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製菓工場兼住宅で火事、歌舞伎俳優4代目の片岡亀蔵さんが死去の疑い

四代目 片岡亀蔵(かたおか かめぞう)

  • 本名: 片岡 二郎(かたおか じろう)
  • 生年月日: 1961年9月15日(享年64)
  • 出身地: 東京都
  • 屋号: 松島屋
  • 定紋: 銀杏丸
  • 初舞台: 1965年12月 歌舞伎座『忠臣蔵』
  • 襲名: 1969年11月 四代目片岡亀蔵を襲名

亀蔵さんは、ギョロッとした目と一文字の口が特徴的な「役者顔」と、劇場によく響く声量に定評があった。古典歌舞伎では時代物の敵役や世話物での江戸っ子役を得意とし、その存在感で舞台を引き締めた(歌舞伎俳優名鑑)。一方で、野田秀樹作品などの新作歌舞伎や現代演劇にも積極的に出演。『野田版 研辰の討たれ』のからくり人形役など、コミカルな役から怪演までこなす芸域の広さで知られ、「どんな舞台にでもひとりいてくれれば助かる」と演出家や共演者から絶大な信頼を寄せられる名脇役であった。

その功績は数々の受賞歴にも表れている。国立劇場奨励賞や歌舞伎座賞、眞山青果賞助演賞などを獲得し、2001年には重要無形文化財保持者(総合認定)に認定され、伝統歌舞伎保存会会員として、歌舞伎の継承にも尽力していた(歌舞伎俳優名鑑)。突然の訃報の可能性に、歌舞伎ファンや演劇界からは悲しみと衝撃の声が広がっている。

工場兼住宅の火災リスク、過去の教訓

火災現場となった「製菓工場兼住宅」は、事業と生活の場が一体となった建物である。こうした形態の建物は、一般的に特有の火災リスクを抱えているとされる。工場部分には生産用の機械や電気設備が多数設置され、火元となる可能性が高い。また、菓子や包装材などの可燃物が大量に保管されている場合、一度火災が発生すると燃え広がりやすい傾向がある。

2022年に新潟県村上市で発生した製菓工場火災は、その危険性を象徴する事例だ。この火災では従業員6人が死亡。消防庁の調査報告書によると、出火原因は乾燥機内に堆積した油分を含む煎餅のかけらが、機械の熱と酸化熱によって自然発火したことだった。さらに、天井に吹き付けられた断熱材(発泡ポリウレタン)が延焼を急激に拡大させ、夜間の停電と有毒ガスを含む黒煙が従業員の避難を困難にしたと分析されている。

「乾燥機内に堆積した油分を含んだ煎餅 のかけら が乾燥機から熱を受け、さらに、油分の酸化反応による酸化熱も加わったことで、煎餅のかけらの温度が発火点を超え、出火原因となったと判定する。」

今回の足立区の火災も、深夜から未明にかけての発生であり、就寝中に火災に気づき、迅速に避難することが難しい状況だった可能性が考えられる。警視庁は、出火元とみられる3階の状況を詳しく調べ、火災原因の特定を進める方針である。

身元の最終確認と出火原因の特定が焦点に

突然の火災は、歌舞伎界の貴重な名優を奪った可能性がある。警視庁は、亡くなった男性が四代目・片岡亀蔵さん本人であるかどうかの最終的な身元確認を急いでいる。また、もう一人の負傷者である知人男性から当時の状況について話を聞くとともに、現場の鑑識作業を本格化させ、出火原因の特定を全速力で進めている。

現時点では出火原因に関する公式な発表はなく、様々な可能性が考えられる。警察および消防の調査結果が待たれる。SNSなどでは憶測に基づいた情報も散見されるが、公式発表を冷静に待つ必要があるだろう。

[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]

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