“コンビニで服を買う”時代到来? ファミマ「コンビニエンスウェア」が年間130億円ビジネスになった裏側
話題を呼ぶ「コラボ戦略」とSNSの熱狂
ブランドの勢いを加速させているのが、話題性に富んだコラボレーションだ。単なる商品開発に留まらず、カルチャーやファンコミュニティを巻き込むことで、コンビニエンスウェアは単なる「服」から「物語を持つアイテム」へと昇華している。
TRIPSTER(野村訓市氏)との「仕事着」
2025年9月26日に発売された、クリエイター野村訓市氏が手がける「TRIPSTER」とのコラボポケットTシャツは、その好例だ。発売直後からSNSでは「6軒目でやっとゲット」「このクオリティで2000円は安すぎる」といった声が飛び交い、瞬く間に品薄状態となった。
野村氏は「ポケットが一つ胸に付いただけでワークウェアになる」とコメント。この言葉通り、安価で高品質、かつ実用的な一枚は、多くの人々の日常に溶け込む「新しい仕事着」として受け入れられた。
BE:FIRSTとファンの熱量
さらに、2025年のクリスマスアンバサダーに就任した人気グループ「BE:FIRST」とのコラボも大きな話題を呼んだ。彼らの世界観を反映したソックスとハンカチがファミマオンライン限定で予約販売されると発表されるやいなや、ファンからは歓喜の声が上がった。
ファミマとBE:FIRSTのコラボ、センス良すぎ!普段使いできるデザインなのが最高。ライブにも履いていきたいし、普段も使えるなんて嬉しすぎる。予約戦争がんばるしかない。
このコラボは、商品を売るだけでなく、音楽フェスでのイベントと連動させるなど、ファンとのエンゲージメントを深める巧みな仕掛けが光る。これは、商品を通じてブランドと顧客との間に強い「つながり」を生み出す現代的なマーケティング戦略と言えるだろう。
コンビニがアパレルの“インフラ”になる日
コンビニエンスウェアの成功物語は、まだ序章に過ぎないのかもしれない。2025年10月3日からは、着心地にこだわった厚手の「コットンカーディガン」など、秋冬の新作が順次投入される。
全国に約16,300店という、他のアパレルチェーンを圧倒する店舗網を持つファミリーマート。その数はユニクロの約20倍にもなる。この巨大なネットワークが、高品質な衣料品を届ける「インフラ」として機能し始めた時、我々の生活とファッションの関係は、また一つ新しいステージへと進むことになるだろう。「コンビニで服を買う」という選択が、当たり前になる時代は、もうすぐそこまで来ているのかもしれない。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]
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