LINE送信取り消し有料化、理由は「プレミアム加入」か。無料は1時間・有料は7日に

LINEのメッセージ送信取り消し機能が2025年11月7日から変更された。無料ユーザーは送信後「1時間以内」に短縮された一方、月額508円(税込)からの有料プラン「LYPプレミアム」会員は「7日間以内」に大幅延長。さらに、LYPプレミアム会員は相手が未読の場合、「送信を取り消しました」という通知を残さずにメッセージを消せる新機能も利用可能になった。この変更は、有料プランへの加入を促す狙いがあるとみられている。
LINEが送信取り消し機能を大幅変更
コミュニケーションアプリ「LINE」を運営するLINEヤフーは2025年11月7日、メッセージの誤送信時に使用される「送信取消」機能の仕様を大幅に変更したと発表した。これまで全ユーザーが一律で「送信後24時間以内」に利用できたが、今後は無料ユーザーが「1時間以内」に短縮される。一方で、月額制サービス「LYPプレミアム」の会員は、取消可能期間が「7日間以内」へと大幅に延長され、さらに特定の条件下で相手に通知せずにメッセージを取り消せる新機能が追加された。この変更により、無料ユーザーと有料会員の間で明確な機能差が生まれ、様々な議論を呼んでいる。
なぜ「1時間」に? 変更の背景にある利用実態とユーザーの声
LINEの送信取消機能は、2017年12月に「誤送信したメッセージを消したい」というユーザーの要望に応える形で導入された。当初から、受信側のユーザー体験やプラットフォームとしての信頼性を考慮し、取り消し可能な期間は「24時間以内」と定められていた。
今回の変更の背景について、LINEヤフーは「ほとんどのユーザーが送信後1時間以内に送信取消を利用している」という利用実態のデータを挙げている。 このデータに基づき、2025年9月には「10月下旬より取消可能時間を1時間に変更する」と告知していた。
しかし、この告知がきっかけとなり、ユーザーからは「証跡を残さずに取り消したい」「数日経ってからでも取り消したい」といった声が改めて多く寄せられたという。LINEヤフーは、これらの要望に応える形で、標準機能の短縮と同時に、有料会員向けの特典を拡充するという今回の決定に至ったと説明している。
LYPプレミアム会員の「特権」― 7日間への延長と「通知なし」機能
今回の仕様変更で最も大きな点は、有料サービス「LYPプレミアム」会員向けの特典が大幅に強化されたことだ。無料ユーザーとの機能差は明確で、まさに「プレミアム」な待遇となっている。
相手に気づかれにくい「通知なし送信取消」
LYPプレミアム会員向けの新機能の目玉が「通知なしで送信取消」だ。従来、メッセージを取り消すと、相手のトーク画面に「メッセージの送信を取り消しました」という履歴が残り、相手に取り消した事実が伝わっていた。これがかえって「何を送ったのか」という疑念を抱かせることもあった。
新機能では、相手がメッセージをまだ読んでいない「未読」の状態に限り、この通知を表示させずにメッセージを消すことが可能になる。これにより、誤送信を「なかったこと」に近づけやすくなり、相手に余計な気を遣わせずに済む。ただし、相手が既にメッセージを読んでいる場合(既読)や、スマートフォンのプッシュ通知で内容を見られてしまった場合は、この機能を使っても通知は表示されるため、完全な「証跡隠滅」を保証するものではない。
LINEヤフーは、通知なしでの取り消しを未読メッセージに限定した理由について、「コミュニケーションプラットフォームとしての信頼性を担保するため」と説明している。
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