!敗戦から復活、牝馬初の偉業に挑む感動の軌跡

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2025年12月28日の第70回有馬記念で、昨年の覇者レガレイラが史上初の牝馬による連覇という歴史的偉業に挑む。ファン投票では歴代最多の61万票超を獲得し圧倒的な支持を集める。春の不振を乗り越え、秋にはGⅠを含む2連勝で完全復活。約1年ぶりにコンビを組むC.ルメール騎手と共に、数々の名馬が阻まれた「連覇の壁」に挑む姿は、競馬ファン最大の注目事である。
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ファン投票歴代最多、女王レガレイラが挑む「牝馬初の連覇」
2025年12月28日、千葉県の中山競馬場で開催される競馬界の総決算、第70回有馬記念(GⅠ・芝2500m)。この年末のグランプリレースで、一頭の牝馬が歴史の新たな扉を開こうとしている。その名はレガレイラ(牝4歳、美浦・木村哲也厩舎)。昨年、3歳牝馬として64年ぶりに同レースを制する快挙を成し遂げた彼女が、今年は史上初となる「牝馬による有馬記念連覇」という前人未到の偉業に挑むのである。ファン投票では、昨年のドウデュースの記録を大幅に更新する歴代最多の61万2771票を集め、堂々の1位に支持された。ファンの絶大な期待を一身に背負い、彼女は再び暮れの中山の舞台に立つ。
歴史の扉を開いた前年、そして試練からの復活劇
レガレイラの軌跡は、常に歴史とともにある。2023年のホープフルステークスでは、牝馬としてグレード制導入後初の制覇を達成。そして迎えた2024年の有馬記念。当時主戦だったC.ルメール騎手の負傷により戸崎圭太騎手に乗り替わりながらも、好位追走から直線でシャフリヤールとの激しい叩き合いをハナ差で制し、1960年のスターロツチ以来、実に64年ぶりとなる3歳牝馬による有馬記念制覇という歴史的勝利を飾った。
しかし、栄光の裏で右前脚の剥離骨折が判明。全治3カ月以上の診断が下され、順風満帆に見えた女王の道に暗雲が立ち込めた。復帰後の2025年、春のGⅠ戦線では本来の走りが見られず、宝塚記念では11着と大敗を喫する。レース運びの拙さや展開が噛み合わない歯がゆいレースが続いた。
だが、秋を迎えて女王は覚醒する。9月のオールカマー(GⅡ)で復活の勝利を飾ると、続く11月のエリザベス女王杯(GⅠ)では、課題だったスタートを克服し、メンバー最速の上がりで差し切り勝ち。昨年の雪辱を果たすとともに、完全復活を強烈に印象付けた。試練を乗り越え、精神的にも肉体的にも成長を遂げた姿がそこにはあった。
史上初の偉業へ、データと陣営が示す勝機
厚い「連覇の壁」と「牝馬のジンクス」
有馬記念の連覇は、長い歴史の中でもわずか4頭しか達成していない極めて困難な偉業である。スピードシンボリ、シンボリルドルフ、グラスワンダー、シンボリクリスエスといった歴史的名馬のみが名を連ね、ナリタブライアンやテイエムオペラオー、ゴールドシップといった世代の覇者たちでさえ、その厚い壁に跳ね返されてきた。
さらに、牝馬にとってはより厳しいデータが存在する。過去40年で有馬記念に2回以上出走した牝馬12頭のうち、前年の着順を上回ったのは2007年2着→2008年1着のダイワスカーレットただ1頭のみ。クロノジェネシスやエアグルーヴといった名牝たちも、翌年は着順を落としている。タフな中山2500mの舞台で、牝馬が輝き続けることの難しさを物語るデータだ。
追い風となる好材料と陣営の自信
しかし、レガレイラにはこれらのジンクスを打ち破るだけの追い風が吹いている。まず、公開枠順抽選会で決まった「3枠5番」という絶好枠。有馬記念において内枠の有利さは定説であり、鞍上のC.ルメール騎手も「パーフェクト!」と手放しで喜んだ。
そのルメール騎手との約1年ぶりのコンビ復活も最大の強みであろう。2023年のホープフルS制覇など、レガレイラの能力を最も引き出してきた名手との再タッグは、まさに鬼に金棒。ルメール騎手は「彼女はすごくいい馬ですから勝つ自信があります」と力強く語る。
管理する木村哲也調教師も、その成長に目を細める。
「年を取る部分でのお姉さんらしさ、たくましい、厩舎の若い馬たちの見本となるような存在になってくれてます。非常に頼もしく見てます」
最終調整も順調そのもので、「入厩後、ここまで何のトラブルもなく持ってこれました」と万全の状態をアピール。心身ともに充実期を迎えた女王に、死角は見当たらない。
ファンの期待と強豪たちの挑戦
レガレイラへの期待は、ファン投票の得票数に如実に表れている。61万2771票という数字は、長い有馬記念の歴史において歴代最多。多くのファンが彼女の歴史的挑戦を後押ししている。その期待に応えるように、レース前日の単勝オッズでも3.2倍の1番人気に支持されている。
もちろん、グランプリの舞台に強敵はつきものである。2番人気には昨年の日本ダービー馬ダノンデサイル、3番人気には今年の皐月賞を制した3歳馬ミュージアムマイルが続く。さらに、今年の宝塚記念を逃げ切ったメイショウタバルや、GⅠ実績豊富なジャスティンパレスなど、多士済々なメンバーが虎視眈々と王座を狙う。一筋縄ではいかないのが有馬記念。女王の偉業達成には、これらの強豪を打ち破ることが絶対条件となる。
歴史的瞬間へ、運命の日曜日
64年ぶりの快挙から1年。試練の春を乗り越え、完全復活を遂げた女王レガレイラ。ファン投票歴代最多という絶大な支持を背に、最高のパートナーであるルメール騎手と、最高の枠順を得て、史上初の「牝馬による有馬記念連覇」という金字塔に挑む。
数々の名牝が成し得なかった偉業は、達成されるのか。それとも、厚い歴史の壁が再び立ちはだかるのか。すべての答えは、2025年12月28日、中山競馬場のゴール板で明らかになる。競馬史に残るであろう歴史的瞬間を、多くのファンが固唾をのんで見守っている。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]
















































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