「辛さ」で選ぶ?「旨み」で選ぶ?李錦記 vs ユウキ、チューブ豆板醤を料理好きが本音レビュー
【実食レビュー】味・辛さ・使い勝手を本音で語る
スペックを眺めるだけではわからない、本当の違いは使ってみてこそ。ここからは、私が実際に両者を使い比べて感じたリアルな感想をお届けします。
① 見た目とテクスチャー:色は「赤」と「茶」
まずチューブから出してみて驚くのが、その色の違いです。

ユウキの四川豆板醤は、鮮やかな「赤」。唐辛子の色がそのまま出ている感じで、見るからに辛そうです。

一方、李錦記の豆板醤は、味噌を思わせる落ち着いた「茶色」がかった色合い。ところどころに唐辛子の粒が見えます。

テクスチャーにも違いがありました。李錦記はやや硬めで粘り気があり、味噌に近い質感。ユウキはそれより少し緩やかで、ペースト状です。この違いが、後述する使い勝手にも影響してきます。
② 味と辛さ:「キレのユウキ」か「コクの李錦記」か
いよいよ味の核心へ。少量ずつを直接味見し、麻婆豆腐で使い比べてみました。
ユウキの四川豆板醤は、まさに「純粋な辛さ」。舌に乗せた瞬間、ピリッとしたシャープな辛さがダイレクトにやってきて、それが長く続きます。唐辛子そのものの風味をストレートに感じたい人にはたまらないでしょう。塩気も強いですが、何より「辛さ」が主役です。
対して李錦記の豆板醤は、一言でいうと「複合的な旨み」。最初に感じるのは、そら豆みそやにんにく由来の豊かなコクと塩味。辛さは後からじんわりと、しかし確実に追いかけてきます。めちゃくちゃ辛い!という衝撃ではなく、料理全体に深みを与えてくれるような、奥深い辛さです。
私の個人的な感想ですが、ユウキは「攻撃的な辛さ」、李錦記は「守備も固い辛さ」といった印象。どちらが良い悪いではなく、完全に好みの問題ですね。
③ 使い勝手:チューブの形状と粘度が勝負の分かれ目
チューブタイプは瓶と違ってスプーンいらずで便利なのが魅力ですが、ここにも小さな違いがありました。
粘度が高めの李錦記は、チューブを軽く押すだけでにゅるっと出てきて、量を調整しやすいのが良い点。炒め物にちょっとだけ足したい時など、狙った場所に的確に加えられます。
一方、少し緩めのユウキは、炒め油に溶かしやすいというメリットがあります。油に香りを移す最初の工程で、さっと馴染んでくれる感覚です。ただ、出しすぎには少し注意が必要かもしれません。
料理で活かす!おすすめ活用術とレシピ提案
それぞれの特徴がわかったところで、どんな料理に合うのかを考えてみました。これはもう、使い分けるのが一番楽しい!
ユウキ四川豆板醤:辛さを主役にしたい本格四川料理に
このキレのある辛さは、やはり本格的な四川料理でこそ真価を発揮します。麻婆豆腐を「麻(マー:痺れる辛さ)」と「辣(ラー:唐辛子の辛さ)」で楽しみたいなら、ユウキは最高のパートナー。花椒(ホアジャオ)と組み合わせれば、お店のような刺激的な一皿が完成します。
- おすすめ料理: 四川風麻婆豆腐、担々麺、よだれ鶏のタレ
- レシピ参考: ユウキ食品「四川風麻婆豆腐」
李錦記豆板醤:旨みとコクをプラスしたい万能中華に
辛さだけでなく、料理全体にコクと深みを与えたいなら李錦記の出番。辛さがマイルドで旨みが強いので、エビチリや回鍋肉など、甘みや他の調味料とのバランスが重要な料理にぴったりです。中華だけでなく、味噌ラーメンに少し足したり、野菜の和え物のアクセントに使ったりと、まさに万能選手です。
- おすすめ料理: エビチリ、回鍋肉、麻婆茄子、炒め物全般
- レシピ参考: エスビー食品「絶品麻婆豆腐」
購入時の参考情報:価格と入手しやすさをチェック
コストパフォーマンスも気になるところ。希望小売価格を元に1gあたりの単価を計算してみると、ユウキ(100g/250円)が約2.5円/g、李錦記(85g/270円)が約3.17円/gとなり、若干ユウキの方がお得感があります。(※あくまで希望小売価格での比較です)
入手しやすさについては、どちらも全国のスーパーで広く取り扱われており、甲乙つけがたいです。中華調味料コーナーに行けば、まず間違いなく出会える2トップと言えるでしょう。
【豆知識】食卓を豊かにする豆板醤の歴史
ここで少し箸休め。豆板醤のルーツは、中国で古くから作られてきた発酵食品「醤(ひしお)」にあります。そら豆と唐辛子を発酵させて作る四川省の伝統的な調味料で、熟成期間が長いものほど高級品とされています。
日本で麻婆豆腐などの四川料理が広まったのは、料理人・陳建民氏の功績が大きいと言われています。彼が日本の家庭でも作りやすいようにレシピをアレンジしたことで、豆板醤も一般的な調味料として普及していきました。
私たちが手軽に本格中華を楽しめるのも、こうした歴史があってこそなのですね。
世間の声は?SNSや口コミでの評判
私だけの意見では偏るかもしれないので、他の皆さんの声も集めてみました。
【李錦記への口コミ】
「今まで瓶を使っていたけど、チューブだとスプーンいらずで本当に便利!瓶の処分も面倒だったので、これからはこのタイプをリピートします!」
「味については安定していて美味しいと高く評価しています。中華料理には欠かせない。」
【ユウキへの口コミ】
「辛くて美味いという声が多くあります。マーボー豆腐作りには欠かせない調味…」
「色々な豆板醤を試しましたが辛党の私はこれが一番で、かれこれ10年以上使ってます。しっかりと辛みがあり、箸先程度の少量入れるだけで十分辛くなります。」
やはり、李錦記は「使いやすさ」や「安定した美味しさ」、ユウキは「しっかりした辛さ」が高く評価されているようです。私の感想とも一致しますね。
あなたのキッチンに常備すべき一本はこれだ!
さて、長々と比較してきましたが、いかがでしたでしょうか。最後に、これまでの情報をまとめて、どんな人にどちらがおすすめかをご提案します。
- ユウキ食品 四川豆板醤がおすすめな人
- とにかく辛いものが好き!刺激的な辛さを求めている人
- 本格的な四川料理に挑戦したい人
- 料理の味の主役として、唐辛子の風味を活かしたい人
- S&B 李錦記 豆板醤がおすすめな人
- 辛さだけでなく、料理にコクと旨みの深みを出したい人
- エビチリや回鍋肉など、幅広い中華料理を作りたい人
- 辛すぎるのは苦手だけど、本格的な味に仕上げたい人
もちろん、一番のおすすめは「両方買って、料理によって使い分ける」ことです!数百円で料理のレパートリーとクオリティがぐっと上がるなら、試してみる価値は十分にあります。
まずはどちらか一本、気になった方から手に取ってみてはいかがでしょうか。あなたの食卓が、もっと楽しく、もっと美味しくなることを願っています。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]
※本記事の情報は記事公開当時のものです。ご覧いただくタイミングによっては内容が変更されている場合がありますので、最新情報をご確認ください。
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