日テレ菅谷大介アナ、53歳で急逝。2022年に膵臓がん公表後に昨年手術。続けた「伝える」使命

日本テレビのアナウンサー、菅谷大介(すがや・だいすけ)さんが2025年11月8日、消化管からの出血のため都内の病院で息を引き取った。53歳だった。菅谷さんは2022年にすい臓がんを公表し、治療を続けながらアナウンサー、そして管理職としての仕事を精力的にこなしていた。そのあまりにも突然の訃報は、同僚や視聴者に大きな衝撃と悲しみをもたらしている。
突然の訃報、前日まで職務全う。
日本テレビの発表によると、菅谷さんは11月7日の夜、勤務を終え帰宅した後に体調不良を訴え、救急搬送された。その後、容体が急変し、翌8日午後に息を引き取ったという。直接の死因は消化管からの出血とされている。
亡くなる前日まで通常通り勤務し、周囲に変わった様子を見せていなかっただけに、関係者の驚きは大きい。日本テレビは「アナウンサーとしても管理職としても前向きに取り組む姿を直前まで見ていただけに、あまりに突然の訃報に接し、社員一同、ただただ驚くとともに悲しみに包まれております」とのコメントを発表し、故人の功績に深い感謝を示した。
すい臓がんとの闘い:「伝える」ことへの決意
菅谷さんの闘病は、2022年8月に自身のインスタグラムで公表されたことで広く知られることとなった。それは、同じ病に苦しむ人々への希望となり、がんとの共生社会を考える上で大きな一石を投じるものだった。
人間ドックでの発見から手術まで
がん発見のきっかけは、2021年11月に受けた人間ドックだった。超音波検査で「膵管拡張」という見慣れない文字が見つかった。自覚症状は全くなく、飲酒や喫煙の習慣もなかったため、当初は「まさか自分が」という思いだったという。しかし、精密検査の結果、2022年1月11日にすい臓がんと告知された。
すい臓がんは「沈黙の臓器」のがんとも呼ばれ、早期発見が難しいことで知られる。菅谷さんの場合、腫瘍は約1センチとまだ小さい段階での発見だった。妻の「まずは健康でしょ」という言葉に背中を押され、予定していた旅行をキャンセルして検査に臨んだことが、早期発見につながった。
告知後、菅谷さんはアナウンス部長に報告するとともに、同じ病を克服した人々のブログなどに励まされ、「俺もこの経験を伝えたい」と決意を固める。2022年1月下旬から術前抗がん剤治療を開始し、同年4月11日に腹腔鏡による約4時間の手術を受け、すい体尾部と脾臓を切除した。術後の回復はめざましく、退院後すぐに会社に顔を出すほどだったという。
公表という選択、そして社会への発信
手術から4カ月が経過した2022年8月18日、菅谷さんはインスタグラムを開設し、自らの言葉でがんを公表した。
「私が経験したことをお伝えすることで、少しでも、どなたかのお役に立てればいいなと思っています」
この投稿は大きな反響を呼び、同じくがんと闘う人々やその家族から多くの激励のメッセージが寄せられた。アナウンサーという「伝える」プロフェッショナルとして、自らの体験を社会に還元しようとする姿勢は、多くの人々の心を打った。公表後、菅谷さんは自身のYouTube企画「菅谷大介、がんを知る」を立ち上げるなど、積極的に情報発信を続けた。
YouTube企画「菅谷大介、がんを知る」では、様々な著名人と対談した。
次ページ:アナウンサーとしての足跡と功績

































コメントはこちら