ダルビッシュ有、プレラーGMが数週間以内に今後を協議へ 来季の現役続行は保留のまま

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
パドレスのA・J・プレラーGMが現地時間10月14日(日本時間15日)のシーズン総括会見で、ダルビッシュ有(40)と数週間以内に今後について話し合う考えを明かした。ダルビッシュは2025年10月に右肘を手術し、2026年シーズンは無給の制限リストに入ったまま全休。契約は2028年まで残るが、来季に現役を続けるかどうかは決めていない。
プレラーGM「ユウは優先事項」 会見で語った中身
会見はパドレスのシーズン終了を受けて、プレラーGMとクレイグ・スタメン監督がそろって臨んだものだった。今後の編成方針が話題の中心となり、そのなかでダルビッシュの去就にも質問が及んだ。
プレラーGMは来季のプランについて「まだ」と答え、ダルビッシュは今リハビリに取り組んでいるため、来季について話し合う予定だと説明した。続けて「数週間以内に選手個々と話し合う予定。ユウは優先事項で、肉体的にもメンタル面でもどういう状況なのかを聞く」と語っている。
英語の質疑でも同じ趣旨の言葉が出た。「彼には本当に敬意を持っている。座って話し、彼の考えがどこにあるのかを確かめる。ただ、少なくとも自分に選択肢を残せるだけの努力を彼は重ねてきた」。40歳で迎える2027年にマウンドへ戻るかどうかは、球団としてもまだ見通せていない。
一方で、GMは無給を受け入れた今季の振る舞いをたたえた。「全休した今季でさえチームに貢献した。球団にサラリーを戻し、他の選手の補強に使えるようにしてくれた。こんなことはほぼあり得ない、本当に独特な存在」。無給を自ら選んだ決断を、編成トップがここまで言葉を尽くして評価した。
手術、引退報道の否定、そして制限リスト
話は1年前にさかのぼる。
2025年のダルビッシュは開幕前に右肘の炎症で離脱し、初登板は7月7日までずれ込んだ。15試合に先発して5勝5敗、防御率5.38。シーズン終了後の2025年10月29日(現地時間)に、テキサス州アーリントンでキース・マイスター医師の執刀を受け、右肘の内側側副靱帯(UCL)を補強する「インターナルブレース」手術と屈筋腱の修復を行った。復帰まで12〜15カ月とされ、2026年シーズンの全休がこの時点で決まった。右肘の大きな手術は、レンジャーズ時代の2015年に受けたトミー・ジョン手術に続いて2度目だった。
2026年1月24日(現地時間)には、ダルビッシュが残りの契約を放棄して引退する意向を球団に伝えたと地元紙が報じた。ダルビッシュは同じ日のうちに自身のXで反論し、日本語で「パドレスとは昨年から契約破棄する方向で話をしていますが引退はまだ決めていません」とつづっている。続けて「自分としてはしっかりリハビリをやり抜き、心身ともに試合で投げられるなと思えばまた一から勝負したいなと考えています」と書き、英語の投稿では、投げられる状態に戻れないと感じた時点で引退を発表するとも説明した。
2月には侍ジャパンの宮崎合宿にアドバイザーとして参加し、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に臨む投手陣を支えた。
そして開幕前日の3月25日(現地時間)、パドレスはダルビッシュを制限リストに入れた。制限リストは選手の保有権を球団が持ったまま、年俸の支払い義務がなくなる枠だ。故障者リストに入れば2026年の年俸1500万ドルを満額受け取れたが、ダルビッシュは家族と過ごす時間を増やしながら自分のペースでリハビリを進める道を選んだ。結果として、1月に取り沙汰された「契約破棄」には至らず、契約は形を残したまま1年間の給料だけが球団に戻ったことになる。プレラーGMは当時「彼は引退すると言っているわけではない」と強調していた。
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ブルペン投球を再開 「投げる準備」はどこまで進んだか
リハビリは止まっていなかった。
8月26日(現地時間)の早朝、ダルビッシュは開門前のペトコ・パークでブルペン投球を行い、十数人のチームメートとコーチが見守った。本人によると、この日が2度目の本格的なブルペン投球。回復はほぼ予定どおりに進んでいるという。同じ日(日本時間27日)にはXで、8月16日に40歳を迎えた際に寄せられたメッセージへの感謝とともに、チームに帯同していない自分をパドレスとスタッフが支えてくれたおかげで、マウンドからの投球を再開できるところまで来たと報告している。
スタメン監督はその日、「戻ってこられるように見える。あとは本人が望むかどうか」と話した。体の回復と、もう一度勝負する気持ちが固まるかどうかは、別の問題として扱われている。
制限リストに入っている間は、試合日にチームと行動をともにできない。それでもリハビリの強度が上がってからは、試合開始よりかなり前にペトコ・パークを訪れ、試合が始まる前に球場を離れることがたびたびあった。
パドレスは91勝もNLDSで敗退、先発陣は手薄
ダルビッシュ不在の2026年、パドレスは91勝71敗でナ・リーグ西地区2位に入り、3年連続のポストシーズン進出を決めた。ワイルドカードシリーズでは本拠地でカブスを8-0、4-1と2連勝で退けたが、地区シリーズ(NLDS)では大リーグ最高勝率のブルワーズに1勝3敗で敗れている。最終戦となった10月7日(現地時間)の第4戦は1-3。8回にマニー・マチャドが放った大飛球を、中堅手ギャレット・ミッチェルがフェンス際でもぎ取った。
プレラーGMは会見で「この世界で90勝するのは難しい。それを3年続けた」と胸を張りつつ、目標はあくまで世界一だと言い切った。
来季へ向けて最も不安を抱えるのは先発投手陣だ。ニック・ピベッタは右肘の屈筋を痛めて130日以上離脱し、球団は2027年の球団オプションを行使するか、契約を見直すかの判断を迫られる。トミー・ジョン手術から戻ったジョー・マスグローブも、ポストシーズンは救援での登板にとどまり、来季の役割は決まっていない。ダルビッシュの決断は、編成全体のパズルに直接響く。
残る契約は2年総額2800万ドル 協議の焦点
ダルビッシュは2023年シーズン前に6年総額1億800万ドルの契約延長を結んでおり、2027年と2028年の2年で総額2800万ドルが残る。メジャー通算13年で115勝93敗、防御率3.65、2075奪三振。日米通算208勝は歴代最多だ。
協議では、40歳になった右腕が来季にマウンドへ戻るのか、それとも別の道を選ぶのかが話し合われる。本人はこれまで、投げられると思えばもう一度勝負し、無理だと感じたら引退を発表するという姿勢を崩していない。
プレラーGMは時期を「数週間以内」とした。ワールドシリーズが終われば、ストーブリーグが本格的に始まる。協議の結果は、パドレスの冬の補強方針にも直結する。
[文/構成 by スポーツライター 高瀬翔吾]














































































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