東京スカイツリーのエレベーター緊急停止にXで「メーカーどこ?」「怖すぎる」の声 地上30m地点で20人閉じ込めも怪我人なし

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
2026年2月22日夜、東京スカイツリーで下りエレベーターが地上約30mで緊急停止し、15人から20人ほどが一時閉じ込められた。けが人はいない。原因は公式発表されていないが、当日は強風注意報が出ており、2012年の開業日にも強風で停止した事例がある。SNSでは安否を気遣う声とともに、エレベーターの製造会社に関する投稿も見られた。
【23日未明 追記】閉じ込められた20人(うち子ども2人)は、約5時間半後の翌朝2時2分に全員無事救助された。天望デッキでは約1200人が一時足止めされたが、エレベーター再開後に順次地上へ降りている。
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三連休の日曜夜、地上30mで突然の停止
三連休の中日にあたる2026年2月22日の夜、東京のシンボル、東京スカイツリー(東京都墨田区)でエレベーターが緊急停止するトラブルが起きた。警視庁や東京消防庁によると、午後8時20分ごろ、「エレベーターが止まって閉じ込められている」と乗客から110番通報があった。複数の報道を総合すると、停止したのは展望台からの下りエレベーター。地上約30メートルの地点だった。
エレベーター内には15人から20人ほどが乗っていた。一部報道では「急降下した」との情報もあるが、多くの報道機関は「緊急停止」と伝えており、急降下の事実は確認されていない。けが人がいないことは各社報道で一致する。現場には消防車や救急車が駆けつけ、周囲は一時騒然とした雰囲気に包まれた。東京消防庁などが救助活動にあたった。
【追記】子ども2人を含む20人、深夜2時過ぎに救出
警視庁によると、閉じ込められたのは子ども2人を含む20人だった。救助は難航し、作業開始は事故発生から約5時間半後の翌23日午前1時44分。当初は停止したエレベーターを外部から開ける計画だったが、最終的には隣接するエレベーターを同じ高さまで移動させ、緊急用ドアを開けて橋を架け、乗客を移動させる特殊な方法が取られた。全員の救出完了は午前2時2分。わずか18分間の作業だったが、準備に長時間を要した形だ。けが人はいなかった。
閉じ込められた乗客が帰路につけたのは、救急隊による健康確認などを経て、推定で午前2時半から3時頃とみられる。三連休の楽しい思い出が、予期せぬ深夜の救出劇となった。
原因は「春一番」の強風か 2012年開業日にも同様の停止
なぜエレベーターは止まったのか。運営会社の東武タワースカイツリーは「原因は確認中」としている。しかし、トラブル発生当日の気象状況が、一つの可能性を示唆する。気象庁は22日午後、東京23区に強風注意報を発表。複数のメディアは、関東地方で2年ぶりとなる「春一番」が吹く可能性があると報じた。エレベーターが停止した午後8時過ぎは、まさに風が強まっていた時間帯だった。
スカイツリーのエレベーターが強風を理由に停止したのは、今回が初めてではない。2012年5月22日の開業初日にも、強風のためエレベーターの運行が止まった。日経クロステックによると、この時の停止は故障ではなく、運営会社が安全を最優先し、自主的に運行を見合わせた結果だった。今回も、機械の故障ではなく、安全装置が正常に作動した結果として停止した可能性が考えられる。
【追記】現場では「強風のため停止」とアナウンス
当日、天望デッキに向かうためエレベーター待ちをしていた観光客の証言によると、午後8時半頃、館内で「強風のためエレベーターが止まり、点検している」とのアナウンスが流れたという。この証言は、強風が停止の引き金となった可能性を裏付けるものだ。ただし、運営会社の東武タワースカイツリーは「原因は調査中」としており、正式な発表は今後行われる見通しだ。
分速600mの心臓部、東芝と日立が担う
今回停止したとみられるのは、地上と地上350メートルの天望デッキを結ぶ4基の「天望シャトル」のうちの1基だ。東芝エレベータの公式サイトによると、このエレベーターは定員40人、分速600メートルを誇る。時速に換算すると36キロ。地上4階の乗り場から天望デッキまで、わずか50秒で到達する国内有数の高速エレベーターだ。
スカイツリーのエレベーターは1社単独ではなく、主に2社が供給している。天望デッキへのシャトルエレベーターと、国内最長となる昇降行程464.4メートルを持つ業務用エレベーターは東芝エレベータ製。一方、天望デッキと地上450メートルの天望回廊を結ぶ2基のエレベーターは日立製作所が納入した。どちらも日本の高い技術力を示すものだ。
