お使いのデバイスは感染しており..とウイルス感染が iPhoneに表示されたら?クリックしてしまった場合の対処法

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
iPhoneに表示される「ウイルス感染」の警告は、そのほとんどが偽物だ。目的は不正アプリのインストールや個人情報の詐取。表示されたら慌てずブラウザのタブを閉じ、履歴を削除する。万が一指示に従った場合は、アプリの継続課金(サブスクリプション)の解除やパスワード変更、カード会社への連絡をしておこう。
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iPhoneに「ウイルス感染」の偽警告、その正体と目的
iPhoneでウェブサイトを閲覧中に、突然「ウイルスに感染しました」「ハッカーに追跡されています」といった警告画面が表示されることがある。これは利用者の不安を煽り、不正なアプリをインストールさせたり、個人情報を盗み取ったりすることを目的とした「フェイクアラート」と呼ばれる詐欺の一種だ。攻撃者は、アプリの広告収入(アフィリエイト報酬)や、盗んだ個人情報の悪用で金銭的な利益を得る。
Appleの公式見解や多くのセキュリティ専門機関によると、iOSはセキュリティが強固な設計のため、App Store以外からアプリをインストールするなどの特殊な操作をしない限り、ウイルスに感染する可能性は極めて低い。そのため、ブラウザ上に表示されるウイルス警告は、ほぼ全てが偽物と判断してよい。
なぜ偽警告が?背景に広告の悪用と社会問題化
偽警告が表示される主な原因は、インターネット広告の悪用や、セキュリティ対策が不十分なウェブサイトへのアクセスだった。攻撃者は、広告配信の仕組みを悪用して偽の警告画面を表示させたり、改ざんしたサイトに利用者を誘導したりする。一度表示されると、ブラウザのキャッシュや履歴が残っていることで、繰り返し表示されることもある。
この問題は社会的な広がりを見せる。情報処理推進機構(IPA)によると、偽のセキュリティ警告に関する相談件数は年々増加し、2024年には過去最多を記録した。特にインターネットに不慣れな層が被害に遭いやすく、IPAや警察庁、各都道府県警などが継続的に注意を呼びかけている状況だ。
本物と偽物を見分けるポイントとケース別対処法
突然の警告に冷静さを失うかもしれないが、本物と偽物には明確な違いがある。偽警告は「ブラウザ上に表示される」「カウントダウンなどで過度に不安を煽る」「アプリのインストールや個人情報の入力を不自然に要求する」「派手なデザインや不自然な日本語」といった特徴を持つ。一方、iPhoneが標準で出す本物の警告は、Safariの「詐欺/虚偽Webサイトの警告」などごく一部に限られる。

万が一、偽警告に遭遇してしまった場合、その後の行動によって被害の有無が大きく変わる。ケース別の正しい対処法を知っておくことが重要だ。
対処法1:警告が表示されただけの場合
警告画面が表示されただけで、まだ何もクリックしていない場合は、被害を防ぐことができる。最も重要なのは、警告画面の指示に一切従わないこと。「閉じる」「OK」などのボタンも押してはいけない。見えない場所に別のリンクが仕込まれている可能性があるからだ。
まずは、表示されているブラウザのタブを閉じる。タブが閉じられない、または閉じても繰り返し表示される場合は、ブラウザアプリ自体を強制終了する。その後、Safariの設定から「履歴とWebサイトデータを消去」を選択し、ブラウザのキャッシュやCookieを削除することで、再発を防ぐことが可能となる。
対処法2:アプリをインストールしてしまった場合
偽警告に誘導され、セキュリティアプリなどと称する不正なアプリをインストールしてしまった場合は、迅速な対応が必要だった。これらのアプリの多くは、高額な継続課金(サブスクリプション)を目的としている。アプリをホーム画面から削除(アンインストール)するだけでは、課金契約は解除されない。
まず、iPhoneの「設定」アプリから自分のApple IDを選択し、「サブスクリプション」の項目を確認する。身に覚えのない契約があれば、すぐに「サブスクリプションをキャンセルする」をタップして解約手続きを行う。その後、アプリ本体をアンインストールする。念のため、App Storeの「購入履歴」も確認し、不審な支払いがないかチェックすることが推奨される。
対処法3:個人情報を入力してしまった場合
最も深刻な被害につながるのが、個人情報を入力してしまったケースだ。入力した情報に応じて、被害を最小限に食い止めるための緊急対応が求められる。
クレジットカード情報を入力した場合は、直ちにカード会社に連絡し、カードの利用停止を依頼する。不正利用がないか、利用明細を注意深く確認する必要がある。Apple IDやその他サービスのID・パスワードを入力した場合は、すぐに公式サイトからパスワードを変更する。同じパスワードを他のサービスで使い回している場合は、それら全てのアカウントでパスワードを変更しなければならない。
個人情報が漏洩した場合、iPhoneを初期化しても情報は取り戻せない。まずは漏洩した情報を無効化する「火消し」が最優先となる。被害の状況が不明で不安な場合は、警察のサイバー犯罪相談窓口や、デジタルデータの調査を行うフォレンジック専門業者への相談も選択肢となる。
SNSでは「親が騙されかけた」などの声、専門家は冷静な対応を呼びかけ
この問題は、特に高齢者やインターネットの知識に不慣れな層を標的としている傾向がある。SNS上では、「実家の親から”ウイルスに感染したと出た”と電話があって焦った」「消し方が分からず、表示された番号に電話しそうになった」といった、家族や自身の体験談が数多く投稿されている。
セキュリティ専門家や関連機関は、偽警告が表示されても「慌てず、無視し、閉じる」という基本動作の徹底を呼びかける。判断に迷った場合は、自分一人で解決しようとせず、家族や友人、あるいはIPAの情報セキュリティ安心相談窓口のような公的機関に相談することが重要だと指摘する。
予防が最善策、OSの最新化とSafari設定の見直しを
巧妙化する手口に対し、最も有効なのは日頃からの予防策だった。Appleはセキュリティの脆弱性を修正するため、定期的にiOSのアップデートを配信している。OSを常に最新の状態に保つことは、基本的ながら最も重要な対策の一つだ。
加えて、iPhoneの「設定」からSafariの項目を見直し、「ポップアップブロック」と「詐欺Webサイトの警告」の両方がオンになっているか確認することが推奨される。この二つの設定を有効にするだけで、多くの偽警告や悪質なサイトへのアクセスを防ぐ効果が期待できる。手口は今後も変化し続ける可能性があり、公的機関からの注意喚起に気を配り、正しい知識を持つことが、自らのデジタル資産を守ることにつながる。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]














































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