亀田和毅、フィゲロア戦へ「簡単には終われへん」 勝てば西城正三以来58年ぶり日本人2人目のWBA世界フェザー級王座

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元世界2階級王者でWBA世界フェザー級3位の亀田和毅(35)=TMK=が10月17日(日本時間18日)、米ラスベガスで同級王者ブランドン・フィゲロア(29)=米国=に挑戦する。最終調整先のメキシコ市で10月8日にスポーツ報知のオンライン取材に応じ、「簡単には終われへん」と言い切った。勝てば自身初の世界3階級制覇。日本人のWBAフェザー級王座奪取は1968年の西城正三以来、58年ぶり2人目となる。
敵地ラスベガスで初防衛戦の王者に挑む
試合の舞台は、ラスベガスのホテル「ザ・コスモポリタン・オブ・ラスベガス」内にある会場「ザ・チェルシー」。米国の興行団体PBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)が8月下旬に発表したカードで、WBC世界スーパーウエルター級王者セバスチャン・フンドラ(米国)の防衛戦をメインとする興行のセミファイナルに組まれた。試合はDAZNでライブ配信される予定だ。和毅にとってラスベガスは、WBO世界バンタム級王者だった2014年7月に、プンルアン・ソー・シンユー(タイ)を7回KOで下して防衛した地でもある。
挑戦を受けるフィゲロアは、2026年2月7日に英リバプールでニック・ボール(英国)を12回TKOで破り、WBAフェザー級王座を手にした。亀田戦はそれから約8か月ぶりの初防衛戦になる。
戦績は和毅が47戦42勝(23KO)5敗、フィゲロアが30戦27勝(20KO)2敗1分け(いずれも10月8日時点)。王者は1階級下のスーパーバンタム級と、フェザー級の両方で世界王座に就いた2階級制覇王者だ。2021年5月にはルイス・ネリ(メキシコ)を7回KOで下し、ネリにプロ初黒星をつけている。
体格差も小さくない。身長171センチの和毅に対し、フィゲロアは4センチ高く、リーチは14センチ長い。左右の構えを頻繁に入れ替え、休まず手を出し続けるスタイルで、「ハートブレイカー」の愛称を持つ。
1年5か月ぶりの実戦、「山は高いほど」
和毅にとっては約1年5か月ぶりの試合になる。前回は2025年5月24日、インテックス大阪でIBF世界フェザー級王者アンジェロ・レオ(米国)に挑み、0-2の判定で敗れた。初めて挑んだ3階級制覇は、そこで一度途切れている。
再挑戦の話が表に出たのは2026年7月11日だった。大阪府吹田市で開かれた所属ジムの興行でリングに上がり、フィゲロアへの挑戦を明かすと「必ずフィゲロアを倒して3階級制覇をして、日本で防衛戦、日本人対決に持っていきたい」と語った。7月30日には関西空港からメキシコへ渡り、日本に戻らないまま調整を続ける。
10月8日の取材では、1月ごろから交渉が「決まりかけたり、流れたり」だったと明かした。いつ決まってもいいように練習を続け、減量の残りはいつも通り約3キロだという。
「ただでさえ、ハードルの高い挑戦ですよ。けど、山は高いほど、登りがいがあるってもんです。必ずベルトを持って日本に帰りたいです」
戦い方の見立ては冷静だった。和毅は、王者が一度も倒れたことがない点を挙げ、12ラウンドを考えて戦う必要があると分析する。「根比べ、根性と根性の勝負になるかもしれません。持っているもの全部、フルラウンドかけてぶっつけますよ」と、判定までもつれる展開を描いた。
次兄の大毅氏は8月20日、自身のYouTubeで「パワー負けします」と述べ、後半のTKO負けを予想している。身内からも厳しい声が出る一戦だ。
西城正三以来の「WBAフェザー」
WBA世界フェザー級王座を手にした日本人は、これまで西城正三しかいない。
西城は1968年9月27日(現地時間)、米ロサンゼルスで王者ラウル・ロハス(米国)に挑み、判定で勝った。日本人が海外で世界王座を奪ったのはこれが初めてだった。防衛を重ねたのち、1971年9月にアントニオ・ゴメス(ベネズエラ)に敗れて王座を手放している。
WBAの歴代フェザー級王者の一覧を見ると、西城以降に日本人の名前はない。スーパー王座や暫定王座、休養王座を含めても、日本人の就位はない。和毅が勝てば、1968年から数えて2026年で58年ぶり、日本人2人目のWBAフェザー級王者になる。団体を問わずフェザー級の世界王座で見ても、日本人の奪取は2010年11月のWBC・長谷川穂積以来、約16年ぶりとなる。
| 項目 | 西城正三 | 亀田和毅 |
|---|---|---|
| 試合日 | 1968年9月27日(現地) | 2026年10月17日(現地)予定 |
| 開催地 | 米ロサンゼルス | 米ラスベガス |
| 相手 | 王者ラウル・ロハス(米国) | 王者ブランドン・フィゲロア(米国) |
| 結果 | 西城が判定勝ちで王座奪取 | 未実施 |
敵地の米国で、米国人王者から奪う。58年前と同じ構図に、和毅は挑む。
亀田家の20年と「おれがもう35歳」
和毅は1991年7月12日、大阪市西成区生まれ。15歳でメキシコに渡り、2008年にメキシコでプロデビューした。2013年8月にフィリピン・セブでパウルス・アムブンダ(ナミビア)を破ってWBO世界バンタム級王座を奪取。2018年11月には後楽園ホールでWBC世界スーパーバンタム級の暫定王座を手にし、2階級制覇を果たした。
2026年は、長兄の興毅氏が2006年8月にWBAライトフライ級王座を初めて手にしてから20年の節目にあたる。興毅氏と次兄の大毅氏は、ともに2015年、20代で引退を表明している。
「おれがもう35歳ですから」。和毅は取材でそう口にし、2013年に初めて世界王者になったとき、父の史郎さんから「あとの10年は、お前が引っ張れ」と言われたと明かしている。いまは兄弟それぞれが別の道を歩み、興毅氏はプロモーターとして興行を手がける。
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ラスベガスに父と2人の兄が来る予定はない。「みんなそれぞれの道を歩んでいますからね。仲は良いですよ」と和毅。応援の中心はメキシコ人の妻シルセさんと2人の息子で、6歳の長男には入場で踊ってもらうつもりだと笑う。
「はよ、おわってくれと。でも」
この試合を最後の3階級制覇のチャンスと位置づける発言は、以前から続いていた。1月1日に公開した自身のYouTube動画では「今年、最後の年になるんで、絶対チャンピオンになる」と現役ラストイヤーを口にし、9月1日の動画では「今回、正直言っても最後のつもりで来てる」と明かして、相手を「47戦してきた中でも一番強い選手」と評している。
一方で、ここ数年は「負ければ引退」と背中合わせのリングが続く。それでも、毎回が最後のチャンスという気持ちは変わらないという。
10月8日の取材の最後、和毅はこう続けた。「正直、みなさん、まだしぶとく残っていると思っているでしょうね。はよ、おわってくれと。でも、簡単には終われへん」
王者側も油断はしていない。フィゲロアは「亀田はベテランで粘り強いファイターだ」と述べ、陣営で和毅の試合を見て戦術を分析してきたと明かした。勝てばその先に他団体王者との統一戦を見る。
プロ19年目、10度目の世界戦。和毅が描く判定決着の12ラウンドは、日本時間10月18日に始まる。
[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]







































































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