【追記】実際に停止したのは4基中2基、残る2基も一時運行停止
運営会社によると、今回緊急停止したのは天望シャトル4基のうち2基。このうち下降中だった1基に20人が閉じ込められ、もう1基は無人だった。残る2基も安全確認のため約1時間運行を停止した。つまり、一時的にはすべてのシャトルエレベーターが使えない状態となり、天望デッキと地上を結ぶ動線が完全に遮断された形となった。
なぜ風で止まる? 超高層ビル特有の安全装置
建物の中にあるエレベーターが、なぜ風の影響を受けるのか。超高層建築物は、強風や地震の力を逃がすために、わずかに揺れるように設計されている。スカイツリーも例外ではない。
建物が揺れると、エレベーターのかごを吊るす数百メートルにも及ぶ長大なワイヤーロープが、振り子のように揺れる。この揺れが一定の基準を超えると、ロープが昇降路内の機器に接触する危険を避けるため、安全装置が作動してエレベーターを自動停止させる。
東芝の技術資料によれば、スカイツリーには建物の揺れを検知する「長尺物振れ感知器」が備えられており、揺れをリアルタイムで計算してエレベーターを制御する仕組みだ。つまり、今回のトラブルは、故障ではなく安全装置が計画通りに作動した結果である可能性が高い。超高層建築物において、エレベーターが「危険を察知して止まる」ことは、乗客の安全を守るための重要な機能なのだ。
SNSに広がる不安の声 「どこの会社?」「怖すぎる」
突然の停止と閉じ込めのニュースは、すぐにSNS上でも広がった。Xでは、利用者の安否を気遣う投稿が相次ぐ。同時に、「地上30メートルで停止は怖すぎる」「もし乗っていたらと思うとぞっとする」といった、利用者の恐怖を想像する声が多く見られた。
また、「スカイツリーのエレベーターってどこの会社が作ってるの?」という疑問も投稿された。日本のランドマークを支える技術への関心の高さがうかがえる。一部で「急降下」という情報が拡散したこともあり、不安を煽る場面もあったが、けが人がいないという情報が伝わると、安堵の雰囲気が広がった。
天望デッキでは約1200人が足止め、深夜まで降りられず
エレベーターの全面停止は、閉じ込められた約20人だけでなく、天望デッキにいた大勢の来場者にも影響を及ぼした。東武タワースカイツリーによると、事故発生時、地上350メートルの天望デッキには約1200人が滞在していた。シャトルエレベーター4基がすべて停止したため、彼らは一時的に地上へ降りる手段を失った。
約1時間後、安全確認が完了した2基のエレベーターが運行を再開。しかし1基あたり定員40人のため、1回の運行で最大80人しか降りられない。単純計算で15往復が必要となり、全員が地上に降りられるまでには少なくとも1時間45分以上かかったとみられる。
実際には混雑や優先順位の調整(子どもや高齢者優先)もあり、最後の来場者が帰路についたのは午後11時半から深夜0時頃だった可能性が高い。
観光で大阪府から訪れていた40代女性は、「楽しみにしていたのに残念。怖くて乗りたくない」と話した。三連休の思い出が、予期せぬトラブルで台無しになった来場者も少なくなかったようだ。ただし、天望デッキには飲食店や休憩スペースもあり、長時間の待機による健康被害などは報告されていない。
評価と課題 安全装置は作動、救助体制に改善の余地
日本のエレベーターの安全基準は世界でもトップクラスであり、多重のブレーキシステムや地震・停電時の管制運転など、幾重にも安全対策が施されている。今回、安全装置が正常に作動したことは評価されるべきだろう。
一方で、課題も浮き彫りになった。運営会社である東武タワースカイツリーは、今後、詳細な原因調査を進め、再発防止策を講じることになる。強風が原因であれば、風速の基準や運行体制の見直しも検討されるかもしれない。
特に問題となったのは、救助に5時間半もかかったことだ。地上30メートルという比較的低い位置での閉じ込めにもかかわらず、特殊な救助方法の準備に時間を要した。停止時の代替手段の確保や、迅速な救助体制の整備が求められる。
今回の一件は、都市機能がエレベーターに大きく依存する現代社会において、安全を最優先する設計思想と同時に、万が一の事態への備えの重要性を改めて示した形だ。自然の力の前では最新技術も万能ではない。超高層建築物におけるエレベーターの重要性と脆弱性が、改めて浮き彫りになった。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]





























































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