インターネットの「玄関」とも言えるGoogleの検索画面。2025年9月上旬、検索タブの一番左に「AIモード」という新しい選択肢が現れた。これまで当たり前だった「すべて」のタブは、その隣へと追いやられたのだ。
Google検索の「AIモード」とは
この「AIモード」は、入力したキーワードに対し、AIが複数のウェブサイトから情報を集約し、要約した文章を提示する機能だ。例えば「今年の秋 ファッション トレンド」と検索すれば、AIが「チェック柄のジャケットやレザー素材が流行の兆しです」といった形で、答えそのものを会話のように返してくれる。ユーザーはリンクを一つひとつクリックする手間なく、概要を掴むことができる。
Googleによれば、この機能は複雑な問いかけや、複数のトピックを一度に尋ねるような検索を想定して設計されたという。それはまるで、膨大な蔵書を誇る図書館で、司書に「今日の夕飯の献立と、その栄養について教えて」と尋ねるようなものだ。これまでの検索が自分で本棚を探す行為だったとすれば、AIモードは要点をまとめてくれるコンシェルジュを手に入れたような体験と言えるだろう。
賛否両論、SNSに渦巻くユーザーの本音
この変化に対し、世間の反応は真っ二つに割れている。まさに「便利」と「おせっかい」のせめぎ合いだ。
「時短の神」歓迎する声
「調べ物の時間が半分になった」「レシピの要点だけ知りたい時に最高」といった好意的な意見は多い。特に、素早く結論だけを求める層からは絶大な支持を集めているようだ。テクノロジー分野に詳しい実業家の堀江貴文も、自身のSNSで「情報の消費効率が爆発的に上がる。使わない手はない」と、その利便性を高く評価している。
「余計なお世話」戸惑う声
一方で、「AIの要約はいらない。生の情報を自分で見たい」「長年の癖で一番左をクリックしてしまう」といった否定的な声も根強い。特に、情報の正確性や文脈を自ら判断したい研究者やジャーナリストからは、AIによる「情報のフィルタリング」を懸念する声が上がる。
GoogleのAIモード、親切心で要約してくれるのは分かるけど、求めてるのはソースへの直行便なんだよな…。レストランで「シェフのおすすめです」って、頼んでもないコース料理が出てきた気分。
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