エヴァ×小泉進次郎“AI生成アニメ”がXで話題に!「真ん中をセンターに入れて中央へはズルい」
笑いの裏に潜む著作権の影
一方で、この盛り上がりをめぐっては、法的な観点から懸念を示す声も上がっている。多くの人がネタとして楽しむ一方で、「AI生成物と著作権」「政治家の肖像権」という二つの論点が指摘されている。
AI生成物と著作権
まず挙げられるのが、著作権の問題だ。動画内では『エヴァンゲリオン』の映像や世界観を想起させる要素が使われており、こうした既存作品との「類似性」や「依拠性」が認められた場合、著作権侵害に該当する可能性があると専門家は指摘する。
実際、最近では動画生成AI「Sora 2」が既存のアニメ作品に酷似した映像を出力したとして、日本漫画家協会や大手出版社などが「著作権侵害を容認しない」との共同声明を発表している。
AIによる無断学習や、既存作品をベースにした生成物への懸念は、業界全体で高まっているといえる。
政治家のパロディと表現の範囲
もう一つの論点として、政治家を題材にしたパロディ表現の扱いがある。
今回の動画では、小泉進次郎氏本人の顔や音声が使用されているわけではなく、あくまで“独特の話し方(進次郎構文)”をモチーフとして再現している点が特徴だ。そのため、肖像権や音声の権利といった直接的な侵害には当たらないとみる意見もある。
ただし、政治家という「公人」をモデルにした表現である以上、風刺・批評の範囲をどう捉えるかについては議論が残る。海外ではAIによる政治的パロディ動画を巡って「表現の自由」と「名誉保護」の線引きが問われるケースもあり、日本でも今後、こうした問題が活発に議論されていくと見られている。
創作の未来はどこへ向かうのか
今回の「エヴァ×進次郎」動画は、AIがもたらした新しい創作の形を象徴すると同時に、著作権やパロディ表現、そして表現の自由といった複雑なテーマを浮き彫りにしたと言える。
“AIによる遊び心”として多くの人が楽しむ一方で、既存作品や実在の人物をモチーフにした表現をどこまで許容するかという議論も避けては通れない。
クリエイティブな発想を守りつつ、他者の権利や社会的な配慮とのバランスをどう取るか――。技術の進化が進む今、この問いはクリエイターだけでなく、私たち一人ひとりに投げかけられている。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]

































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