M-1優勝!たくろう赤木のキャラ「ジョージ」のネタが話題 どんな人物なのか、経歴や芸歴に迫る
苦節9年、”無冠の帝王”から頂点へ – たくろうの軌跡
たくろうは、吉本興業に所属する赤木裕と きむらバンドによって2016年3月に結成された。NSC大阪校の先輩(きむら、36期)と後輩(赤木、37期)という関係だ。コンビ名は、きむらが好きな木村拓哉と、赤木が好きなイチローから取られている。
結成当初からその実力は高く評価されており、2018年には結成3年目にしてM-1グランプリで準決勝に初進出。しかし、その後は準々決勝や3回戦で敗退する年が続き、7年間、準決勝の舞台から遠ざかっていた。この7年というブランクを経ての準決勝返り咲きは、2015年以降のM-1では最長記録となる。その間、「ytv漫才新人賞」や「NHK上方漫才コンテスト」で準優勝するなど、数々の賞レースで決勝に進むも、あと一歩のところで優勝を逃し続けてきた。本人たちもインタビューで「ずっと『一個獲りたい』と思ってまだ獲れてない」「獲りきれないっていうのがある」と、その悔しさを語っていた。
赤木は決勝進出後のインタビューで「ここ3、4年は完全に心が折れた状態でなんとかやっている感じでした」と、苦しい胸の内を明かしている。相方のきむらも、同期や後輩が次々と結果を出す中で「みんなに置いていかれたくねぇな」という焦りがあったと語る。しかし、2025年は準々決勝で「芸人人生で一番ウケた」というほどの爆笑を巻き起こし、その勢いのまま頂点へと駆け上がった。
関係者・世間の反応
優勝直後、赤木は喜びのコメントを求められ、ネタさながらに「えーと、初めてのトイレのウォシュレットがちょうどくらいやった時」と答え、司会の今田耕司から「剥奪です!」と愛のあるツッコミを受ける場面があった。このやり取りは、彼らの「愛され力」を象徴するシーンとして、他の芸人や視聴者からも温かい笑いに包まれた。
お笑いジャーナリストの中西正男氏は、2023年、24年と連覇した令和ロマンが「完璧イメージ」の王者だったのに対し、たくろうは「周りによって味が増すタイプ」であり、「伸びしろが強く可視化された」と分析している。長年勝ちきれなかった彼らが、ついに最高の結果を出したことで、その「愛され力」が今後大きな武器になるとの見解を示した。
また、SNS上ではファンや視聴者から「本当におめでとう!」「苦労が報われて泣ける」「ジョージのネタで腹筋崩壊した」といった祝福と称賛の声が殺到。彼らの優勝を祝うポスターが即座に公開され、翌22日には大阪での凱旋が予定されるなど、祝福ムードは続いている。
「軟弱の星」から漫才界の星へ
「軟弱の星」というキャッチコピーで初の決勝に臨んだたくろう。その芸風は、赤木の挙動不審な言動にきむらが優しくツッコむスタイルが基本だ。赤木は自身の「失敗だらけの人生」が漫才に活きていると語り、「失敗という概念がそもそもあんまりないのがいい」と漫才への愛を語る。7年間の苦しい時期を乗り越え、ついに掴んだM-1王者の称号。彼らの漫才は、決して派手ではないかもしれない。しかし、その独特の空気感と、人間味あふれるキャラクターは、多くの人々の心を掴んだ。庶民派セレブ「ジョージ」と共に、たくろうはこれから漫才界の新たなスターとして輝きを放っていくだろう。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]













































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