フワちゃん、なぜプロレスで活動復帰なのか?沈黙の1年3ヶ月、その選択の裏側

2025年11月7日、夜の後楽園ホール。プロレスの聖地が、予期せぬ熱気に包まれた。活動を休止していたタレントのフワちゃんが突如リングに現れ、プロレスラーとしての活動再開を宣言したのだ。2024年8月のSNS不適切投稿をきっかけに表舞台から姿を消して約1年3ヶ月。なぜ彼女は、華やかなテレビの世界ではなく、肉体を極限まで酷使するプロレスのリングを復帰の場に選んだのか。その決断の背景には、過去の挑戦と再起にかける強い覚悟が透けて見える。
後楽園ホールでの電撃復帰、「プロレス一択」宣言
その登場は完全なサプライズだった。女子プロレス団体「スターダム」の大会中、照明が落ち、アップテンポな音楽と共に姿を現したのは、紛れもなくフワちゃんであった。トレードマークのカラフルな衣装とお団子ヘアはそのままに、しかしその表情は以前の天真爛漫さとは一線を画す、真剣なまなざしだった。
リングに上がった彼女は、まず深々と頭を下げ、約12秒間沈黙した。そして、マイクを握ると、かつてのタメ口を封印し、終始丁寧な敬語で語り始めた。
「昨年は私の発言でお騒がせして申し訳ありませんでした。改めなければならないことがたくさんあり、猛省しております。この期間で敬語も学びました」
謝罪の後、彼女は声を張り上げた。「そして新しい夢ができました。それはプロレス一択でした!」。この宣言に、会場はどよめきと温かい拍手に包まれた。彼女は、この挑戦が不祥事の「禊(みそぎ)のためではない」と強調し、純粋な挑戦であると訴えた。
▲フワちゃんTV /FUWACHAN TV公式YouTubeチャンネルより
なぜテレビではなく「プロレス」だったのか
活動休止後、テレビやCMへの復帰は絶望的と見られていた。そんな中、なぜ彼女はプロレスのリングを選んだのか。そこにはいくつかの理由が考えられる。
過去に蒔かれていた「伏線」
実は、フワちゃんのプロレス挑戦は今回が初めてではない。2022年10月、日本テレビ系『行列のできる相談所』の企画でスターダムのリングに上がり、プロレスデビューを果たしている。試合には敗れたものの、その姿は、単なるタレントの企画挑戦を超えた本気度が伝わるとして、多くのプロレスファンから称賛された。
報道によると、練習中はタメ口を封印し、先輩レスラーのアドバイスを熱心にノートに取るなど、非常に真摯な態度で臨んでいたという。この過去の挑戦が、今回の復帰への「伏線」として機能した。つまり、付け焼き刃の挑戦ではなく、以前から本気で取り組んでいたという物語が、復帰の正当性を補強したのである。
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