MEDIA DOGS

WBC2026が飲食店やスポーツバーでパブリックビューイングができない理由とは Netflix商用利用の規約を整理

WBC2026が飲食店やスポーツバーでパブリックビューイングができない理由とは Netflix商用利用の規約を整理

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

2026年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は、Netflixの独占配信となった。同社の利用規約は「個人的な非商業的用途」に限定されており、飲食店などでの上映は規約違反にあたる。商用ライセンスも提供されず、多くのスポーツバーがパブリックビューイングを断念。ただし、Netflixが共催する公式イベントは限定的に開催される。

↓ 詳細が気になる方は、このまま下へ ↓

WBC観戦、スポーツバーから悲鳴 なぜ上映できないのか

2026年3月に開幕する野球の国・地域別対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」。前回2023年大会で日本中が熱狂した光景を、スポーツバーや居酒屋で分かち合おうと考えていたファンにとって、厳しい現実が突きつけられた。今大会は動画配信サービス「Netflix」が日本国内の全試合を独占配信するため、多くの飲食店でパブリックビューイング(PV)ができない事態となっている。

東京・神田で営業する「ベースボール居酒屋リリーズ神田スタジアム」は、公式インスタグラムでPV営業の断念を発表した。同店は前回大会、地上波放送を利用してPV営業を実施し、多くのファンで賑わった。しかし、今回は「正確に言えば行えません」と、上映が不可能であることを報告。ファンが集い、一体となって応援するおなじみの光景は、今大会では見られなくなる可能性が高い。

「商用利用はNO」Netflix利用規約の壁

飲食店が上映を断念する直接的な理由は、Netflixの利用規約にある。同社の利用規約には「Netflixサービスおよび当該サービスを通じてアクセスされるコンテンツは、お客様の個人的な非商業的用途に限るものとし、(中略)お客様は公の場での上映のために当サービスを利用しないことに同意します」と明記されている。つまり、店舗が個人として契約したアカウントを使い、店内のモニターで客に試合を見せる行為は規約違反となる。

多くのスポーツバーは、DAZNやスカパー!といった他のスポーツ配信サービスと、個人契約より高額な「商業用ライセンス契約」を結ぶことで店内上映を合法的に行っている。しかし、Netflixには2026年2月現在、WBCの商業利用を目的としたライセンス契約の仕組みが存在しない。リリーズ神田スタジアムの店主がNetflix側に問い合わせたところ、当初は「未定」との回答が続いたが、2月上旬に「個人利用のみを想定したサービスですので、商用利用できるような環境はありません」と明確な回答があったという。

この問題について週刊女性PRIMEがNetflix広報に取材したところ、「利用条件については、利用規約に基づき運用しております」との回答にとどまり、商用利用の可否や規約違反時の罰則については具体的な言及を避けた。現状では、飲食店が営利目的でWBCを上映する道は閉ざされている。

例外は「公式PV」のみ 選手ゆかりの地で限定開催

ただし、すべてのパブリックビューイングが禁止されたわけではない。Netflixは、侍ジャパン選手の出身地やゆかりの地の自治体、学校と協力し、「『2026 ワールドベースボールクラシック』ホームタウンヒーロー・パブリックビューイング」と題した公式イベントを共催する。 これはNetflixが自治体や学校と協力して主催する非営利のイベントで、全国約150カ所での無料開催が計画されている。

この公式イベントは、あくまでNetflixが主体的に関わる非営利の催しだ。北海道日本ハムファイターズの伊藤大海選手の地元である北海道鹿部町や、福岡ソフトバンクホークスの牧原大成選手の出身地、福岡県久留米市などでの実施が発表された。一般の飲食店が「WBC観戦できます」と宣伝して集客する営利目的の上映とは、明確に区別される。

配信シフトの背景にある巨額放映権料

そもそも、なぜ国民的関心事であるWBCが地上波から姿を消したのか。その背景には、スポーツコンテンツの放映権料の急激な高騰がある。WBCの日本向け放映権料は、前回大会の推定約30億円から、今大会は推定約150億円にまで高騰したとされる。1試合あたりに換算すると、前回の4億円強から約20億円規模に跳ね上がったとの分析もある。テレビ局が広告収入だけでこの巨額を回収することは、極めて困難な状況だ。

一方、Netflixのようなグローバル配信サービスは、世界中の会員から得るサブスクリプション収入という安定した資金源を持つ。WBCの独占配信は、映画やドラマといった既存コンテンツに加わる新たな魅力として、新規会員を獲得するための戦略的な投資と位置づけられる。WBCはあくまで「入り口」であり、長期的な顧客囲い込みの一環として巨額の放映権料を投じることが可能なのだ。この資本力の差が、今回の配信形態の変化を決定づけた。

観戦スタイルの変化と野球人気への影響

これにより、WBCを映像で観戦するにはNetflixへの加入が必須となった。最も安価な「広告つきスタンダード」プランは月額890円(税込)で、 新規加入者および2026年1月31日以前に解約した再登録者向けに、初月498円(税込)となるキャンペーンも2月19日から実施されている。 映像での視聴手段はNetflixに限られるが、音声のみであればニッポン放送が日本代表の全試合をラジオで生中継する。

Netflixは試合中継だけでなく、過去大会の舞台裏に迫るドキュメンタリーシリーズ「DIAMOND TRUTH ワールドベースボールクラシックの真実」を配信するなど、関連コンテンツの充実で大会を盛り上げる構えだ。しかし、リリーズ神田スタジアムの店主が「WBC中継がネトフリ独占であると知らない人が結構いた」と語るように、特に普段は野球を熱心に見ない層に情報が浸透していない懸念もある。

誰もが無料で視聴できた地上波放送がなくなったことで、前回大会のような社会現象的な盛り上がりに欠けるのではないか、ひいては野球人気そのものに影響するのではないかという声も上がる。リリーズ店主は「次回大会が開催される際には日本メディア(民放連)は早め早めに動いて、放映権の奪還を果たしてほしい」と、今後の課題に言及した。観戦スタイルの大きな転換点が、野球界に何をもたらすのか。その行方が注目される。

[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]

寄稿者

MEDIA DOGS 編集部
メディアドッグス株式会社のMEDIA DOGS 編集部チーム。インターネットマーケティングに約10年携わるメンバーで編成し、企画・取材・執筆から公開後の改善まで一貫して担当しています。「出会いを、設計する。」のもと、人と企業が正しく出会える場をつくるために、一次情報の確認とファクトチェックを徹底。情報をわかりやすく誠実に届け、読者の疑問を解決します。

コメントはこちら

*
*
* (公開されません)

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

ライフハック/実用

More

グルメ

【実食レビュー】ハーゲンダッツ 和紅茶バタークリームケーキの口コミは本当?475円の実力を徹底検証

【実食レビュー】ハーゲンダッツ 和紅茶バタークリームケーキの口コミは本当?475...

ハーゲンダッツ「和紅茶バタークリームケーキ」を実食レビュー!セブン限定で価格475円、4層構造の贅沢アイスです。初摘み一番茶の華やかな香りと濃厚バターの味わいは本当に美味しい?口コミの真相とコスパをフードライターが徹底検証します。
More

エンタメ

More

社会/ニュース

More
Return Top