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ファリド・バシャラート、契約満了でUFCからリリース MMA16勝0敗、兄ジャビッドも2月にUFCを離れる

ファリド・バシャラート、契約満了でUFCからリリース MMA16勝0敗、兄ジャビッドも2月にUFCを離れる

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

UFCバンタム級のファリド・バシャラート(29)が、契約満了に伴いUFCのロースター(所属選手名簿)から外れた。米国時間10月14日に報じられ、本人もインスタグラムで離脱を認めた。プロMMA16戦全勝、UFCでも7戦全勝のままの退団となる。兄のジャビッド・バシャラートも2026年2月、勝利直後に同じく契約を更新されずUFCを離れている。

無敗のまま契約満了、新契約の提示はなし

UFCがバシャラートをロースターから外したことは、米国時間10月14日に報じられた。7月のUFC 329での試合が現行契約の最終戦で、その後にUFC側から新しい契約は示されなかった。報道では「現時点でUFCは新契約を提示していないが、今後状況が変わる可能性はある」とも伝えられている。

本人はその後、インスタグラムに声明を投稿した。「知らせのとおりで、私はもうUFCの一員ではない」と事実を認め、「汚れのない戦績のまま去る」と書いた。続けて「はっきりさせておきたい。前回の試合以降、契約も対戦相手も一度も提示されなかった」と説明している。

UFC在籍中に試合を断ったことは一度もないとも強調した。離脱は自分の戦う力とは関係がないとし、UFCについて「昔のような団体ではなくなった」と言葉を残す。UFCのスタッフとファンへの感謝も記し、まだ若く、最高の時期はこれからだとつづった。

UFC日本語版公式サイトの選手ページでは、10月16日時点でステータスが「契約外」と表示されている。ランキングはバンタム級13位のまま。ランキング入りした無敗の選手が、契約の切れ目でそのまま名簿から外れた。

16勝0敗、UFCでは7連勝

バシャラートは1997年8月2日、アフガニスタン東部のパクティア州で生まれた。幼いころに家族で英国へ渡り、ロンドンを拠点に戦ってきた。ニックネームは「フェロシャス」。

UFCへの道を開いたのは、2022年9月13日のダナ・ホワイト・コンテンダーシリーズ(シーズン6)だった。アラン・ベゴッソに30-27、30-26、30-26の判定で勝ち、その場でUFCとの契約を勝ち取る。当時の戦績は9勝0敗。

UFCでの7試合は次のとおりだ。

日付(現地)大会対戦相手結果
2023年3月4日UFC 285ダモン・ブラックシアーバシャラートの判定勝ち(3-0)
2023年9月2日UFCファイトナイト(パリ)クレイドソン・ロドリゲスバシャラートの一本勝ち(1R、肩固め)
2024年1月13日UFCファイトナイトテイラー・ラピラスバシャラートの判定勝ち(3-0)
2024年10月26日UFC 308ヴィクター・ヒューゴバシャラートの判定勝ち(3-0、フェザー級契約)
2025年10月4日UFC 320クリス・グティエレスバシャラートの判定勝ち(3-0)
2026年2月7日UFCファイトナイト(UFC Vegas 113)ジャン・マツモトバシャラートの判定勝ち(2-1)
2026年7月11日UFC 329ジョン・ガルザバシャラートの判定勝ち(3-0)

唯一の一本勝ちは2023年9月、フランス・パリ大会でのクレイドソン・ロドリゲス戦だった。1回4分15秒、肩固め(アーム・トライアングル・チョーク)で仕留めている。2024年6月にはモンテル・ジャクソンとの対戦が組まれたが、バシャラートのけがで流れた。UFC 308のヴィクター・ヒューゴ戦は、相手の体重超過でフェザー級の契約体重に変わって行われた一戦だ。

7勝のうち一本勝ちは1つで、残る6つは判定だった。プロ通算16勝の内訳はKO・TKOが1、一本が6、判定が9。ノーコンテストはなく、引き分けも負けもない。UFC 7連勝はバンタム級で現役最長の連勝記録と報じられ、本人は声明で、UFC全体の現役選手の中でも4番目に長い連勝だと書いている。

