日本人トップボクサー集結、リヤドで歴史的な一夜へ

2025年のボクシング界を締めくくるビッグイベントが、間近に迫っている。来る12月27日（土）、サウジアラビアの首都リヤドにあるモハメド・アブドゥ・アリーナを舞台に、ボクシング興行「The Ring V: Night of the Samurai（ナイト・オブ・ザ・サムライ）」が開催されるのである。

この興行の主役は、世界が認める”モンスター”井上尚弥（大橋）。4団体統一世界スーパーバンタム級王者として、WBC同級2位のアラン・ピカソ（メキシコ）を挑戦者に迎える防衛戦がメインイベントだ。さらに、中谷潤人（M.T）、寺地拳四朗（B.M.B）ら日本のトップ選手が勢揃いし、文字通り「サムライたちの一夜」となる。本記事では、この注目のイベントの開催概要、全対戦カード、そしてその背景について詳報する。

「ナイト・オブ・ザ・サムライ」開催概要

本イベントは、単なるボクシング興行にとどまらない、サウジアラビアの国家的な取り組みの一環として位置づけられている。

開催日時と会場

イベントの開催日は、現地時間2025年12月27日（土）。第1試合は現地正午12時に開始が予定されている。日本との時差は6時間あり、日本時間では同日17時よりPPV配信が開始され、18時から第一試合が開始される予定となっている。

• 大会名: The Ring V: Night of the Samurai（ナイト・オブ・ザ・サムライ）
• 開催日: 2025年12月27日（土）
• 会場: モハメド・アブドゥ・アリーナ（サウジアラビア・リヤド）
• 日本時間配信開始: 17:00予定

イベントの背景とは？「リヤド・シーズン」と日本

この興行は、サウジアラビア総合娯楽庁（GEA）が主催する世界最大級のエンターテインメントイベント「リヤド・シーズン」のプログラムの一つである。2019年に始まり、近年では年間来場者数が1,600万人を突破するなど、世界中から注目を集める巨大フェスティバルだ。

特に今回は、サウジアラビアと日本の国交70周年を記念する大会と位置づけられており、全試合に日本人ボクサーが登場し、世界の強豪と対戦する「日本vs世界」という特別な形式が採用された。

GEA長官であり、このイベントの仕掛け人でもあるトゥルキ・アル・シェイク氏は、「日本のボクシングとその偉大なチャンピオンたちを常に敬意をもって見てきた」と語り、日本人選手をリヤドに迎えられる喜びを表明している。井上尚弥自身も昨年、「リヤド・シーズン」と3年30億円とも報じられる大型スポンサー契約を締結しており、今回が待望のサウジアラビア初登場となる。

全5試合の対戦カードと試合順

当日は3つの世界タイトルマッチを含む、全5試合が組まれている。当初は堤駿斗（志成）の出場も予定されていたが、負傷により延期となった。以下が決定している対戦カードと試合順である。

試合順	タイトル	対戦カード
第5試合 メインイベント	4団体世界スーパーバンタム級 タイトルマッチ	井上 尚弥 (大橋) vs アラン・ピカソ (メキシコ)
第4試合 セミファイナル	WBA世界スーパーバンタム級 暫定王座決定戦	中谷 潤人 (M.T) vs セバスチャン・エルナンデス (メキシコ)
第3試合	IBF世界スーパーフライ級 タイトルマッチ	寺地 拳四朗 (B.M.B) vs ウィリバリド・ガルシア・ペレス (メキシコ)
第2試合	ライト級 8回戦	今永 虎雅 (大橋) vs エリドソン・ガルシア (ドミニカ共和国)
第1試合	WBA世界スーパーフェザー級 暫定王座決定戦	堤 麗斗 (志成) vs レオバルド・クインタナ (メキシコ)

メインイベント：井上尚弥 vs アラン・ピカソ

プロ通算31戦無敗（27KO）の井上尚弥にとって、2025年4試合目となる異例の強行軍。対するアラン・ピカソは33戦32勝1分とこちらも無敗に近い戦績を誇る25歳だ。身長173cm、リーチ178cmと体格で井上を上回り、「メキシコの東大」と称されるメキシコ国立自治大学に在学する秀才としても知られる。

