漫画家・榎本由美先生、急逝 息子がXで報告「葬儀は親族のみで」 社会派作品で人気

『児童養護施設の子どもたち』や不妊治療をテーマにした作品など、社会が抱える問題に鋭く切り込む作風で知られる漫画家の榎本由美(えのもと・ゆみ)さんが、2025年11月4日に急性呼吸不全で亡くなったことが分かった。60歳だった。榎本さんの公式X(旧ツイッター)アカウントを通じて、息子が報告した。
榎本さんのXアカウントは11月12日、「私、榎本由美の息子です。11月4日 母が永眠しました」と投稿。葬儀は既に近親者のみで執り行われたとし、「香典や供花につきましては、辞退させていただきたく、お気持ちだけ有り難く受け取らせていただけますと幸いです」と伝えている。突然の訃報に、出版関係者やファンから驚きと追悼の声が広がっている。
私、榎本由美の息子です。
— 榎本由美@漫画家・漫画原作・AIイラスト・NFTクリエイター (@yumi_enomoto) November 12, 2025
11月4日 母が永眠しました。
葬儀は先日、親族のみで行いました。
香典や供花につきましては、辞退させていただきたく、お気持ちだけ有り難く受け取らせていただけますと幸いです。…
デビューから40年、社会の歪みを問い続けた画業
榎本さんは1986年にデビュー。レディースコミックを中心にキャリアを重ね、その後は社会派の実録漫画で多くの読者の心をつかんできた。特に、自身の壮絶な体験を基にした『ああ不妊治療 8年・1000万費やしたアラフォー漫画家の体当たりコミックエッセイ』や、親からの虐待や育児放棄によって児童養護施設で暮らす子どもたちの現実を描いた『児童養護施設の子どもたち』シリーズは、社会に大きなインパクトを与えた。
これらの作品は、単に悲惨な現実を提示するだけでなく、困難な状況の中でも希望を見出そうとする人々の強さを描き、多くの読者から共感を得ていた。その作風は、時に「重い」「つらい」と評されながらも、目を背けてはならない現実を世に問う貴重なものであった。
自身の体験も基になった代表作の一つ『愛のこどもたち』。(Amazon.co.jpより引用 © 榎本由美 / ぶんか社)
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