広島県初の美人女性知事・横田美香氏が当選確実、異色の経歴と公約

2025年11月9日、広島県知事選挙の投開票が行われ、無所属新人で前副知事の横田美香氏(54)が初当選を確実にした。これにより、広島県政史上初めての女性知事が誕生する。これは、中国地方5県でも初の女性トップの就任となり、県政に新たな風が吹くことは間違いない。
選挙戦の構図:16年ぶりの新人対決と「与野党相乗り」
今回の知事選は、4期16年にわたり県政を率いた湯崎英彦知事(60)が不出馬を表明したことで、16年ぶりに新人同士が争う構図となった。毎日新聞の報道によれば、最大の争点は、4年連続で全国最多となっている県外への転出超過対策と、湯崎県政の路線を継承するか、転換するかであった。
立候補したのは、横田氏のほか、いずれも無所属新人で新日本婦人の会県本部委員の猪原真弓氏(64)と、元会社員でサイエンス作家の大山宏氏(77)の2名。横田氏は自民、立憲民主、国民民主、公明の4党から推薦を受け、いわゆる「与野党相乗り」の形で選挙戦を展開。一方、猪原氏は共産党が推薦し、市民団体と共に湯崎県政からの転換を訴えた。これにより、選挙戦は事実上、「相乗り」対「共産系」という、近年の広島の選挙で繰り返されてきた構図となった。
横田氏、勝利への道筋
「湯崎県政の継承」がもたらした安定感
横田氏の勝因は、何よりもまず「湯崎県政の継承と発展」を明確に掲げたことにあるだろう。湯崎知事自身から立候補を打診された経緯もあり、読売新聞など各メディアは、横田氏が県政の継続性をアピールした点を勝因の一つとして挙げている。大きな変革よりも安定を求める有権者層の支持を固めることに成功した形だ。
盤石の組織力と大物議員の支援
「与野党相乗り」がもたらす組織力も絶大だった。推薦を受けた4党に加え、労働組合の連合広島をはじめとする200を超える団体からの推薦を取り付け、盤石な選挙戦を展開。さらに、地元広島選出の岸田文雄元首相や、公明党の斉藤鉄夫代表といった大物政治家が応援に駆けつけ、選挙戦を終始優位に進めた。組織の力を最大限に活用し、対立候補を寄せ付けなかった。
新知事・横田美香氏とはどんな人物か
中央官僚から地方行政へ、異色の経歴
横田氏は広島県呉市の出身。広島大学附属高校から東京大学法学部に進み、1995年に農林水産省に入省したエリート官僚だ。自身の公式サイトによると、農水省では食品安全や知的財産戦略などに携わり、その後、富山県副知事や内閣官房審議官などを歴任。2025年4月からは広島県副知事を務めていた。中央での政策立案と地方行政の両方を経験した実務家としての側面が、有権者からの期待を集めた一因と言える。
公式サイトには、高校時代に演劇部がなかったため、仲間と劇団「碧(あお)」を立ち上げたというエピソードも紹介されている。行政官としての冷静なイメージとは別に、行動力と情熱を併せ持つ一面も垣間見える。
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