下馬評では井上の優位が伝えられる中、ピカソは「僕が失うものは何もない。プレッシャーは井上の方にある」と心理戦を仕掛ける。一方の井上は「しっかりと倒し切りたい」とKOを宣言しており、盤石の調整ぶりをアピールしている。この一戦に勝利すれば、井上は世界戦27連勝となり、伝説的王者ジョー・ルイスの持つ史上最多記録に並ぶことになる。

セミファイナル：中谷潤人 vs セバスチャン・エルナンデス

前WBC・IBF統一世界バンタム級王者の中谷潤人が、スーパーバンタム級に階級を上げての初戦に臨む。この試合はWBA世界同級の暫定王座決定戦であり、同時に将来的な「井上尚弥への挑戦者」を占う重要な一戦と目されている。対するエルナンデスも20戦全勝（18KO）と高いKO率を誇る無敗の強打者であり、激戦は必至だ。

その他の注目カード

第3試合では、前WBA・WBC統一世界ライトフライ級王者の寺地拳四朗が、階級を一つ上げたスーパーフライ級でIBF王座に挑戦。勝てば自身3階級制覇の偉業達成となる。また、大橋ジム期待のホープ今永虎雅、兄・駿斗の無念を背負う堤麗斗もそれぞれ無敗の強豪との対戦を控えており、序盤から目の離せないカードが続く。

視聴方法と関連情報

この歴史的なイベントを日本国内で視聴する方法は、NTTドコモが提供する映像配信サービス「Lemino」によるペイ・パー・ビュー（PPV）形式の独占生配信のみとなる。地上波やBSでのテレビ放送予定はない。

PPVチケットの料金は事前購入と当日購入で異なり、見逃し配信も含まれる。こちらに関しての料金体系や登録方法、お得な視聴情報については別の記事で詳しく解説している。

また、多くのファンが気になるのは、各試合の具体的な開始時刻であろう。特にメインイベントである井上尚弥の試合が日本時間で何時に始まるのかは最大の関心事だ。こちらに関しても別の記事で、当日のタイムスケジュールを詳細に予測・解説していく。

気になる方はぜひチェックしてみて欲しい。

詳細はこちらから

【視聴方法についてはこちら】
【レミノ独占】井上尚弥vsピカソの配信はどこ？無料で見れるか&PPVなど視聴方法完全網羅ガイド

さいごに。井上尚弥vsピカソ視聴前に押さえておきたい5つのポイント

ポイント① 開催日は日本時間でも12月27日（土）

サウジアラビア開催だが、時差の関係で日本時間でも同じ12月27日（土）に視聴でき、翌日（12月28日）にずれ込むことはない。サウジアラビアと日本の時差は6時間だが、どちらも日中開催のため日付は変わらない。

ポイント② 配信開始は日本時間17:00、メインは20:30頃〜21:30予想

Leminoでの配信は日本時間17:00に開始。第一試合が18時と言われているため、井上尚弥vsピカソのメインイベントは日本時間20:30〜21:30頃にリングインと予想される。

ポイント③ 基本的にPPV有料だが、一部ユーザーは無料視聴可能

「ドコモ MAX」または「ドコモ ポイ活 MAX」契約者のみ、追加料金なしで視聴可能。それ以外の方はLemino PPVチケットの購入が必要である（事前購入4,950円、当日購入5,500円）。詳しい視聴方法は別の記事で解説していく。（順次公開予定）

ポイント④ 中止・順延の可能性は極めて低い

リヤドの室内会場（屋内）で開催されるため、天候による影響はない。開催は確定しており、中止や順延の心配はほぼないと考えて良いだろう。

ポイント⑤ セミファイナルも超豪華な顔ぶれ

井上尚弥vsピカソ戦だけでなく、中谷潤人vsエルナンデス、寺地拳四朗vsガルシアなど、日本人トップボクサーの世界戦が目白押しとなっているこのベント。メインイベント以外も見逃せない豪華カードが揃っている。

「ナイト・オブ・ザ・サムライ」は、サウジアラビアという新たな舞台で、日本のボクシング界がその実力を世界に示す絶好の機会。メインを飾る井上尚弥の歴史的記録達成への挑戦はもちろん、中谷潤人の新階級での戦い、寺地拳四朗の3階級制覇への道など、全ての試合に重要な意味が込められている。2025年の暮れ、中東の地で繰り広げられるであろう侍たちの激闘は、日本のボクシング史に新たな1ページを刻むことになるだろう。

[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]

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