「ドラゴンボール超 ビルス」界王様とサタンの声が戻ったのはなぜ? 八奈見乗児さん・石塚運昇さんの声が流れた仕組みを整理

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10月11日に始まったテレビアニメ「ドラゴンボール超 ビルス」の第1話で、界王の声に八奈見乗児さん、ミスター・サタンの声に石塚運昇さんがクレジットされた。八奈見さんは2021年、石塚さんは2018年に亡くなっている。
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第1話のエンディングに八奈見乗児さんと石塚運昇さんの名前
界王とサタンの声が戻ったのは、声優が復帰したからでも、新たに声を録り直したからでもない。この作品は2015年から放送された「ドラゴンボール超」を土台にした”エンハンスド版”で、声は当時の収録音声を使っているためだ。
「ドラゴンボール超 ビルス」は10月11日午後11時15分、フジテレビ系全国ネットで放送が始まった。第1話のタイトルは「破壊の神様」。物語は魔人ブウとの戦いから数年後の地球が舞台で、長い眠りから目覚めた破壊神ビルスが、フリーザを倒したサイヤ人のうわさを聞きつけて孫悟空の前に現れる。
放送直後、エンディングのクレジットに2人の名前があることが分かった。ミスター・サタン役は石塚運昇さん、界王役は八奈見乗児さん。ORICON NEWSは同日夜、故人となった声優の出演にファンが涙していると報じている。
マイナビニュースによると、SNSでは作画や追加シーンへの評価とあわせて、長くシリーズを支えた声優陣の声が再び聞けたことを喜ぶ投稿が見られた。ブルマ役の鶴ひろみさん、魔人ブウ役の塩屋浩三さんの起用は、同記事の時点では明らかになっていない。
界王とサタンの声が戻った仕組み 録り直さない「エンハンスド版」
なぜ亡くなった声優の声が、新しいシリーズで流れるのか。
答えは作品の作り方にある。「ドラゴンボール超 ビルス」の始動が発表されたのは2026年1月25日、幕張メッセで開かれた「ドラゴンボール ゲンキダマツリ」のステージだった。発表によると、元になる「ドラゴンボール超」に手を加える”エンハンスド版”として、数年前から制作が進んでいたという。
公式が挙げた強化の中身は次のとおりだ。
・新規カットの追加
・既存カットの描き直し
・全カットの再撮影
・劇伴(BGM)と効果音を加えた新規ダビング
・物語の再構築
ここでいう”ダビング”は、映像に声・音楽・効果音を重ねて仕上げる作業を指す。並んだ項目は映像と音楽・効果音に関するものばかりで、声の新規収録には触れていなかった。
元の「ドラゴンボール超」は2015年7月5日から2018年3月25日まで、フジテレビ系で全131話が放送された。今回の第1話は、その序盤にあたる「破壊神ビルス編」を作り直したものになる。当時の放送で界王を演じていたのは八奈見さん、サタンを演じていたのは石塚さんで、その収録音声が使われたため、2015年の収録から10年あまりを経て、2人の声が再びテレビから流れた。
山寺宏一さんも「さらにびっくり」
声を新しく収録していないことは、出演者の言葉からも分かる。破壊神ビルス役の山寺宏一さんは、放送開始後に公開された孫悟空役・野沢雅子さんとのオフィシャルインタビューで、シリーズの始動を聞いたときの心境をこう明かした。
「しかもアフレコをしないと聞いて、さらにびっくりしました。我々がかつて録ったもので、また新しいものを作ってくれるんですから、ラッキーみたいな。」
アフレコは、映像に合わせて声優が声を吹き込む収録作業のことだ。山寺さんの言葉どおり、本作は声優陣がかつて録った音声を土台に、映像と音を作り直している。山寺さんは「ドラゴンボールZ 神と神」からビルスを演じ、「ドラゴンボール超」でも同じ役を続けてきた。
新しく加えたカットや描き直した場面にどの音声を当てているのか、細かな手法は公式から説明されていない。音声合成などの技術を使ったという発表もなく、現時点で確認できるのは”既存の収録音声を使っている”という点までだ。
八奈見乗児さんと石塚運昇さん、2人が残した声
界王とナレーションを長く担った八奈見乗児さん
八奈見乗児さんは「ドラゴンボール」シリーズで、界王とナレーションを長く担当した。「巨人の星」の伴宙太、「タイムボカン」シリーズのボヤッキーなど、昭和から続く名作アニメにも数多く出演している。
「ドラゴンボール超」の放送中だった2015年、作品の公式サイトで療養が発表された。その後、2021年12月3日に90歳で亡くなり、所属していた青二プロダクションが公式サイトで公表している。
療養の発表から11年。第1話で流れた界王の声は、八奈見さんが「ドラゴンボール超」に残した収録だった。
サタンの声は郷里大輔さんから石塚運昇さんへ
ミスター・サタンの声と聞いて、郷里大輔さんを思い浮かべる人も多いだろう。長くサタンを演じた郷里さんは、2010年1月に57歳で亡くなった。その役を「ドラゴンボール改」で引き継いだのが石塚運昇さんだ。
石塚さんは「ドラゴンボール超」でもサタンを担当した。アニメ「ポケットモンスター」のオーキド博士や洋画の吹き替えでも長く活躍し、2018年8月13日に食道がんのため67歳で亡くなっている(所属事務所の発表では享年68)。訃報は所属の青二プロダクションが公式サイトで伝えた。
今回流れたサタンの声は、石塚さんのもの。郷里さんから受け継いだ役の声が、2015年の収録を通じて新シリーズにも残った。
毎週日曜23時15分 ほかのキャラクターの声はどうなる
「ドラゴンボール超 ビルス」は毎週日曜午後11時15分からフジテレビ系全国ネットで放送し、Prime Videoと
U-NEXTで最速配信する。原作・ストーリー・キャラクターデザインは鳥山明さん。演出構成を瀬谷沫人さん、アニメーションキャラクターデザインと総作画監督を山室直儀さん、音楽を住友紀人さんが手がける。
\ 放送終了30分後から最速配信 /
ファンが次に気にしているのは、ほかのキャラクターの声だ。マイナビニュースは、ブルマの声についての疑問もSNSに上がっていると伝えた。主要キャストの新たなアフレコをしない作り方は、ほかの役にも共通する。どの役で誰の声が流れるかは、放送ごとのエンディングクレジットで確かめられる。
懐かしさと寂しさが同時にこみ上げる放送になった。2015年に録られた声が、映像を新しくして令和の視聴者に届く。
[文/構成 by さとう つづり]














































































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