但馬ミツロ、初防衛戦の相手はかつて初回34秒KOで下したナタポン・プランピマーイ 12月18日に堺で東洋太平洋クルーザー級

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
東洋太平洋クルーザー級王者の但馬ミツロ(31)=TMK=が12月18日、堺市産業振興センターで同級3位のナタポン・プランピマーイ(33)=タイ=を相手に初防衛戦に臨む。TMKジムが10月8日に発表した。2人は2022年11月にヘビー級で対戦し、但馬が初回34秒でKO勝ちしている。勝てば、この王座を守った初の日本選手になる。
12月18日、堺でTMKジム興行のメインに
発表は10月8日、大阪市西成区のTMKジムでの会見だった。会場の堺市産業振興センターは堺市北区長曽根町にあり、但馬の防衛戦がメインイベントを務める。同じ興行では、但馬の婚約者で元東洋太平洋女子ミニマム級王者の千本瑞規(32)=TMK=が4年ぶりの復帰戦を戦う。当日は試合のほか、屋台や自動車メーカーHyundaiの車両展示会も予定されている。
但馬は7月11日、大阪・大和アリーナで王者ムヘタル・マイヘムト(中国)に挑み、5回1分39秒KOでベルトを奪った。初回終了間際に右でダウンを奪い、2回には左ボディーで2度目のダウン。5回、左ボディーからつないだジャブで試合を終わらせている。
日本選手の同級王者は1996年の西島洋介山、2006年の高橋良輔に続いて20年ぶり3人目だった。ただ、過去の2人を含め、このベルトを防衛した日本選手はまだいない。12月18日の一戦は、その空白を埋められるかどうかの試合になる。
肩書も増えた。8月にはWBA世界クルーザー級で14位にランクされ、8月27日には愛知県庁で大村秀章知事に王座奪取を報告した。10月8日時点の戦績は16戦14勝(12KO)2敗。
4年前は32キロ差、わずか34秒の決着
ナタポンとの初対戦は2022年11月27日、大阪府豊中市の176BOXだった。亀田興毅がプロデュースした「3150FIGHT SURVIVAL vol.3」のメインで組まれた日本ヘビー級タイトルマッチで、王座を手にしたばかりの但馬にとって初防衛戦にあたる。
開始のゴングから但馬が前に出た。ロープ際へ追い込み、右ストレート一発。ナタポンはうつぶせに倒れ、1回34秒でKOが宣告された。デビューから3戦連続の初回KO勝ちだった。
もっとも、この試合は体重無制限のヘビー級で行われた。計量は但馬が125.9キロ、ナタポンが93.3キロで、差は30キロを超える。ナタポンは前日計量の際に「但馬選手は大きいので、あまり接近しないでアマチュアボクシングのような遠い距離で試合をしたい」と話していたが、その距離をとる前に試合は終わった。
但馬戦の前に19戦16勝(13KO)3敗だったナタポンは、但馬戦の黒星を含めてその後12試合を戦い、10月8日時点で31戦24勝(20KO)7敗。いまは東洋太平洋クルーザー級の3位にランクされている。
アマ5冠からヘビー級、そしてクルーザー級へ
但馬は1994年11月4日、愛知県碧南市生まれ。本名は但馬ブランドンミツロで、日本人の父とブラジル人の母を持つ。アマチュアでは全日本選手権のライトヘビー級を2014年と2015年に連覇し、国体でも3度優勝した。合わせて「アマ5冠」と呼ばれる実績だ。
プロデビューは2022年4月29日。メルパルク大阪で韓国のキム・サンホーを初回56秒TKOで下した。いきなり8回戦に出るA級デビューだった。同年8月14日にはプロ2戦目で日本ヘビー級王座を手にしている。
ただ、国内のヘビー級は層が薄い。日本ランキングに但馬以外のランカーがおらず、挑戦者を探すこと自体が難しかった。当時所属していた亀田ジムは「日本およびOPBF加盟国のボクサーを挑戦者とした同級タイトルマッチを行うことが困難なため」と理由を説明し、但馬は2025年2月26日付で日本ヘビー級王座を返上した。王座は再び凍結状態に戻った。
リングの上でも、道のりは平坦ではなかった。2024年3月31日、ルーマニアのアレクサンドル・ジュルに8回判定で敗れてプロ初黒星。2025年5月24日にはウガンダのハーバート・マトヴに5回TKOで敗れ、初めてKO負けを喫した。
転機は、2025年10月1日付でTMKジムへ移籍して最初の試合となった同年12月3日の一戦だった。約25キロの減量でプロ最軽量の94.8キロまで絞り、95キロ契約の8回戦で初回TKO勝ち。7月の王座戦ではそこからさらに4キロ以上落とし、リミット(90.72キロ)を下回る90.6キロで計量をパスした。ブリッジャー級やクルーザー級での挑戦は、2025年3月の時点で視野に入れていると報じられていた。その答えがクルーザー級での王座奪取だった。
「同等の体重で戦う今回が真価を問われる」
ナタポンとの再戦について、但馬は会見で前回との違いを率直に口にした。「前回は32キロ差くらい体重差があった。体重差を生かして一発当てるスタイルだったが、今回は同じ体重で戦う。ジャブからボクシングをつくってスピード差をフィニッシュにつなげたい」と青写真を描く。
さらに「同等の体重で戦う今回が真価を問われる。体格の有利さはないので、ジャブの差し合いから、スピードで圧倒して、フルラウンド戦う覚悟で臨みたい」とも語った。体格で押し切った4年前とは、まったく別の試合になると見ている。
王座を手にした直後から、狙いははっきりしていた。7月18日にベルトが届いた際に寄せたコメントでは「年内に防衛戦になるのが濃厚です。スピードで圧倒して最後はKOします!」と予告していた。
千本瑞規も同じリングで4年ぶり復帰
同じ日、千本はタイのサシトーン・ファント(22)と49キロ契約6回戦で拳を交える。2022年9月以来、4年ぶりのリングだ。
堺市出身の千本は2018年11月にワタナベジムからプロデビューし、2戦目で日本女子ミニマム級、3戦目で東洋太平洋女子ミニマム級の王座を手にした。防衛戦が長く組まれないまま王座をはく奪され、一度はリングを離れている。但馬を支えるうちに気持ちが戻り、今年4月末から本格的な練習を再開した。戦績は5戦5勝(1KO)。
「ミツロから(復帰の)話があった時、ここで断ったら、後悔するだろうなと思った」と千本は明かした。当日は互いの試合でセコンドにつく予定だという。
但馬は2人で戦う意味を「日本男子の軽量級が盛り上がる中で、僕が男子重量級、瑞規が女子を盛り上げたい」と話す。目標は「王者カップル」。12月18日、まずは但馬が日本選手として誰も守ったことのないベルトを守れるかが問われる。
[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]











































































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