2025年9月24日、セガが開催した新作発表会「RGG SUMMIT 2025」。ここで、世界的な人気を誇る『龍が如く』シリーズの最新情報が明かされた。2009年の名作を現代の技術で蘇らせる『龍が如く 極3』の発表にファンが沸き立つ中、ひときわ大きな注目を集めたのが、あるキャストの「続投」決定だった。タレントの宮迫博之である。
9年ぶりの「帰還」が投じた一石
宮迫が演じるのは、東城会の幹部「神田強」。オリジナル版『龍が如く3』でも同役を務め、その強烈なキャラクター造形でプレイヤーに鮮烈な印象を残した。しかし、2019年に発覚した一連の問題を受け、以降のシリーズでは彼の音声が差し替えられる事態となっていた。いわば、シリーズの歴史から一度は姿を消した存在だったのだ。
それから約9年。今回の「極」プロジェクトでの復帰は、単なる再演ではない。一度は表舞台から遠ざかった人物を、シリーズ20周年記念という節目に再び起用するという、制作サイドの明確な意思表示と受け取れる。これは、ゲームというエンターテイメントが、世間の評価や時の流れとどう向き合うかという、一つの問いを投げかけているかのようだ。
制作陣の「リスク承知」という覚悟
この決断の裏には、制作陣の並々ならぬ覚悟がうかがえる。「龍が如くスタジオ」代表の横山昌義は発表会で、宮迫の起用について「リスク承知で出てますんで」と、半ばユーモアを交えながらも率直に語った。この発言は、起用に伴う批判を予期し、それでもなお「神田強」という役には宮迫が不可欠であるという信念の表れだろう。
横山はまた、宮迫のYouTubeチャンネルで公開予定のメイキング映像で、今回の経緯について対談していることも明かした。収録では、久々の演技で声のキーを合わせるのに苦労したという裏話も披露。こうした舞台裏をオープンにすることで、憶測や一方的な批判を避け、ファンとの対話を試みる狙いがあるのかもしれない。
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