【サイバーエージェント新社長】山内隆裕、立教大学卒の経歴 新卒入社19年で頂点へ
「嬉しさより責任の重さ」― 3年半に及ぶ後継者育成と関係者の声
藤田氏が描いた周到な引き継ぎ計画
今回の社長交代は、決して唐突なものではない。藤田氏は2022年春に「4年後に社長を交代する」と宣言し、16名の後継者候補を選抜。約3年半にわたり、社長業の言語化や意思決定の追体験など、周到な引き継ぎ準備を進めてきた。
藤田氏は自身のブログで「創業者が大きくした会社の社長交代だけは、通常の大企業の社長交代とは全く違う、特別なものです」「私が抜けた後もぐんぐん伸びる会社であれば良いのです」と、この交代劇にかける並々ならぬ覚悟を綴っている。その上で、山内氏の実績やリーダーシップ、変化への適応力を評価したと人選理由を明かした。
山内氏が語る「次世代の結束力」
一方、大役を託された山内氏は、指名を受けた際の心境を「正直なところ嬉しさというよりは、責任の重さを強く感じました」と語る。社長研修を通じてその大変さを痛感していたからこそ、自問自答する時間が増えたという。
また、3年半の研修期間がもたらした最大の成果として「第2世代の結束力」を挙げる。「『社長レース』と報道されることもありましたが、実際はその反対で、誰が社長になったとしても皆で支えようと話していました」と明かし、次世代経営チームとしての基盤ができたと強調した。
4年間の「伴走」を経て新時代へ 藤田イズムの継承と山内氏独自色の発揮は
今後の体制は、藤田氏と山内氏の代表取締役二名体制でスタートする。あえて明確な役割分担はせず、藤田氏が山内氏に社長業をゼロから引き継ぐ「伴走期間」を設けるという異例の形をとる。計画では、2年後の2027年に山内新社長が独自の中長期ビジョンを発表し、4年後の2029年に社長業の約8割の引き継ぎを完了させる予定だ。
「変化を恐れず挑戦を続ける」「先送りを撲滅する」といった藤田氏が築き上げた企業文化を継承しつつ、山内氏が自身の強みである「市場を読む先見性」と「困難に直面しても諦めないしぶとさ」をどう発揮していくのか。新卒入社の叩き上げ社長が、日本を代表するIT企業の新たな歴史をどう刻んでいくのか。その手腕に、多くの視線が注がれている。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]



































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