大岩龍一、日本オープン初日62で単独首位、2日目は68で暫定2位 今年ドライバーイップス再発、スイング改造中の28歳

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
男子ゴルフの日本オープン選手権が10月15日に滋賀県甲賀市のタラオカントリークラブ西コースで開幕し、大岩龍一(28)が初日に62をマークして単独首位に立った。62は大会の18ホール最少ストローク記録に並ぶスコアだ。今年はドライバーのイップスが再発し、持ち球をドローからフェードへ変える最中で、本人は「結果にフォーカスするのはやめよう」と臨んでいた。2日目の10月16日は68で通算10アンダーとし、首位と1打差の暫定2位につけた。
1イーグル7バーディの62、大会最少記録に並ぶ
大会は日本ゴルフ協会(JGA)が主催する国内メジャーで、今年が第91回。会場のタラオカントリークラブ西コースは7411ヤード、パー70と大会史上最長の設定になった。賞金総額は2億1000万円、優勝賞金は4200万円。報道によると、優勝者には来年のマスターズと全英オープンの出場権が与えられる。
午後に1番からスタートした大岩は、2番でバーディを先に奪う。続く4番パー5では、1つ伸ばした状態からフェアウェイの4番ウッドで3メートルにつけてイーグルを決めた。5番、6番の連続バーディと9番のバーディを加え、前半だけで29。後半は13番と14番で連続バーディ、16番パー5で唯一のボギーをたたいたが、最終18番で3メートルのバーディパットを沈め、1イーグル、7バーディ、1ボギーの62でホールアウトした。
JGAによると、62は2002年大会第1ラウンドで佐藤信人(下関ゴルフ倶楽部)、2015年大会第2ラウンドで小平智(六甲国際ゴルフ倶楽部東コース)が出した記録と並ぶ大会18ホール最少ストロークタイ。報道では、詳細な記録が残っていない1927、31、36、53、81年の大会を除いた比較とされる。初日は2打差の2位に米澤蓮と近藤龍一、さらに1打差の4位に細野勇策と前田光史朗が続いた。
関連記事:近藤龍一、予選会から日本オープン初日2位 2日目は76、鳴海CCでアマに教える名古屋市在住40歳のゴルフ経歴
3年前のイップスが再発、ドローからフェードへ
記録に並ぶスコアを出しても、大岩の表情は晴れなかった。ホールアウト後は「あまり調子が良くなくて…今週のテーマは来年の日本オープンを頑張ろうだったんですよ。良いスコアで回れましたけど…あまり興味はないんです」と話し、別の取材では「良かったこともあったけど、できていないことがたくさんあって、たまたまいいスコアになっただけ」とも語った。
背景には、ショットの悩みがある。大岩は2023年、ショットのイップスや右ひざの故障に苦しみ、シード権を失った。そこから立て直し、2025年11月30日のカシオワールドオープン(高知県・Kochi黒潮カントリークラブ)では砂川公佑とのプレーオフを2ホール目のバーディで制し、プロ8年目でツアー初優勝をつかんだ。
だが、今年に入ってドライバーのイップスが再発する。JGAの競技報告では、オフシーズン中の2月に発症したと伝えている。15歳から師事する谷将貴コーチと相談し、右から左へ曲がるドローだった持ち球を、逆に曲がるフェードへ変える決断をした。報道によると取り組み始めて約3カ月で、本人は「ドローの打ち方は忘れました」と話すほどフェードに切り替えたものの、思いどおりの球はまだ打てていないという。
今季は不眠症にも悩まされていると明かした。谷コーチとの会話で「僕、ゴルフ向いてないっす」とこぼすと、コーチからは技術的には向いているが精神的には向いていない、という趣旨の言葉が返ってきたという。
日本オープンという大舞台を練習場に
それでも大岩は大会を欠場しなかった。初日のラウンド後、JGAの取材に「本当は試合を休みたいくらいです。コーチにも練習場で練習しているほうがいいのでは?と話したこともあるんですが、それは許してくれないんです」と本音を明かしている。
なぜ出続けるのか。
試合でしか分からないことがあるからだ。大岩は今の自分の取り組みを、日本オープンという大舞台を練習場にしている、と表現した。結果を追わず、いま取り組むスイングだけに目を向ける。この日の完成度は50%だったといい、それでも62が出た理由を「ゴルフでいいスコアを出す要素は押さえられていたんだと思います」と分析した。
2日目は68、細野勇策と1打差の暫定2位
10月16日の第2ラウンドで、大岩は10番からスタートした。前半の10番から18番は17番でバーディを奪ったものの18番でボギーとし、イーブンパーの35。後半は2番でボギーをたたいたあと、3番、5番、6番でバーディを重ねて33で回った。4バーディ、2ボギーの68で、通算10アンダーの130とした。
この日は日没のため午後5時14分にサスペンデッドとなり、3組9人がプレーを終えられなかった。順位はすべて暫定で、首位はポイントランキングでトップを走る23歳の細野勇策。7バーディ、1ボギーの64で通算11アンダーの129とし、詳細な記録が残る1985年以降で大会36ホール最少ストロークになった。細野は5月の日本プロゴルフ選手権でツアー初優勝しており、国内メジャー2勝目を狙う。
1打差の2位に大岩、通算9アンダーの3位にカズマ・コボリ(ニュージーランド)と宋永漢(韓国)が並ぶ。2024年大会覇者の今平周吾は8アンダーの5位。初日2位の米澤蓮は70で6アンダーとなり、近藤龍一は76で通算イーブンパーまで後退した。18ホール最少記録を持つ小平智は、第2ラウンドの15ホール目を終えたところで体調不良のため棄権している。
前日より6打多い68でも、大岩の表情は初日より明るかった。取材エリアに入るなり「予選落ちありますかね?」と冗談を飛ばし、「今日もイマイチのショットばかりでしたね。内容的にはまあまあと思えるショットが打てる時もあれば、”あれ?”っていうショットもいっぱい出ているので、今日も良い練習が出来たと思っています。でも結果にフォーカスしないというのはいいのかもしれませんね」と話した。
「積み木を一つ一つ」で迎える週末
谷コーチからは「今は積み木を一つ一つ積み重ねる時期で、結果という積み木を積む必要はない」と言われているという。調子のいいときはほとんど練習しないタイプだった大岩が、いまは「練習場に行くのが楽しいです」と口にする。初日の16番、残り50ヤードほどの3打目に納得がいかず、その夜は真っ暗になるまで原因を探った。
第2ラウンドは10月17日の午前7時に再開し、第3ラウンドは午前9時ごろから1組3人で1番と10番の2ホールからスタートする予定だ。予選カットは第2ラウンド終了時点の上位60位タイまで。スイング改造の途中にいる28歳は、首位と1打差で決勝ラウンドへ向かう。
[文/構成 by スポーツライター 疾風(HAYATE)]













































































コメントはこちら