LINE送信取り消し有料化、理由は「プレミアム加入」か。無料は1時間・有料は7日に
月額508円のLYPプレミアムとは
「LYPプレミアム」は、LINE、ヤフー、PayPayのサービスが連携した月額制の会員サービスだ。ウェブ版(Yahoo!ウォレット決済)で月額508円(税込)、アプリ版では月額650円(税込)で利用できる。
主な特典には、1,500万種類以上のLINEスタンプが使い放題になる「LINEスタンプ プレミアム」や、LINEのトーク履歴を100GBまでバックアップできる機能、Yahoo!ショッピングでのPayPayポイント還元率アップなどがある。今回の送信取消機能の強化は、これらの特典に加わる新たな目玉として位置づけられている。
「改悪」か「妥当」か ユーザー間で割れる評価
この仕様変更に対するユーザーの反応は、立場によって大きく分かれている。SNSなどでは、無料ユーザーから「24時間から1時間への短縮はひどい」「事実上の有料化だ」といった批判的な声が多く見られる。「夜中に送ったメッセージを朝起きてから消せなくなる」など、具体的な不便さを指摘する意見も目立つ。
「うっかりミスをしやすい深夜の時間帯や、通勤・移動中など、すぐに手が離せないシーンでは特に注意が必要になりそう。」
一方で、LYPプレミアムに加入している、あるいは加入を検討しているユーザーからは「7日間も消せるのはありがたい」「通知なし機能は待っていた」と好意的な声も上がっている。また、「そもそも1時間以内に消すことがほとんどなので影響はない」という冷静な見方や、「安易な取り消しが減り、コミュニケーションの信頼性が高まる」と肯定的に捉える意見も存在する。
今回の変更は、LINEが提供するサービスの価値を再定義し、無料サービスと有料サービスの境界線をより明確に引く動きと捉えることができる。これは、ユーザーにサービスの対価を支払う意識を促し、収益基盤を強化しようとするLINEヤフーのビジネス戦略の一環であるとの見方が強い。
コミュニケーションの作法とビジネスモデルの岐路
LINEの送信取消機能の変更は、単なる機能アップデートにとどまらない。無料が当たり前だった便利な機能に「価格」が付けられたことで、ユーザーは自らの使い方と支払う価値を天秤にかけることを迫られる。誤送信という「失敗」をカバーする安心感に、月額508円を支払うか否か。その選択は、個々のユーザーのLINE利用頻度や、コミュニケーションにおける心理的安全性への考え方によって異なるだろう。
LINEヤフーにとっては、ユーザーの利便性を一部制限してでも、より付加価値の高い有料サービスへ誘導し、収益を最大化したいという狙いが透けて見える。プラットフォームとして社会インフラに近い存在となったLINEが、今後どのようにして無料サービスと有料サービスのバランスを取っていくのか。今回の仕様変更は、その方向性を占う重要な試金石となりそうだ。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]


































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