最後の試合となったUFC 329は7月11日、米ラスベガスで行われた。バシャラートの試合は、本戦前のプレリミナリーの序盤に組まれた。当初の相手イーサン・ユーイングが欠場し、UFC初参戦のジョン・ガルザが代役で入った一戦だ。バシャラートは序盤からテイクダウンを重ね、30-27、30-27、29-28の判定で勝った。

試合前から語っていた「契約最終戦」

契約の行方は、試合前から話題になっていた。バシャラートはUFC 329の前、この試合が契約最後の一戦だと明かしている。「自分で決められるなら、すぐに再契約する。誰もがいたい場所はUFCだから」。UFC側からは「まずこの試合を終わらせ、それから話し合おう」と言われていたという。

勝って条件はそろったはずだった。だが、7月中旬のインタビューでは「向こうからまだオファーが来ていない」と話し、8月には代理人のアリ・アブデルアジズが、再契約しないなら「どうかしている」とUFCに再契約を求めた。それから約2か月。届いたのは新契約ではなく、名簿からの除外の知らせだった。

UFCは選手を外した理由を公表していない。海外の報道では、7勝のうち6勝が判定だった点が判断に響いたのではないかとの見方も出ている。一方で、バシャラートは声明で「契約も相手も提示されなかった」と書いており、交渉の中身は明らかになっていない。

兄ジャビッドも2月に同じ形で退団

先にUFCを去ったのは兄のほうだった。2歳上の兄ジャビッド・バシャラートは、2026年2月にひと足早くUFCを離れている。

舞台は2月7日(現地時間)のUFC Vegas 113。この大会には兄弟がそろって出場し、そろって勝った。ジャビッドは当初サイード・ヌルマゴメドフと戦う予定だったが、相手の欠場で、数日前に決まった代役のジアニ・バスケスと戦った。ジャッジ3者とも29-28の判定で勝利。弟のファリドは同じ大会でジャン・マツモトと対戦し、29-28、28-29、29-28の判定2-1で競り勝った。マツモトはそれまでUFCで3勝1敗、敗れた相手はロブ・フォントだけという実力者だった。

ところが数日後、ジャビッドがUFCのロースターから外れたことが米国時間2月10日に報じられた。この試合が契約最終戦で、UFCは契約を延長しなかった。ジャビッドのUFCでの戦績は4勝2敗1ノーコンテスト。本人はフェイスブックで「UFCでの章は幕を閉じた。胸を張り、自分の基準を保ったまま去る」とつづった。

弟と同じく、勝った直後の契約満了での退団。兄弟は8か月の間に、どちらも白星を最後にUFCを去った。

次の舞台はどこか

ジャビッドはその後、6月にPFLとの契約が報じられ、8月22日(現地時間)にフロリダ州タンパで行われたPFLの大会で移籍初戦に臨んだ。モブサル・イブラギモフに1回にダウンを奪われながら、2回以降で巻き返して判定勝ち。新天地で白星スタートを切っている。

ファリドは現在、どの団体とも自由に契約できる立場にある。兄が戦うPFLを移籍先の候補に挙げる報道もあるが、10月16日時点で新たな所属先や次の試合は発表されていない。UFCが将来、再び契約する可能性も残る。

16戦無敗の29歳がどこを選ぶのか。本人は声明で、自分こそ世界最高のバンタム級だと書いた。その言葉を証明する場所探しが始まる。

[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]

寄稿者

久遠(KUON)
WEBライター(主にスポーツ記事)経験7年。スポーツ、格闘技が好きで、ボクシング世界チャンピオンが主宰するジムに4年間在籍。自分でも練習を重ね、”3分”の過酷さと濃さを体で知る。観戦もライフワークで、会場には年4回ほど足を運ぶ。選手目線の実感とファン目線の熱量、その両方を武器に、試合の見どころやリングのリアルをライター経験を活かしてわかりやすく伝えます。

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