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“私、限界だった” と正直に語った道重さゆみ―飾らない強さこそが“さゆ”らしさ

2025年8月14日、元モーニング娘。の道重さゆみ(36)が、約22年半にわたる芸能活動に幕を下ろした。ラストライブの翌日、彼女はSNSでファンへの感謝を述べると同時に、ブログに投稿した直筆の手紙で「もう、限界だった」と赤裸々な胸の内を明かした。

完璧なアイドル像を貫いてきた彼女が最後に示した、ありのままの言葉。その飾らない姿にこそ、多くの人が惹きつけられる「道重さゆみらしさ」の本質と、彼女が時代に投げかけた問いが見えてくる。

「限界」という言葉の重み―引退の背景

道重は2025年1月、夏のツアーをもって引退することを発表。その理由として、2023年末に診断された「強迫性障害」との闘いがあったことを公にしていた。活動を制限しながらもステージに立ち続けたが、引退後に公開された手紙には、その苦悩が生々しく綴られていた。

「こんなにも、大好きで、一緒にいたくて、一緒にいたら幸せなのに、自分が弱いせいで それができなかった。もう限界だった。大好きなのに、大好きでいてくれているのに、なのに、この決断になってしまったこと、ごめんね」

「自分が弱いせい」。そう自らを責める言葉は、完璧を求められるアイドルの世界で、心身のバランスを保ち続けることの過酷さを物語る。しかし、その弱さを隠さず、正直にファンに差し出した行為は、逆説的に彼女の人間的な強さを浮き彫りにした。それは、作られた偶像ではなく、一人の人間としてファンと向き合おうとする、彼女なりの誠実さの表れだったのかもしれない。

22年半の軌跡―劣等生から伝説のリーダーへ

彼女のキャリアは、決して平坦な道ではなかった。2003年、歌もダンスも未経験の「劣等生」としてモーニング娘。に加入。しかし、持ち前の「自分大好き」キャラとトーク力で独自のポジションを確立。2012年には8代目リーダーに就任し、グループの再ブレイクを牽引した。在籍日数4329日という歴代最長記録(当時)を打ち立てて卒業した後も、2年間の休業を経てソロアーティストとして復活。その歩みは、常に挑戦と再生の連続だった。

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