国民民主党が”ポイ活政党”に?「こくみんクラブ」で支持拡大を狙う玉木代表の秘策と課題とは
新たな支持獲得か、ポピュリズムか ─ 賛否両論の声
このユニークな試みに対し、世間の評価は賛否両論に分かれている。
【賛】政治参加のハードルを下げる革新的な試み
肯定的な意見としては、政治参加へのハードルを劇的に下げる可能性を指摘する声がある。
「政治に関心はあるが、何をすればいいか分からない」という人々にとって、具体的なアクション(ミッション)が示されることは、最初の一歩を踏み出すきっかけになるからだ。特に、ゲームに慣れ親しんだ若い世代を政治に引き込む効果が期待される。
実際に、同様のゲーミフィケーション手法は、安野たかひろ氏が立ち上げた『チームみらい』の「アクションボード」でも採用され、多くの参加者を集めた実績がある。支持者の活動を可視化し、達成感を与えることで、持続的な応援につながるという見方だ。
【否】「ポイ活」化への違和感と政策軽視の懸念
一方で、批判や懸念の声も根強い。政治という公的な活動をポイントで評価することに対し、「政治の安売りだ」「品位に欠ける」といった違和感を表明する意見は少なくない。SNSでは「ポイ活政党」という揶揄も生まれ、活動の「量」ばかりが評価され、政策の「質」に関する真剣な議論が置き去りにされるのではないかという懸念が広がる。
また、この戦略は、玉木代表が「ネット世論に左右されすぎる」とかねてから指摘されてきた点と無関係ではない。重要な局面での判断ミスを揶揄する「玉木る」というネットスラングが生まれるなど、その言動は常にネットの厳しい視線にさらされてきた。今回の試みが、熟慮された政策判断よりも、短期的な支持やネット上の「バズ」を優先するポピュリズムにつながる危険性をはらんでいる、というわけだ。
デジタル時代の政党活動 ─ 諸刃の剣
「こくみんクラブ」は、デジタル時代における政党と支持者の新しい関係を模索する、野心的な社会実験と言えるだろう。支持者の熱量を組織力に変え、党勢拡大につなげることができれば、他党も追随する新たなモデルケースになるかもしれない。
しかし、それは同時に、政策論争よりもエンターテインメント性を重視し、政治を軽薄なものに変えてしまうリスクを伴う「諸刃の剣」でもある。この取り組みが、国民民主党を浮上させる追い風となるのか、それとも「決められない政党」という既存のイメージをさらに強める逆風となるのか。その成否は、単なるポイント稼ぎのゲームに終わらせず、いかにして支持者の声を真摯な政策立案へとつなげていけるかにかかっている。玉木代表のバランス感覚が、今まさに問われている。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]

































コメントはこちら