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坂本花織、今季世界最高得点でNHK杯優勝 「あらまぁ」引退を控えた女王の経歴と最後の挑戦

坂本花織、今季世界最高得点でNHK杯優勝 「あらまぁ」引退を控えた女王の経歴と最後の挑戦

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フィギュアスケートの坂本花織選手(25)が、現役最後となるNHK杯で圧巻の演技を見せ、今季世界最高得点で優勝した。GPシリーズ初戦の2位から見事に復調し、浅田真央さんに並ぶ大会4度目の制覇を達成。12月のGPファイナル進出を決め、集大成と位置づけるミラノ・コルティナ五輪へ向け、大きく前進した。

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女王の帰還、圧巻の演技でNHK杯4度目の制覇

2025年11月8日、大阪府門真市の東和薬品ラクタブドーム。フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第4戦、NHK杯の最終日、女子シングルの頂点に立ったのは日本のエース、坂本花織(シスメックス)だった。今季限りでの引退を表明している彼女にとって、これが最後のNHK杯。地元関西の大声援を背に、ショートプログラム(SP)、フリーともに1位の完全優勝を成し遂げた。

フリーで叩き出した150.13点、合計227.18点はいずれも今季世界最高得点。2位に約27点もの大差をつける圧勝劇だった。この結果、12月に名古屋で開催されるGPファイナルへの進出が決定。3大会連続の五輪出場、そしてまだ手にしていない金メダル獲得という最終目標に向け、確かな一歩を刻んだ。

試練を越えて。「若手に負けるってやつか」から掴んだ勝利

今シーズンの坂本は、順風満帆な滑り出しではなかった。GPシリーズ初戦のフランス大会では、GPデビュー戦となった17歳の中井亜美(TOKIOインカラミ)に敗れ、2位に終わる。試合後、坂本は「”これが若手に負けるっていうやつか”と思った。初めての感覚」と率直な心境を吐露した。若手の「失敗を恐れない、爆発力がすごい」と感じ、改めて気合を入れ直したという。

その悔しさが、女王の心に火をつけた。NHK杯では、SPから他を寄せ付けない演技を披露。首位で迎えたフリーでは、最終滑走のプレッシャーをものともせず、ほぼ完璧な内容で滑りきった。フランス大会での自分を超えること、そして若手の挑戦を真正面から受け止め、圧倒的な実力で応えること。この勝利は、単なる1勝以上の意味を持つ、まさに女王の意地を示すものだった。

技術と表現の極致『愛の讃歌』

今季のフリープログラムは、シャンソンの名曲『愛の讃歌』。坂本自身のスケート人生の「総括」と位置づけるプログラムだ。冒頭のダブルアクセルから始まり、3回転フリップ、3回転ルッツからの連続ジャンプと、次々に要素を成功させていく。演技後半に入ってもスピードは衰えず、3つのコンビネーションジャンプをすべて着氷。フィニッシュでは両拳を力強く振り下ろし、感情を爆発させた。

大技なくとも圧倒する「質のスケート」

坂本のスケートに、4回転ジャンプやトリプルアクセルといった超高難度ジャンプはない。しかし、彼女の強みはそこではない。一つひとつのジャンプの質の高さ、流れの美しさにある。今回のフリーでも、7つのジャンプすべてで出来栄え点(GOE)が加算され、スピンとステップはすべて最高評価の「レベル4」を獲得した。

特に、着氷後の滑らかな流れは世界でも屈指。ジャンプを跳ぶことが目的ではなく、音楽表現の一部として完全に溶け込んでいる。この「質のスケート」こそが、大技を持つライバルたちと渡り合う坂本の最大の武器である。

ラストシーズンに選んだ特別な曲

『愛の讃歌』は、坂本が長年憧れてきた元日本代表の鈴木明子さんが、最後のシーズンに使用した曲でもある。「絶対、自分が引退するシーズンには使いたかった」と語るように、この曲には特別な思いが込められている。インタビューで明かされたこのエピソードは、彼女が自身のキャリアの集大成をどのように考えているかを示唆している。スケートへの愛、支えてくれた人々への感謝、そして自らの競技人生のすべてを、この4分間のプログラムに注ぎ込んでいるのだ。

次項:「あらまぁ」の裏にある素顔

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