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近藤美月と兄・近藤隼斗が同日に金メダル、アジア大会柔道初日 美月は女子48キロ級で一本勝ち、隼斗は男子60キロ級で柔道日本男子の金第1号

近藤美月と兄・近藤隼斗が同日に金メダル、アジア大会柔道初日 美月は女子48キロ級で一本勝ち、隼斗は男子60キロ級で柔道日本男子の金第1号

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

愛知・名古屋アジア大会の柔道競技が30日に始まり、女子48キロ級の近藤美月と男子60キロ級の兄・近藤隼斗がそろって金メダルを手にした。先に妹が決勝で一本勝ちし、約30分後に兄がパリ五輪金メダリストを有効2つで破る。きょうだいの同日金は、2021年東京五輪の阿部一二三・詩以来と報じられた。

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妹が一本勝ち、30分後に兄が続いた柔道初日

会場は愛知・IGアリーナ(愛知国際アリーナ)。柔道競技の初日となった30日、最軽量級の決勝で近藤きょうだいが相次いで表彰台の真ん中に立った。

先に畳に上がったのは妹だった。近藤美月(21)=東海大=は決勝でアビバ・アブジャキノワ(カザフスタン)と対戦し、大外刈りで相手を崩すとそのまま抑え込んで一本勝ち。今大会の柔道日本勢で最初の金メダルとなった。

それから約30分後、兄の近藤隼斗(25)=パーク24=が男子60キロ級の決勝に臨む。相手は2024年パリ五輪金メダリストのエルドス・スメトフ(カザフスタン)。有効を2つ奪い、終盤には相手の内股をしのいで優勢勝ちを収めた。日本男子柔道のメダル第1号を、金メダルで決めた。

同じ日には女子52キロ級の藤城心(25)=三井住友海上火災保険=も銅メダルを獲得。柔道初日の日本勢は、金2個と銅1個でスタートを切る。

なお、日本選手団全体の金メダル第1号は大会序盤にすでに生まれている。近藤きょうだいの金は、あくまで柔道競技での日本勢一番乗りと、柔道日本男子の初メダルという位置づけだ。

準々決勝からの勝ち上がり、兄は杭州の雪辱

美月の初戦は準々決勝だった。ウズベキスタン選手との一戦は組み手争いで苦しみ、延長のゴールデンスコアまでもつれたが、小外刈りでポイントを奪って突破する。準決勝はモンゴル選手に有効で勝ち、決勝へ進んだ。

女子48キロ級では、2023年杭州大会を角田夏実が制している。美月の優勝で、日本勢は同階級を2大会続けて制した。角田はその後パリ五輪でも金メダルを獲得しており、美月は後継者として期待される存在だ。

兄の道のりには、3年前の悔しさがあった。TBS NEWS DIGによると、隼斗は杭州大会の準々決勝で指導3つによる反則負けを喫し、敗者復活戦でも勝てなかった。

2度目のアジア大会では、初戦を大外刈りの有効から抑え込んで一本勝ち。準々決勝は返し技で技ありを2つ奪い、準決勝は残り1分まで互いにポイントがないなか、裏投げで技ありを取って勝ち切った。

男子60キロ級での日本勢の優勝は、2006年ドーハ大会の江種辰明以来20年ぶり。長く遠ざかっていたアジアの頂点を、兄が取り戻した。

2人は佐賀県武雄市の出身で、美月は隼斗の3学年下にあたる。隼斗は佐賀工高から国士舘大を経てパーク24へ進み、美月は佐賀商高から東海大へ進学した。美月は今年4月の選抜体重別選手権でも、決勝で同階級の第一人者・古賀若菜を破って頂点に立った。

「自信が本当についた」兄妹が語った言葉

スポーツ報知によると、美月は優勝後「ホッとしました。大きい試合で勝ちきることは自分の人生にとっても大きなこと。必ず勝ってやるという気持ちで挑みました」と語った。決勝については「チャンスがあればどんどん仕掛けにいく感じでした」と明かしている。

兄については「同じような舞台で戦う1人として本当にわかり合える存在」と表現した。

一方の隼斗は、同紙によると「ホッとした気持ちが一番。自信が本当についた」と語った。自分の決勝の前に、妹の優勝を映像で見ていたという。

「美月は強いので勝つだろうと思っていた。(優勝を映像で見て)スイッチが入って、やる気が湧いた。行くぞ!って」

妹の金が、兄の背中を押した。阿部きょうだいとの比較には「まだ全然ほど遠い。きょうだいが成長しないと」と控えめだった。

52キロ級の藤城心は銅、日本のメダルは200個に

同じ初日、女子52キロ級の藤城は準決勝で韓国選手とゴールデンスコアにもつれ込み、3つ目の指導を受けて反則負けとなった。それでも3位決定戦でカザフスタン選手から得意の袖釣込腰でポイントを奪い、銅メダルを確保する。この階級での日本勢のメダルは、2018年大会で金メダルを獲得した角田夏実以来、2大会ぶりだった。

SNSでは「アイドルに憧れる柔道家」としても知られる。試合後の藤城は、負けても応援してくれる人がいたことを支えに気持ちを切り替えられたと語り、国内の代表争いで勝ち切りたいと前を向いた。

大会全体に目を向けると、日本は30日だけで金5個、銀6個、銅6個を加え、メダル総数が200個に達した。前回の杭州大会の188個を、会期を4日残して上回った計算だ。レスリングでは吉田泰造と石井亜海が優勝し、スポーツクライミング男子ボルダーでは19歳の安楽宙斗が頂点に立つなど、柔道以外でも日本勢の表彰台が続いた。

狙うは2028年ロサンゼルス五輪

各階級で日本のトップ層は10月の世界選手権を控えており、今大会に出た選手にとっては、2028年ロサンゼルス五輪へ向けたアピールの舞台でもあった。

隼斗は「ここで少しでもアピールしたかったので、ここからが大事。いいスタートラインに立ったと捉えようと思います」と先を見る。

美月も同じ方向を向く。「(兄と)一緒に頑張って、絶対に五輪に出たい。今回も課題がたくさん見つかった。隙のない柔道をして、近藤ならロスで金メダルを取れると思わせられる強さと力をつけたい」。

地元開催のアジア大会で、そろって手にした金メダル。きょうだいの目標は、2年後のロサンゼルスで同じ景色を見ることにある。

[文/構成 by スポーツライター 疾風(HAYATE)]

寄稿者

疾風(HAYATE)
スポーツニュースサイトでの執筆を経て、ゴルフ、競馬、大相撲、フィギュアスケート、陸上など、競技の枠を越えてスポーツ記事を書いてきたWEBライター。経験は6年。大会結果や記録、番付、レース展開など、数字と公式記録を土台に「何がすごかったのか」を整理する記事を得意としている。ルールや採点方式が分かりにくい競技でも、初めて観る人がその一戦を楽しめるよう、背景や見どころまでかみくだいて伝えることを心がけている。主な執筆分野は、ゴルフ、競馬、大相撲、フィギュアスケート、陸上、バスケットボール。

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