【現地レポ】45歳の伝説、国崇が魅せたTKO劇!NJKF岡山大会の熱気を体感

「もうダメかもしれない…」モウリングには返ってこないかもしれない…と多くのファンが思っていた1年間、奇跡は起きました。2025年10月19日、岡山県倉敷市で開催されたキックボクシングイベント「NJKF 2025 west 5th」。メインイベントで、45歳の“鉄人”国崇(くにたか)選手が1Rにダウンを奪われながらも、肘打ち一閃、見事な逆転TKO勝利を飾りました。1年ぶりの復帰戦を劇的な勝利で飾ったその瞬間、私はただただ鳥肌が止まりませんでした。この記事では、現地で目撃した興奮と感動を、余すところなくお伝えします。
大会概要:NJKF 2025 west 5thとは?
今回私が訪れたのは、ニュージャパンキックボクシング連盟(NJKF)が主催する「NJKF 2025 west 5th」。会場は、倉敷市真備町にあるマービーふれあいセンターでした。

この日の興行は、地元・岡山出身の選手たちが数多く出場し、会場は熱気に包まれていました。中でも注目は、2つのメインイベント。庄司理玖斗選手と真琴選手によるNJKFフェザー級王座決定戦、そして何と言っても、地元倉敷の英雄・国崇選手の復帰戦でした。
国崇選手、1年ぶりの復帰戦のすべて

手に汗握る試合展開
国崇選手の対戦相手は、元KTK60kg王者のジョン・ギハン選手(韓国)。ゴングが鳴り、緊張感が走る中、試合は衝撃的な幕開けを迎えます。1R、ギハン選手の強烈な左で国崇選手がまさかのダウン! 会場が一瞬静まり返り、悲鳴にも似た声が上がりました。

実は国崇選手、約1年前の試合では体調不良が響き、悔しい敗戦を喫しています。その悪夢が頭をよぎりましたが、ここからが伝説の真骨頂でした。驚異的な精神力で立ち上がると、2R、距離を詰めて得意の肘打ちをヒット! これでギハン選手は額をカットし、流血。ドクターチェックの末、試合続行不可能となり、国崇選手が逆転のTKO勝利を収めました。

勝利の瞬間、会場は割れんばかりの大歓声に包まれました。苦境を乗り越え、不屈の闘志で勝利をもぎ取った45歳の姿は、単なるスポーツの勝ち負けを超えた、人間の底力を感じさせてくれるものでした。
リングを降りた「鉄人」の素顔
私が特に心を打たれたのは、試合後の国崇選手の振る舞いです。激闘を演じたギハン選手のもとに駆け寄り、その傷を心から心配している様子でした。あれほどの激しい戦いの直後にも関わらず、相手を気遣う姿に、彼の謙虚で優しい人柄が表れていました。
また、リングサイドには倉敷市議会議長の荒木竜二氏の姿も。国崇選手は少林寺拳法の出身で、同じく少林寺拳法に縁の深い荒木議長を熱心に支持しているそうです。勝利後、満面の笑みで国崇選手を称える議長の姿は、地域全体で選手を支えている温かい空気を感じさせ、とても印象的でした。

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