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宇多田ヒカル、「クマ報道」構成に苦言「そんな手があるんかい」「本人の私でも騙されそうになった」

深刻化するクマ被害と「便乗報道」の危うさ ネットでは共感と批判の声

今回の騒動の背景には、近年まれに見るクマ被害の深刻化がある。環境省の発表によれば、2025年度のクマによる人身被害者数は過去最悪のペースで増加しており、社会的な関心事は極めて高い。専門家は、餌となるブナ科堅果類(ドングリ)の凶作などが要因で、クマが人里に出没しやすくなっていると指摘している。

こうした社会問題に著名人を絡めて注目を集める「便乗報道」は、アクセス数を稼ぐ常套手段の一つとされる。しかし、今回のように事実関係を誤認させる構成は、無関係な人物を不当な批判の矢面に立たせる危険性をはらむ。宇多田の投稿後、SNS上では「これがメディアの印象操作」「悪質すぎる」といった週刊誌への批判や、「宇多田さんが声を上げてくれてよかった」「心情お察しします」など、宇多田への共感の声が相次いだ。

問われるメディア倫理と「読む力」 情報の受け手がすべきこととは

宇多田ヒカルが「本人でも騙されそうになった」と語った一件は、現代のウェブメディアが用いる「印象操作」の危うさを浮き彫りにした。写真とテキストの配置、見出しの扇情性、匿名コメントと事実の混同など、明確な虚偽を書かずとも、構成次第で読者の認識を歪めることが可能である。

報道の自由は尊重されるべきだが、その根底には事実を正確に伝え、誤解を招かないよう努めるという発信者側の倫理が不可欠だ。同時に、今回の出来事は、私たち情報の受け手に対しても、見出しだけで判断せず、誰の発言なのか、情報源は信頼できるのかを冷静に見極める「メディアリテラシー(情報を読み解く力)」の重要性を改めて突きつけている。社会問題に関する情報に接する際は、より一層、慎重な姿勢が求められるだろう。

[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]

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