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和田アキ子、「アッコにおまかせ!」来年3月終了を発表「これが一番いいタイミング」40年の歴史に幕

終了の背景にある3つの現実

和田自身が語った「40周年という節目」が最大の理由であることは間違いない。しかし、その決断の背後には、近年のテレビ業界を取り巻く厳しい現実と、和田自身が抱える個人的な事情が複雑に絡み合っていたと見られる。

視聴率の低迷という課題

かつては安定して2桁を記録し、最盛期には15%前後を誇った視聴率も、近年は苦戦が続いていた。テレビ離れや視聴スタイルの多様化が進む中、世帯視聴率が5%を下回ることも珍しくなく、局関係者からは「苦戦していたのも事実」との声も漏れる。事実、明石家さんまをゲストに迎えた40周年記念特番でさえ、世帯視聴率は4.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)にとどまった。この数字が、番組が置かれた厳しい状況を物語っている。

75歳、満身創痍の体と向き合う日々

「ゴッド姉ちゃん」の愛称で知られ、パワフルなイメージが強い和田だが、近年は自身の健康問題と向き合い続けてきた。過去には人工股関節の手術を受け、自己免疫疾患であるシェーグレン症候群も公表している。SNS上では「痩せた」「疲れて見える」など、75歳という年齢の和田の体調を気遣う声が以前から多く上がっていた。

本人は「この仕事があるから生きていける」と周囲に語っていたというが、毎週の生放送という重責は、心身ともに大きな負担であったことは想像に難くない。芸能関係者からは「歌手活動を1年でも長く続けていただきたい。そのためにも、ここが潮時と悟ったようです」との見方も出ている。

「ご意見番」と時代のズレ

番組の魅力であった和田の「歯に衣着せぬ発言」は、時代の変化とともに諸刃の剣となった。かつては視聴者の代弁者として共感を呼んだコメントも、コンプライアンス意識が高まった現代では「失言」として炎上するリスクを常にはらむようになった。

象徴的だったのが、2024年8月のパリ五輪金メダリスト・北口榛花選手に対する「トドみたい」発言だ。和田は「かわいい」というニュアンスで愛情表現のつもりだったと釈明し、翌週の放送で深々と頭を下げて謝罪したが、この一件は大きな波紋を広げた。以降、番組内で「炎上するようなこと言うてないよね?」と共演者に確認する姿が見られるようになり、かつての奔放な「ご意見番」の姿は影を潜めつつあった。この変化に、番組の限界を感じた視聴者も少なくなかった。

SNSに渦巻く、惜別と厳しい視線

番組終了の発表を受け、X(旧Twitter)などのSNSでは様々な声が上がった。

「日曜のお昼といえばアッコにおまかせだった。寂しくなるな」
「40年間お疲れ様でした。アッコさんの存在感は唯一無二だった」
「自分の意思で幕引きを決めたのは潔い。かっこいい」

長年の視聴者からは、労いと惜別のコメントが相次いだ。一方で、近年の番組内容や和田の発言に対しては厳しい意見も目立つ。

「正直、最近は見ていなかった。時代の流れかな」
「ご意見番というより、ただの悪口に聞こえることが多かった」
「やっと終わるのか。後番組に期待したい」

賛否両論が渦巻く状況は、それだけ「アッコにおまかせ!」という番組が、良くも悪くも大きな影響力を持っていたことの裏返しと言えるだろう。

一つの時代の終わりと、これからの和田アキ子

「アッコにおまかせ!」の終了は、単に一つの番組が終わるというだけでなく、昭和から平成、令和へと続いたテレビの一つの時代が終わりを告げる象徴的な出来事である。和田アキ子という強烈な個性を中心に据え、生放送ならではのハプニング性と、ご意見番の鋭いコメントで視聴者を惹きつけてきたスタイルは、もはや過去のものとなりつつあるのかもしれない。

和田は今後について「歌手活動は続けます」と明言している。番組という大きな看板を下ろし、一人の歌手として、彼女はこれからどんな歌を聴かせてくれるのか。40年の長きにわたり日曜の昼を彩ってきた「ゴッド姉ちゃん」の新たな挑戦に、多くの人が注目している。

[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]

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